もんじゃ焼き発祥の地ともいわれる荒川区。時代とともにもんじゃ焼きの店は数を減らしつつありますが、町屋には、半世紀以上続いてきた家族経営の老舗『立花』があります。地元の人々に愛され続ける鉄板焼きの人気店。昔ながらのスタイルを貫く荒川もんじゃを楽しむべく、さっそく暖簾をくぐってみましょう。
地元客が集う下町のご近所酒場のような店

町屋駅から徒歩3分ほどの路地裏に、赤提灯と真新しい暖簾が揺れる『立花』が店を構えています。52年の歴史を持つ老舗で、現在は2代目のご夫婦が店に立ち、長年培われた味と心地よい空間を守り続けている大衆店。
2022年に店内をリニューアルし、全席テーブル席に生まれ変わりました。足元が楽になり、よりくつろげる空間へ。早い時間は小さな子どもを連れた家族が鉄板を囲み、夜が更けると仕事帰りの常連客がグラスを傾けます。
近年は、新築マンションに越してきた人々や、噂を聞きつけ遠方から食べに来る人もいる。老若男女が同じ空間で思い思いの時間を過ごす光景が広がって、なんだか嬉しくなってきます。
赤シソ香るサワーと、地元流で味わう荒川もんじゃ

席に着き、まずは荒川ハイサワー(500円)で乾杯。荒川区は都電荒川線沿線にバラが咲く「バラの街」として知られており、それにちなんだ鮮やかなピンク色が目を引く一杯。
といっても中身はバラの香りではなく、博水社のハイサワーレモンと焼酎に赤シソのエキスを少し足したもの。レモンの酸味と赤シソの風味が合わさり、口の中をさっぱりさせてくれます。鉄板焼きの油をきれいに流してくれるのでオススメ。
駄菓子屋から生まれた荒川もんじゃの歴史

ここで少し荒川もんじゃについてお話しします。江戸時代から明治にかけて、子どもたちに小麦粉を水で溶いて鉄板で焼き、文字を教えた「文字焼き」がルーツ。その後、キャベツの切れ端や切りイカなどを混ぜて、駄菓子屋で食べるおやつとして定着しました。
かつて鉛筆生産日本一を誇った町屋に似合う、「文字焼き」の歴史ですね!
荒川区では町工場で働く人たちや、地元の家族が日常的に食べるソウルフードとして進化してきた背景があります。
自分好みの味に育てる鉄板焼き

看板メニューの立花もんじゃ(950円)は、豚肉や魚介などがたっぷり入った一品。

荒川流はキャベツで土手を作らず、生地と具材を一気に鉄板へ広げます。味付けされていない状態で提供されるため、卓上のソースなどを使い、自分好みの味に仕上げていくのが地元ルール。

鉄板で焦げたソースの香ばしさが食欲を刺激し、小さなヘラで少しずつすくって口へ運ぶと、魚介や野菜の旨味がいっぱいに広がって最高のおつまみに。

続いて、五目やきそば(750円)を焼いていきます。

干しエビ、イカ、豚肉に加え、ピーマンなどの野菜が豊富に入った一皿。熱い鉄板の上で麺と具材を炒め合わせると、それぞれの食材から出た旨味が麺にしっかりと絡みます。
麺は細麺ですぐにカリカリになる。もんじゃ焼きのなめらかな食感の後に、コシのある麺と具材の歯ごたえが加わり、胃袋を心地よく満たしてくれました。
町屋の食文化を伝える下町の名店
個人経営の飲食店が長く続くことは容易なことではありませんが、『立花』は地域に根ざした営業で、地元客の支持を集め続けています。2代目ご夫婦の温かい接客もあり、初めて訪れてもすっかりくつろいでしまいました。
日常の延長にある下町グルメ。町屋の中心で、長きにわたり愛される理由がわかります。
なお、利用は2名以上でひとり1品以上の注文が必要とのこと。
店舗詳細



| 店名 | お好み焼き・もんじゃ 立花 |
| 住所 | 東京都荒川区町屋1丁目2−3 |
| 営業時間 | 17時00分~0時00分 |
| 創業 | 1973年 |
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