麺飯類であっても具だくさんな中華はお酒の肴になります。ビールできゅっと喉を冷やしたあとに、熱々の中華を頬張るのは至福のとき。それは旅先であっても同じです。
今日は長崎は銅座町から、創業から80年近い歴史を持つ町の中華店「永盛楼」をご紹介します。長崎の中華といえば、やはり長崎ちゃんぽん。町の中華店はもちろん、駅ナカでも食べられる長崎ちゃんぽんは、どこで食べようか悩むというもの。グループで食べに行くならば長崎新地中華街の大箱有名店を訪ねるのもよいですが、一人でそっと楽しむならばどこでしょう…。
そこで長崎の酒類関係者から教わったお店「永盛楼」を訪ねてみることにしました。
グラバー園に大浦天主堂。長崎市内の主要な観光スポットはいずれも徒歩圏。少し疲れたら路面電車で楽々移動。
グラバー園から徒歩15分ほど。ぷらぷら歩いてやってきました、新地中華街。観光客で賑わう様子を横目にして、もう少し歩いて目指すお店へ。
シンプルな店構え、スーパーカブがとまる懐かしい雰囲気の中華屋さんです。5つほどのテーブル席が並びます。
お客さんは地域の方が多く、女将さんと井戸端会議を兼ねてやってくるお姉さま方や、近所の商店の店主さんに会社員など様々。おじいちゃん、お母さん、娘さんの3世代家族が食事をされているのが印象的でした。老舗らしい光景です。
まずは、なにはともあれビールから。中瓶(600円)のアサヒスーパードライを傾けてひと呼吸、はい乾杯。
アルコール飲料は瓶ビールと日本酒(450円)のみ。じっくり飲むのは夜にとっておいて、お昼の中華は中瓶2本程度が丁度いい。
ちゃんぽん(750円)からはじまり、ちゃんぽん麺でつくる焼きそば、春雨スープやビーフンなど。常連さんに人気はカレーチャーハン(780円)だそう。定食や、八宝菜、酢豚、唐揚げ、エビチリなどの一品料理もあります。
目的はやっぱりこれ。長崎ですからちゃんぽんです。特製ちゃんぽん(1,100円)
麺よりも具が多いくらいなので、これがビールのおともにぴったり。豚、海老、蛸、イカなど18種類もの具が入ります。生卵を載せているのが特長です。ハートの形の人参が素敵。眼鏡橋の石垣にあるハートや、グラバー園の石畳にあるハート石など長崎にはいくつも隠れハートがありますが、ここでもひとつ発見。
鶏ガラベース、わずかに豚骨の風味があるのもポイント。比較的おだやかな味のスープにじんわり癒やされます。
中太のちゃんぽん麺はほどよく味が染みています。
優しいおばちゃまな女将さんの人柄が料理やお店の雰囲気に反映されていて、旅の合間に心を落ち着けることができる場所でした。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材時期/2020年2月以前)
永盛楼本店
095-822-8780
長崎県長崎市銅座町3-26
11:00~15:00・17:00~19:00(不定休)
予算1,700円