清水五条(京都)「ねぎぼうず」”赤”を片手に。深夜のお好み焼きは魔法の美味しさ!

清水五条(京都)「ねぎぼうず」”赤”を片手に。深夜のお好み焼きは魔法の美味しさ!

2020年6月22日

旅にでかけたいと思うとき、まず最初に浮かぶ場所は京都という方は多いのではないでしょうか。ひとつだけ旅先を選べるならば、筆者も京都と答えます。

伏見の日本酒を片手に、琵琶湖や鴨川の淡水魚に若狭湾のぐじや鯖、ハイカラな洋食や京都式街中華と食べたいものばかりの京都ですが、実はお好み焼きも地域密着の名物料理です。大阪の”ねりこみ”ではなく、生地の上に具材を載せて焼く”べた焼き”というスタイルが主流です。

今回はそんな京都のお好み焼き店から、真夜中に魅惑のべた焼きを食べさせてくれる「ねぎぼうず」をご紹介します。

 

いつだって京都にちょうどいい時間につくとも限りません。仕事終わり、最終ののぞみ号で京都についたならば、すぐさま目指すは「ねぎぼうず」。

 

東山五条近く、家族経営の店「ねぎぼうず」。深夜3時まで営業しています。夜が深まるほどににぎやかになるお店で、お好み焼き屋ではありますが、お客さんはほぼ全員が飲み屋使いしています。

 

樽生ビール(530円)はアサヒスーパードライ、瓶ビールはキリンラガー(580円)。ですが、ここは京都のお好み焼き店、一杯目から”赤”(460円)で始めます。それでは乾杯!

京都の特にお好み焼き店に多いご当地酎ハイの赤、別名「ばくだん」です。甘いワインや炭酸飲料、甲類などを合わせたオリジナルの一杯は、辛めのお好みソースによく合います。

 

お好み焼き(750円)や焼きそばだけでく、鉄板料理も充実。店名がねぎぼうずですから、もちろん「ねぎ焼き」もあります。ところでねぎ焼きとお好み焼きの違いをご存知でしょうか。お好み焼きはキャベツを使いますが、ねぎ焼きはキャベツの代わりに大量のネギを使ったものです。

 

悩むところですが、今日は真夜中のお好み焼きと決めていたので、ホソ(牛の小腸部分)入りそば玉お好み焼きをチョイス。

 

カロリーの心配よりも食欲が増すのが鉄板前の席。ベテラン大将の豪快な仕事を眺めて、赤をさっと二杯目に。

 

「ねぎぼうず」を教えてくれた方は、京都で半世紀やっている酒場の女将さん。観光業、飲食業が多い京都は、こちらのように夜の仕事を終えてから飲みに行く地域密着のお店がいくつもあります。居合わせた常連さんも皆さん飲食店の方のようで、食の話に花が咲きます。

 

そうこうしている間に、生地の上にホソ、そば、ゲソ、九条ネギ、紅生姜に天かすがのっかりました。

 

目にも留まらぬ速さで天地を反転させ、すぐさま横に生卵をおとして合わせれば焼き上がりです。

 

ソースは辛口と甘口の二種類。京都のお好み焼き店の辛口ソースは冗談なしで辛いことが多いのでご用心を。

 

青のりおかかをふったら、さぁ、完成。ここに至るまでに、赤は3杯目。香りとご主人のトークでお酒が進みます。

 

もちっとしつつ、ときどきパリっとした麺。ホソの濃厚な脂と酸味の効いた辛ソースの相性の良さ、ジューシーなキャベツの甘味も心地よいです。

ご主人の仕事もトークもテンポよく、人柄も素敵。笑顔に癒やされる、真夜中お好み焼き。ベタのホソをアカといっしょに、これもまた京都らしい飲み方のひとつだと思います。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

ねぎぼうず
075-531-2289
京都府京都市東山区慈法院庵町589-20
18:00~27:00(火定休)
予算2,000円