言わずとしれた福岡は博多の観光名所・中洲屋台。那珂川と博多川に挟まれた中洲と呼ばれるエリアは、川沿いに屋台が立ち並び、中洲全体も飲食店など夜のネオンがびっしりと灯る遊び場です。
せっかく博多に来たならばと中洲の屋台を目指す人も多いと思いますが、お店選びは結構難しいです。だいたいがとんこつラーメンや鉄板焼きをメインにしています。ここでじっくり腰を据えて飲むのではなく、手軽に雰囲気を肴に飲みたいならば「大ちゃん」はいかがでしょう。
川沿いの土手にびっしりと並ぶ屋台の赤ちょうちん。酒場好きならば間違いなくテンションがあがる一画です。大ちゃんは国体通り春吉橋東詰から入ってすぐの場所。ラーメンと大きく書かれていますが、早い時間は飲み客メイン。もちろん〆のラーメンは頼まなくてもOKです。
屋台にいる”お兄さん”に、ここいい?と簡単に聞いて席に付き、あとはビールを頼めばもうそこはあなたの空間。ビールが出るまでのわずかな時間におでんか、串焼きか、おつまみを決めておくのがスムーズです。
屋台は総じてお値段はちょい高め。それでもこの雰囲気は代えがたい魅力があります。やきりとは200円、おでんも200円なので、ちょいとつまむ分には小銭でも問題ありません。
クタクタに煮込まれているおでん。寒い季節は湯気がたちのぼり、屋台の中は湿度高めのほっこり空間になっています。そして漂う出汁の香り。食べたいものを「はんぺんに、がんもに、…」と指さして頼むのも楽しいです。
お酒はむぎ焼酎お湯割り。おでんをもらって、では乾杯!
串は冷蔵ケースからチョイス。下焼きしたものではなく、生の状態からじっくり焼いていきます。那珂川を登って香る博多湾の磯の香りもまた酒の肴で、頼んだものを焼いてもらっている時間が最高に”屋台している”と感じます。
無口っぽくて、実は話上手なお兄さんと飲み屋トークを楽しみつつ、焼酎を飲んでゆっくり深呼吸。
焼酎を飲み進めるならば、やきとりと一緒に網で焼く明太子もおすすめしたいです。2個もあれば、あとはこれでちびちび飲んでいい気分になることは間違いありません。
秋の中洲で、福岡のネオンが川面に反射した非日常で、のんびり博多の時間が過ぎていくことを楽しまれてみてはいかがでしょう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
大ちゃん
福岡県福岡市博多区中洲1丁目
17:00~26:00(日・悪天候日)
予算2,000円