日暮里の酒場を定期巡回。店主さんや常連さんとの会話こそ、大衆酒場の魅力です。日暮里は最近、串系の飲み屋が何店舗か開業していまして、そのひとつ「もつや」がイイお店だよという話題に。そういえば、ブロガーの友人もオススメしていたお店だなーということで、軽く馴染みの酒場を済ませて向かってみることに。駅から5分ほど歩くので、地元の人でなければなかなか見つけることはないかもしれませんが、これがなかなかいいお店でしたのでご紹介いたします。
赤ちょうちんの「もつ焼き」の文字がかっこいい、「もつや」。焼台を挟んで2の字カウンター構造の酒場です。古いもつ焼き屋によくある構造で、煙を効率よく排出でき、テイクアウトを受けることもできる理にかなった構造ですね。
両側に入り口があるので、はじめてのときは「どっちが入門者向けの扉か」ということで悩むものです。うっかり常連さん列に入ってしまうと微妙な空気が流れてしまうのではないかと不安で(笑)
えいやと、駅に近い左側から入店。笑顔で迎えてくれる女将さんにほっとしながら、まずはビールを注文。
サッポロビールだから来たのではなくて、入ったら偶然サッポロだったのです、ホントに。サーバーもグラスも状態がよくてぷるりとした泡がのったキレイな生ビール(460円)で、それでは乾杯!
瓶ビールは赤星とのことで、それは二杯目の楽しみに。
すぐにでるおつまみをもらって、頼んだ串が焼けるのを待つ時間。この間が好きです。奥の常連さんは野球帽が似合うお父さんたち。だいぶ進まれているようで楽しそう。会話に参加させてもらい、楽しいひととき。
お通しなしで、酎ハイ290円、もつ焼き・やきとりは90円、煮込みは350円という価格設定。地元の飲兵衛さんが通う理由がわかります。安いだけでなくて美味しいですもん。煮込みはすじ煮込みもあり、塩味ですっきりした味ながら、余韻の脂のほどよい残りがビールをぐいぐいと進めてくれます。
タン、カシラ、うずらなど。2本以上の注文になりますが、組み合わせは自由。カシラは間にネギを挟んだスタイル。鮮度がよいようで、もつ特有のくせがなく、ぱくぱくと食べられます。とくにタンの旨味が強く、なかなかの美味。
つくね、シロはタレで。甘い側にふった味付けで、濃い味がチューハイやハイボールに合います。ご主人が焼台担当で奥さんが小鉢やドリンクのサーブを担当。家族経営ならではの息の合った接客が心地いい。
ガリガリ君を氷彩サワーにいれた不思議なガリガリ君サワー。あたりがでればもう一杯?暑い時期にデザート感覚で飲みたい。ウーハイや緑茶ハイなども300円とリーズナブルで甲類はたっぷり入れてくれるので2千円届かないくらいで結構な酔いになることうけあいです。
チューハイがぶがぶ飲むとあっという間に酔っ払うのが下町酒場です。気をつける意味もこめて、瓶ビールへ。赤い星がもつ焼きのカウンターに似合います。
日暮里はもともと焼き鳥屋が多い地域なのですが、こうしてド大衆で定番、上品にしたり奇をてらわない普通の大衆酒場がオープンするというのは嬉しい限りです。お客さんも地元の方ばかりで、早くも土地に根づいき、味わいや風格すら感じます。
遠方まで飲みに行くのではなく、近場でひょいと飲んで千円ちょっとでほろ酔いになれる酒場って大切ですよね。いいお店みーつけた。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
もつや
03-3806-4194
東京都荒川区西日暮里2-13-4
16:00~23:00(日祝定休)
予算1,800円