品川は「のぞみ」も止まる巨大なターミナル駅なのに、飲み屋さんの数はあまり多くはありません。京急線側の高輪口は、駅前にシティホテルが立ち並び、その先はすぐに高輪の高級住宅街です。海側の港南口も、駅周辺が大規模に開発されたのは平成に入ってからということもあり、ビル内に入るチェーン飲食店が中心です。
そんななかにも、立ち飲みは存在します。今回ご紹介する「日向食堂」は、ビルのテナントながら創業から12年になるお店。近隣で働く人々で毎夜賑わっています。なによりの特長は、「チョイチョイセット」の存在でしょう。串揚げなどと小皿、そしてドリンク2杯ついて税抜1,000円です。
港南口の海風を感じ、路面店ならではの開放感が楽しめます。
開け広げた店先、元気なスタッフの皆さんが常連さんとは軽い世間話などしつつ、テキパキと切り盛りされています。
チョイチョイセットには残念ながらビールが含まれません。それでも、やっぱり一杯目は生ビール(450円以下税別)を飲みたい気分。見上げれば品川インターシティー越しの星空。星の下で星のビールで乾杯!
ここの樽生は黒ラベル。立ち飲み店と侮るなかれの、状態のよさが魅力です。
ビールは樽生のみ。東京の大衆酒場の人気モノ、ホッピー(白)はセットで450円。
酎ハイ(330円~)、電気ブラン(450円)に加え、本格焼酎の品揃えは立ち飲みとしてはかなりの充実ぶりです。日本酒は売り切りで季節感ある銘柄が入ります。風の森もありました。
看板料理は串揚げですが、黒板メニューは軽くつまみたくなる小鉢や揚げ物が揃います。
定番メニューは手頃な価格が嬉しいです。串揚げはナスなど50円から。ハムカツが人気メニューだと聞きます。
チョイチョイセットは17時から19時の間でオーダー可能。駅とメインの飲み屋街の間にありますから、帰宅前の軽い一杯や、ゼロ軒目として使うのが最適です。
酎ハイなど2杯、小皿は3種類から選び、メインは串揚げ6本(通常700円)やモツ煮込み枝豆セット、ハムカツとマカロニサラダの3品から選択します。グループできたら、それぞれ別の料理を選べばテーブルの上は賑やかに。
看板料理の串揚げ6本をチョイス。カマンベールなどの代わり種から豚バラやナスなどの定番まで一通りでます。正直、ゼロ軒目ならばこれで十分すぎるほどの内容です。
ソースはお好みでかけるタイプ。衣は細かく生地薄め。揚げたてサクサクの食感と風味がお酒を進ませます。
選べる小鉢は、感覚的にはお通し代わり。らっきょと、大根のわさび漬け。
今回は二人で訪ねたので、2セットを注文。こちらは味噌もつ煮込み(枝豆つき)を選びました。シロを中心に根菜たっぷりの煮込み。こぶりながら丼ぶりにもられていてボリュームはしっかり。
チョイチョイセットをビールではじめてしまいましたが、お酒2杯がついてくるので、串揚げ・煮込みをつまみつつ、夜風をあびて酎ハイをスイスイと。※お酒は自分のペースで。レモンはポッカサッポロのおなじみのもの。
時間があればふらっと吸い込まれたくなる立ち飲み「日向食堂」。手軽さ、気軽さ、そして店員さんの気さくな雰囲気が素敵な一軒です。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材時期/外出自粛要請以前に取材。)
日向食堂 品川店
03-5462-8760
東京都港区港南2-14-10 港南駅前ビル 1F
17:00~00:00(日祝定休)
予算1,500円