炒飯はビールのおつまみです。稀にですが猛烈に炒飯で飲みたくなります。そうしたときにいくつか思い当たる大衆中華があり、例えば三河島の「ハルピン」もそうした一軒です。
下町の大衆中華
大衆中華(最近では町中華)は飲めるお店とそうでないお店があります。ともにビールがあっても、やはりお酒を飲んでも良さそうなムードが必要です。慌ただしく皆さんが空腹を満たしている横で、だらだらと瓶ビールを傾けるというのはよろしくありません…。
だからこそ、ムード的に飲める中華を見つけたときは嬉しくなります。
三河島駅から徒歩5分ほど。都電荒川線の荒川区役所前電停からも近い明治通り沿いに中華料理ハルピンはあります。界隈は大衆中華がひしめき合う激戦区。ここで何十年も続いてきたお店です。
昼から通しで営業、土日も営業しています。
いかにも街の中華という店構え。
白い大きな暖簾をくぐると、店は外観から想像する以上に奥へと長く伸びています。広い調理場を見渡せるカウンター席と、壁側にテーブル席。家族経営で、調理場からは下町らしいちゃきちゃきとした会話が聞こえてきます。
献立は100品以上
一枚にびっしりと書き込んだタイプの品書き。視覚に飛び込んでくる料理と数字の洪水が、おつまみを食べる前からビールをぐんぐん吸い込んでしまいそうです。(適正飲酒:お酒は自分のペースでゆっくりと)
点心や一品料理の充実、そしてレモンサワー(350円)や瓶ビール大瓶の550円という良心価格で、お酒が進むこと間違いありません。
人気のおつまみは生姜焼(650円)。値段以上に山盛りで出ると評判の鳥からあげ(700円)や肉団子(500円)も気になるところです。
安くてボリュームがあり、個性もある
お客さんは皆さんご近所さんのよう。いつもの個人店のいつもの料理でお腹を満たす、昔は当たり前だった光景がここにあります。
アサヒスーパードライ大瓶
料理の注文を前に、まずは瓶ビールを。銘柄はアサヒスーパードライ(550円)。樽生の取り扱いもあり、そちらも同じくアサヒスーパードライです。
トクトクとビアタンを満たしたら、では乾杯。
焼き餃子(350円)
餃子がこの大きさで350円と、チェーンに負けない値段とボリューム。平均より大きい自家製の餃子は皮がもちもち、餡は肉がたっぷりつまり、たぷたぷとしています。
電話番号がかかれたお皿がまだまだ現役なのも嬉しいです。
ナスカラシ炒め(500円)
ご主人が提案してくれたおすすめの中から、気になる「カラシ炒め」を。
こちらはナスですが、エビカラシ炒めというものもあります。コクと甘味のあるピリ辛炒め。辛い料理が苦手な筆者ですが、安心して美味しく頂けます。ただし時間差で辛味が追いかけてきます。
中華をつまみに、濃いめのウーロンハイを飲む楽しさは、居酒屋のそれとは違った魅力を感じます。
はじめてみる酎ハイタンブラー。氷少なめ、焼酎はウーロンハイを麦茶ハイのように明るくするほどにしっかり入っています。
五目炒飯(750円)
ハルピンに来た目的、登場するとみんな笑顔にさせてくれるような具だくさんの五目炒飯。これで750円と嬉しい値段。
逆お椀型ではなく、加えて具材の彩りもあって、五目ちらし寿司のような見た目。カニカマだけでなく、本物のかにむき身や桜えびが入り、しっかり海鮮の旨味が感じられます。
卵やチャーシューの一部はパリパリ食感になるまで炒められていて、ごはんもパラパラとしています。具が多く旨味が強く感じられる炒飯、ビールのお供にぴったりです。
飲まずにはいられないお店「ハルピン」。ボリュームがあるので二人で行くほうが色々楽しめます。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 中華料理ハルピン |
住所 | 東京都荒川区荒川3-32-8 |