池袋の飲み屋といえば、居酒屋清龍や養老乃瀧の本店があるなど、「ザ・大衆酒場」な街なのですが、落ち着いて飲めるお店はというと案外ありません。
ホテルのバーも銀座、新宿、渋谷のようなよりどりみどりではなく、ホテルメトロポリタンの「オリエントエクスプレス」くらい。オーセンティックという路線ならば「イレブン」だけども、どちらも普段使いするには毎晩飲み歩いている身(というよりはおさいふ事情)には厳しい。
となれば、やはり定番はここということになりますね。
ヘルメスワインコーナーは飲食店がどっさりとある池袋でもかなり老舗のお店。トリスバーなんて言われていた時代にできたお店のひとつです。
実はここ、新宿の同じくトリスバー系の「イーグル」や「昴」の同系列にあたります。時々、バーテンダーさんが異動になることもあって、新宿で仲の良かった方がこちらに来ていたこともありました。
駅から徒歩3分。派手なネオンの下、とキャッチを避けながら歩いてすぐ。
入り口は目立たないのですが、お店は地階にあって、外観からは想像もつかないほど高い天井が広がっています。
いらっしゃいませ。
コートや荷物は入り口のウェイターさんが預かってくれます。
さて、何から行きましょう。
今夜はローヤルからかな。ダブルでロックにしてください。
ここのバーテンダーさんは本当にスマート。無駄の一切ない動きでささっと作り、お客さんの前に出すときはグラスを滑らすスピードを計算しているかのようで、実に心地が良いです。
アーリータイムスやティーチャーズといったベースラインは200円から飲めるという破格のお店としても有名ですが、ここの本領はやはり上質なウィスキーにカクテルでしょう。
そして、料理がとても美味しい。
いつも、池袋を散々飲み歩いて最後に辿り着く私ですが、毎回反省させられます。
もう少し、ほんの少しでもお腹に隙間をつくっておけばと。
月替りのオードブル盛り合わせは、コック長のプライドが凝縮されたとても美しいもの。これで1,000円ほどとかなりお値打ち。
毎月、これを楽しみにしています。
このとき(4月)は、イカに雲丹ソース、ローストビーフ、桜鯛の昆布締め、花の形にしたパテ。
どうしてここまでこだわるのと、いつも感心してしまいます。
季節感のある料理をおつまみに、カクテル。いいじゃないですかー。
季節のカクテルというものもあり、こちらも季節ごとに異なり、果肉をベースとしたトロピカルなドリンクがでてきます。
私は今日はどうしてもマティーニな気分。ゴードンをベースで作ってもらいました。キリっとした香りが一瞬だけ酔いを覚ましてくれます。
そのあとは、ただひたすらと池袋のまどろみに飲み込まれていくわけですが。
最後に、白州をダブルで。
抑えられたスモーキーさと穏やかな爽快感、最後に飲むウィスキーに選ぶのはちょっともったいないのですが、酔って気が大きくなるとあるよね、こういうこと。
カウンター数席、テーブル数卓、バーテンダーさんはお二人のコンパクトなバー。
隠れ家というには有名すぎますが、客層は新宿の系列店と比較して年齢高めなのでとても穏やかに飲むことが出来ます。
議論なんてするのはバーに似つかわしくない。特別な話題なんていらなくて、ただひたすらウィスキーで酔いたい夜もあるものさ。
今日、9軒まわっちゃったよ、マスター。
えっ(笑)
最後はいつもこんな話をして、ごちそうさま。
行ったことがない方はぜひ。バーってインスピレーションのようなもので好き嫌いがわかれますから特別おすすめはしませんが、私は好きなお店です。
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(取材・文・撮影/なゆ)
ヘルメスワインコーナー
03-3985-1350
東京都豊島区西池袋1-34-3 矢島ビル B1F
17:30~24:00(日定休)
予算2,300円
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【2012年12月訪問記】
こんにちは。
バーには様々な使い方があります。
独りでしっとり、ウィスキーの並ぶ棚を眺めながら、
マスターと近すぎず離れすぎずの空気を楽しむ。
二人で静かに会話をしながら、その真ん中にウィスキーがある。
カクテルを飲みながら恋人と過ごす。
飲み仲間と三軒目で満腹だけどもう一軒として…
今回は二番目の、静かな会話を求めて池袋北口の「ヘルメスワインコーナー」さんへ立ち寄りました。
池袋という街は、どんなとき、どんなシチュエーションでも飲み屋さんには困りません。
養老乃瀧の本店、居酒屋清龍本店など力強い老舗チェーン店があらゆる時間を支えていますし、大宴会にも応えてくれます。
久しぶりに再開した友人と、少し飲みましょうってことに。
彼は、よい飲み屋さん知っているよーと言うのでどこかと思えば「和民」さん。
…
そうでした、彼は私が飲みっ子とはしらないもんね。
じゃあ、静かに話したいし、良心的なバーがあるのでそこにしましょって方向転換。
乾杯!
いやー、10年ぶり?同窓会これなかったもんね~。ほんとに懐かしいです。
そんな会話で、盛り上がります。
半世紀以上続く池袋の老舗のバーで、ロックのローヤルを飲みながら話はつきません。
彼は家業を継ぐために新潟に帰っていて、久しぶりに出張で来たそうで。
もしかしたら逢えるかなというメールしてきたのがキッカケです。
つぎは~・・・ジョニー・ウォーカーの黒をロックでお願いします。
彼は一杯目はビール、二杯目は、、、「オススメは?」と聞かれたので、
「そうねー、じゃあオールドのソーダはおいしいよ」
ということでハイボールを飲むことに。
飲兵衛じゃないとバーでの注文って難しいのかもですね。
好きなのを飲めばよいと思うのです。
ピクルスでもつまみながら、話は当時通っていた学校の話で盛り上がります。
なんだか懐かしい思い出がいっぱい蘇ってきます。それってお酒の力もあるんでしようね。
次は、クラウンローヤルなんて珍しくカナディアンウィスキーをロックで。
話はお酒の話題に。
新潟では日本酒がことあるごとにでてくるので、あまり飲めない彼はたいへんみたい。
そういう環境でしたら、私なら一升瓶相手にずるずる~と飲み続けるのですが(笑
ウィスキーも種類が豊富ですが、ブレンデッドスコッチやアイリッシュが好き。
シングルモルトブームにいまだに乗れていない私^^;
あ、ジャパニーズウィスキーもやっぱりそうでして、山崎や響はそんなに魅力を感じません。
次は、バランタインの17年…と言いたいけれど、もったいないのでローヤルをダブルでソーダ。
ここは本当にリーズナブルでウィスキーを楽しめます。
バーなのでもちろんカクテルも良いのですが、
ローヤルで330円は大衆酒場も驚きの価格なんです。
ここでうっかりトリスなんかがあったらいくらになるのでしょう(笑
だってホイワトホースで250円…
彼はもう飲めないみたいなので、そろそろおいとましましょう。
ごちそうさま。