2021年7月にオープンした「スタンド富士浜松町店」は、株式会社MountainBullが運営する酒場・食堂を融合した懐かしくて新しいタイプの店。肉豆腐やハムカツをつまみに飲むもよし、中華そば1杯だけという利用もよし。使い勝手のいい新店です。
目次
スタンド富士は、今流行りのネオ大衆のひとつ
生活スタイルが多様化する今、従来のカテゴリーにとらわれない飲食店が増加中です。居酒屋、食堂、大衆中華。それらの要素を融合した飲み屋が大都市を中心に注目されており、スタンド富士もそうした1ブランドです。
2020年7月22日に恵比寿で1号店をオープンし、浜松町店は2店舗目となります。そして3店舗目が2021年11月8日、池袋西口の立教大学近くにオープンしました。
各店とも、厨房をみせるカウンターをメインとし、その後ろにテーブル席が並ぶつくり。大衆中華では最もスタンダードな店内配置となっています。造作に凝った店ではなく、蛍光灯の光に照らされた空間は、まさに「食堂」といった印象です。
近年、再開発や世代交代などの問題から減少傾向にある家族経営の食堂や大衆中華の役割を、若手の飲食企業が受け継いだといえるのではないでしょうか。筆者の考えは述べませんが、こうしたニーズは変わらずあるということ。客層は幅広く、スーツ姿のオフィスワーカーや、ラフな格好の近所の人などさまざま。
一杯目はやっぱりビールから。グラスではなく槌目タンブラーなことに驚きました。液種はサッポロ生ビール黒ラベルです。それでは乾杯!
品書き
ドリンクメニュー
生ビール(サッポロ黒ラベル528円)、瓶ビール(サッポロラガー中びん638円)、デュワーズハイボール(418円)、チューハイ(サッポロ甲類ベース・418円)と、基本はサッポロ系です。ホッピー(セット528円)あり。
珍しいのは定番の日本酒が香川・琴平の「金陵」(605円)というところ。
料理のメニュー
お店の推しは赤文字の、ガツポン酢(418円)、タン刺し(528円)、水餃子(528円)、とろレバ刺し(605円)、ハムカツinチーズ(528円)、揚げ豚足(528円)など。中華そば(770円)は煮干しが効いたもので、製法にこだわりがあるようです。
お通しなし、気軽にちょいちょい摘んでほろ酔いに
タン刺し(528円)
低温加熱をしたしっとりとしたタン刺し。近年、多くの店でタン刺しをだしていますが、こちらはコショウをかなり強めに効かせているのが特徴です。
肉豆腐牛スジ(528円)
店の暖簾にも大きく書かれた「肉豆腐」。とろとろになるまで煮込んだ牛と、豆腐が半丁ごろっと入った豪快な一品。こぼれさせるのは昨今の流行りのスタイルですね。
豆腐はそれほどしみていませんが、牛すじがかなり旨味を持っているので、あわせて食べるとバランスがよいです。
チューハイと抹茶ハイ(418円)
チューハイはこの上なくプレーン。マルチサーバーから注いでいるのでガス圧は安定して高そうです。
それにしても、この抹茶ハイの濃さはすさまじいです。白いタイル張りのカウンター立ち上がりの上では、この通り際立って真緑な存在。グラスの下のほうはどろっとしているくらい。お茶が持つポジティブな成分を期待してしまいます。
アンチョビ煮卵ポテトサラダ(528円)
派手なポテトサラダはテンションがあがります。煮卵は中華そば用に用意しているものでしょう。味が染みています。
ハムカツinチーズ(528円)
SNS映えというには茶色過ぎると言われそうですが、なかなか派手な一品です。チーズはかなり多めに使われており、断面から流れ出てくるほど。ネオ大衆酒場ブームとともに、ハムカツの進化はまだまだ続きそうです。
ハムカツの脂と熱で蒸さてしっとりしたキャベツがいい役割をしています。
バイスサワー(418円)
シャーベット状に凍らせた甲類焼酎に、コダマ飲料のバイスを注いで出来上がり。レトロモチーフのお店に、昔からのバイスはよく似合います。
食事がてらの一杯でも利用しやすいスタンド富士。今後もこういうスタイルのお店が増えていきそうです。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | スタンド富士 浜松町店 |
住所 | 東京都港区浜松町2-1-6 ADsis Daimon 1F |
営業時間 | 15:00~0:00(土日祝は13:00~) |
開業年 | 2021年7月9日 |