武蔵小山駅周辺は、目黒線の中でもひときわ特長のある街です。
なんでターミナル駅でもないのにこんなに飲み屋さんがあるのだろうと初めて来た人は驚くことでしょう。
しかも、お昼から飲めるお店がとっても多い。
周囲に町工場があったことが関係しているようですが、それにしても、北の赤羽・南の小山と言っても過言ではない雰囲気があります。
そして、武蔵小山の人が誰もは一度は飲みに行くお店が「晩杯屋」です。週に5回通っている日という人もたくさんいる街のランドマーク的な存在です。
目蒲線時代の街並みはどこへやら。駅も地下になってだいぶ印象が変わりましたが、晩杯屋の周辺は4両編成の電車がコトコト走っていたときのまま。
いらっしゃい!
お姉さん、お久しぶり。外でいいの?
はい、ここはやっぱり雑多な道路脇で立ち飲みしてこそのお店です。
名物ドリンクは緑茶割り。度数がちょっと濃い目。価格は290円。サッポロの435ジョッキに氷控えめにどーんと入ってきます。嬉しいね、今夜も乾杯☆彡
食べ物の定番はマグロ刺しでこんなに入って200円。
立ち飲みの「安かろうわるかろう」のイメージを払拭する料理の数々に初めての人はみんな衝撃を受けます。
ね、見ただけでも質の良さがわかりますよね?
「スーパーで買って家で飲むよりもここのほうが安いよね」と笑うお隣の常連さん。
冬にはカキ酢が5個くらい入って200円未満だったり、煮込みやポテトサラダが120円前後だったり、とにかくすごい。それで料理のレベルは落としていない。
200円のカキフライを追加して、常連さんたちといつものように愉快なトーク。
ここのカミナリサワーってなんだろう?と聞かれ、「電気ブランですよー」と答える私。「なるほどー、ぴりぴり来そうだね!」とお酒を軸にして盛り上がります。
おつまみは500円もあれば一寸一杯には十分。11時からゃっているので昼酒を楽しみたい老後を満喫しているお父さんたちの楽園として明るい時間から大人気。
赤羽のいこいで修行された方が開いた晩杯屋。
酒場激戦区において、しっかりとした立ち位置をつくられて、毎日この街を賑やかにしています。
板橋区大山、品川区大井町のお店も毎夜大繁盛☆彡
さてさて、長居は粋ではありません。ここでゼロ軒目、次は街の老舗酒場へと流れていくのが小山の飲兵衛さんの基本。
次はどこにいくー?
「”牛太郎”はもう閉まる時間だし”うち田”へ行こうか。おう、そうしよう、お姉さん、またねー」
いくつになっても梯子する人生の先輩はカッコイイ。
私も次へ流れようかな。
1000円で二杯・二品、いい気分。ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見なゆ)
立ち飲み 晩杯屋
03-3785-7635
東京都品川区小山3-20
11:00~23:30
予算1,200円