蒲田「寿々喜」 1935年創業、鰻の街を代表する名店でラガーとたたき

蒲田「寿々喜」 1935年創業、鰻の街を代表する名店でラガーとたたき

2016年8月20日

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大田区は古くから鰻を看板に掲げるお店が多い。うな重・うな丼など”ご飯もの”もよいですが、立ち飲みでも鰻が一番人気というお店すらいくつもあります。「蒲田と鰻」というテーマで一度しっかり研究してみたいものです。呑川や多摩川が近くを流れ、広大な汽水域のある羽田界隈など、昔から鰻が身近にあるということは容易に想像がつきますね。

さて、そっちの話をしていると長くなりますので、では蒲田で鰻で飲むのならばどこがよいか、という本サイトらしいことを書いていこうと思います。やはり定番といえば「寿々喜」なのではないでしょうか。創業から80年以上の老舗で、昔ながらの佇まい。上品過ぎず普段使いの雰囲気で落ち着きます。一階は小上がりとテーブル席、壁にはテレビがついているという庶民派。

 

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昭和10年に神田で商売を始めたということで、原点はそちらにあるのですが、太平洋戦争の戦火に飲み込まれ、現在の蒲田に移ったのは昭和20年のこと。戦後復興、闇市の区画整理、蒲田という街が戦災から蘇っていく過程をずっと「鰻」で支えてきたお店。それだけに、何代ものファンが多く、おじいちゃんから孫まで家族で鰻を食べに来るという光景がみられます。

 

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一階の食堂的なざっくばらんな空間もよいのですが、窓際小上がりはさらによい。昭和中期の木造建築ならではの、いまより一回り小さな造りなのですが、古き好き日本の食事処がそのまま残っています。障子から行き交う下の小道を眺めつつ、日本酒やビールをきゅっと飲む、最高でしょう。

 

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店先にかかれた品書き。鰻だけでなく、柳川や焼鳥、どじょうなどがリーズナブルな価格で提供されています。

 

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コース料理には焼鳥がはいっています。鰻屋で食べる焼鳥というのは昔から美味しいと言われています。

 

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単品メニューがこちら。お重に目が行きますが、飲兵衛は柳川やうざく、そして白焼きできゅっと冷酒といきたいところです。お酒は日本酒とビールだけというすっきりわかりやすい顔ぶれ。

 

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明るい時間から通しで営業しています。お昼の日差しがほんのり差し込む二階の小上がりに瓶ビール。歴史感じるキリンの原点銘柄「ラガー」の大瓶(600円)がよく似合います。それでは乾杯!

 

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まずはきも巻からいただきましょう。大ぶりで丁寧な串打ち、焼き方もよく焦げなくこってり濃厚で大変美味。

 

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鰻屋といえば、やっぱり焼鳥です。鰻と同じタレをつかっているところもありますし、焼き方が上手なのも当たり前。寿々喜の焼鳥は、空いている時間ならばこれだけを目的に飲みに来てもよいくらい。

 

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そして、名物はなんといってもこちら、鰻のたたき。たたきというと表面に火を通したお刺身を思いますが、こちらの鰻のたたきは、白焼きのように素焼きしたうなぎの蒲焼きに葱と玉ねぎを大量に添えてポン酢をつけて食べるというもの。2,800円とこちらのお店のおつまみの中ではだいぶ高級ですが、これをメインとして目指してきて欲しい、たっぷり鰻を爽やかに味わえる一品。庶民派で老舗の鰻店ならではのつまみに、蒲田まで飲みに来る価値を感じます。

 

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いかがでしょうか。老舗酒場で普段使いができる鰻にキリンラガー、東急多摩川線、池上線や京浜東北線でこの界隈を通る皆さまの中で、まだ飲みに行ったことがなければもったいない。きっと幸せな空間を楽しめるはず。普段使いの老舗鰻店で昼飲みといきませんか?

幸せはここにある、東京で飲むキリンラガーに鰻をぜひお楽しみください。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/キリンビールマーケティング株式会社)

寿々喜
03-3731-5239
東京都大田区西蒲田7-63-2
11:30~21:00(火定休・中休みするときもあり)
予算3,000円