今日は東京都港区は新橋から、ベテランのご夫婦が切り盛りするとっても家庭的な酒場をご紹介します。虎ノ門と汐留をつなぐ環状第2号線(通称マッカーサー道路)を越えた先、新橋5丁目にある「だん亭」です。
今年で創業40年、家族経営の酒場です。カウンターメインのお店で、お客さんは新橋で長年勤めてきたベテランの会社員や役員、近隣に暮らす人々などで、ほとんどの方が長年の常連さんです。
店構えや常連さん率が高いと聞けば敷居が高く感じるかも知れませんが、入ってみれば、皆さんとってもウェルカムな雰囲気で迎えてくれます。
ビールはビンでアサヒスーパードライとサッポロ黒ラベル。どちらも大ビンは650円です。日本酒は下り酒「菊正宗」、そして多摩の地酒「澤乃井」(小徳利430円)です。ボトルで本格焼酎や国産ウイスキーあり。ほかにもタイミング次第では珍しいお酒に出会えるかも。
8席のカウンターが常連さんで賑わう中、ご主人の正面の1席に座らせていただきました。両隣の常連さんにご挨拶したら、まずはビールで乾杯。
豊洲・築地の魚を揃え、ひらめなどの高級魚も入ります。かれい、いわし、赤魚や銀鱈など、魚好きならば何を頼むか迷ってしまいます。
お通しとして、根菜たっぷりの赤味噌のモツ煮込みと衣かつぎ(小芋)がでてきました。りあえずこれを食べててね、というように。魚介メインのお店ですが煮込みの味も非常によく、クセはなく旨味は濃厚。これはビールが進みます。なんとサービスなのだそう。
うの花(450円)。しっとりだしが染み込んでいます。
職人気質ですがお話もお好きなご主人と、丁寧な接客の女将さんが二人三脚で切り盛りされています。お酒がお好きなご主人や常連さんと話していると、いつの間にか注文していた焼鳥がでてきました。
人気の串は特製のつくね。深い味のタレをまとったつくね。
もちもちとしていて噛むとじんわりと肉の旨味が広がります。
さて、ここから常連さんやご主人とのお話がだいぶ盛り上がりまして、冷酒を飲んだり珍しいシングルモルトウイスキーのおすそ分けを頂いたり。
大いに盛り上がったわけですが、取材はそっちのけとなってしまいました。
会話好きのご主人と、そこに集う皆さんもとてもコミュニティを楽しむ人達です。予約が入っていたテーブル席も埋まり、お店はまるでひとつの職場の懇談会のような状況に。私は一人で来ていたのに、気づけば皆さんと意気投合し、1軒でだいぶ長く飲むことになりました。
新橋は転々とハシゴして飲むことが多いですが、だん亭は根を張ってしまいます。ご夫婦がゆったり切り盛りしているお店は、むしろ新橋らしくないかも知れません。この雰囲気を求め、今日も常連さんが集まります。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材時期/2020年1月)
だん亭
03-3431-6658
東京都港区新橋5-9-8 大木ビル 1F
17:00~22:30(日祝第3土定休)
予算2,800円