羽後本荘「焼鳥元気」 吹雪く夜でも賑わう元気な店。本荘で酒場飲みならココ!

羽後本荘「焼鳥元気」 吹雪く夜でも賑わう元気な店。本荘で酒場飲みならココ!

秋田と新潟を結ぶ北日本の大動脈であるJR羽越本線。この路線で、秋田から約50キロを新潟方向に南下した街、羽後本荘にやってきました。駅は由利本荘市の中心部にあります。本荘は現代では人口約8万5千人、秋田県四番目の街ですが、江戸時代は本荘藩・六郷家2万石の城下町でした。街には旧城下としての風格があり、時代の変化とともに衰退はあるものの、散策に十分な魅力を感じられる街です。

 

由利本荘市の玄関・JR羽後本荘駅は、秋田と新潟を結ぶ特急いなほ号が停車し、鉄道で容易にアクセス可能です。

 

この由利本荘駅前で長く続く人気の酒場「焼鳥元気」をご紹介します。日本海に面した本荘ですが、海が荒れることから、昔から鶏や豚が土地の食材として根付いています。焼鳥元気は、そんな風土を感じる酒場です。

日本海から吹き付ける強風は、冬季は雪を巻き上げ地吹雪になります。雪の侵入を防ぐ二重扉に環境の厳しさを感じます。一枚目のドアを入り、肩に積もった雪を払い、やっと縄のれんに迎えられ、いざ店内へ。

 

テーブル、カウンター、奥に小上がりで二階は25人まではいる座敷というつくり。取材時は羽越本線も運休が相次ぐほどの吹雪にもかかわらず、地元の人でなかなかの賑わいです。その後も次々と若い男女や通い慣れた感じの家族連れが集まり、1階は満卓状態です。街に愛されていることがよくわかります。

 

お酒はコップで300円。冷酒は800円。メニューの頭が日本酒なのはさすが酒処。瓶ビールではアサヒ、キリン、サッポロの3社が選べ、生はアサヒスーパードライ(エクストラコールド)とサッポロ黒ラベル。店先の立て看板の通り、メインはサッポロで、チューハイも同社の氷彩サワーが用意されています。

 

焼台やストーブからの熱と蒸気によってぽかぽかの店内。コートを脱いで楽になったところで、乾杯のサッポロ黒ラベル。

 

焼鳥といっても、豚ホルモン系が多く土地の色がでています。タン、レパ、かしらと1本100円から。

 

とりあえずのメニューにも、親どりや豚ホルモンの煮込みなど、土地の色がでています。

 

鍋では、鶏、豚、牛ホルモンと勢揃い。ぷりぷりの生ホルモンをつかった牛モツ鍋にはファンが多いそうです。600円と懐に優しいのもポイント。

 

飲むだけでなく地元の学生やお父さんたちの食事処としても使われているようで、ごはんものも充実しています。テーブル席で飲む女性グループは女将さんお手製ミックストマトピザに夢中です。

 

鉄道好きのご主人。二階の宴会部屋を3部屋つかった巨大な鉄道ジオラマを敷設し、鉄道模型を肴に飲める店でもあります。鉄道ファンの方は必見ですね!

 

一品目は湯豆腐(400円)。なにせ寒かったので鍋物が嬉しい。400円とは思えないボリュームで、贅沢一人鍋を満喫です。

カウンターに座れば目の前が調理場。テキパキと料理を仕上げる女将さんと、焼鳥を担当するご主人、そして給仕担当の男子大学生。楽しい雰囲気のなかで一品一品てづくりされる料理は美味しいに決まっています。

 

日本酒(コップ300円)は、秋田のお酒・高清水。秋田県の定番酒としていたるところで飲めますが、普通酒・本醸造でもなんの文句もない酒場に似合う味です。

 

巨大なねぎま(180円)が目立つ串。皮、ぼんじりと3本頼みましたが、ねぎまの巨大さが際立っています。

 

味付けはタレ、塩が選べますが、ねぎまは塩でもりもり、ぽっぺを膨らませて豪快に食べるのがよし。歯ごたえあるむちむちしたお肉は、噛むほどに旨味がでて、塩気と肉汁がビールや日本酒を誘います。

 

野菜系の串や豚バラ巻など代わり串も豊富。丁寧に焼いてくれるので嬉してつい頼みすぎてしまいます。

 

もちろんつくねは自家製です。大串に巻きつけるようにしたものをじっくりと遠火で焼いていきます。さらっとした甘ダレにつけて出来上がり。旨味がつよく、食感は完全なミンチではなく様々な歯ごたえがあり楽しく、ぺろりと食べてしまいます。

 

日本酒高清水と焼鳥、やきとんの組み合わせを楽しむ「元気」。こんな場所にこんな賑わう焼鳥屋があるのかと驚くほど地元に愛されている酒場なので、本荘に訪れる際にはぜひ立ち寄ってみてください。きっと満足できます。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

やきとり元気
0184-24-1196
秋田県由利本荘市花畑町1-53
17:30~23:00(日定休)
予算2,300円