下甑島 長浜港「スナックユリ」 離島の夜を心ゆくまで


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なんと鹿児島の離島からレポート。東シナ海に浮かぶ「下甑島」に3軒あるスナックのうちの一軒です。なぜ甑島のスナックに来ているかは今後のお楽しみにとて、いつも通りお店紹介させていただきます。

☆ ☆ ☆

九州新幹線の開通でぐっと近くなった鹿児島県川内。
鹿児島中央駅から「つばめ」で1駅の川内駅。感覚としては東京~大宮間より近く感じます。博多や熊本からもぐっとアクセスがよくなりましたね。

川内市内にも良さそうな酒場はあったのですが、今宵の目的地は下甑島です。甑は”こしき”と読みます。
川内港から高速船で1時間ちょっとの船旅は、鉄道の旅となんら変わりない感じで、気付いたら下甑島の「長浜港」に着岸。

さぁ、楽しみにしていた島の夜がはじまるぞー♪

夜9時の島のメイン通りは明かりがほとんどなく、「本当にここに飲み屋さんがあるの?」と心配になるほど。島の方にによるとスナックや食堂兼居酒屋が7軒ほどあるのだそう。

私は一日平均3軒を梯子するから3日で一周してしまう!?

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「あれ、なゆさんってスナックに行く人でしたっけ?」と、同行の方。
私―新宿のゴールデン街でボトルキープしているくらいですから(笑)

ということで、早速お店へ。
なんとお通しが巻き貝。しかも好きなだけ食べてとのこと。

さっそく一口。うん!?ぎゅっとしまった味と食感、もっちりしていて後味は優しい。実に美味です。

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すみません、これはなんという貝ですか?
地元の方は「タカジリ」と呼んでいるそうです。

帰って調べてみるもタカジリという名前では発見できず、知り合いの魚マニアに聞いてみたところ彼も困り宿題として持ち帰ったほど。その後の答えが、「サラサバテイラ」というのだそう。

聞きなれない名前ですが、甑島や奄美諸島よりも南側に生息する貝だそうで、タカセガイという名前で極稀に市場にも出まわるのだそう。

スナックといえば乾き物や大皿料理が相場と決まっているのに、一発目からクリティカルヒットを食らった気がしました。

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お店の定番焼酎は大口酒造の「伊佐錦」。これもまた珍しい!
常連さんは、「いつも飲んでいる定番すぎるやつだから、東京から取材に来たのなら島の酒を飲んでほしい」と言われましたが、いやいや、伊佐錦だって十分すぎるほど貴重ですって。

「お湯で割るのが鹿児島流」というイメージが強いですが、最近はロックで飲む人も増えたのだそう。

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さて、ここに食べ放題のタカジリがてんこ盛りになっています。
きれいな円錐形をしているので「つぶ」ではないことは一目瞭然。味も全然違ってアワビに近い。

築地市場で買ったらさぞかし高級なのでしょうけれど、ここ甑島では子どもたちのおやつとしても食べられているのだそうです。岩場に行けば取れるから、なんにも特別じゃないよと”ママ”。食べ物もお酒も違っても、スナックでママと呼ぶのは変わらないようで。

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東京からすごい酒豪女が来たと噂になっていそうですが、それほどたくさん飲ませていただきました。非常に珍しく、しかも飲みくちのよい銘柄が多く、切れ目なく延々と。それでも体調に変化がおきないのは、焼酎の質の良さからだと思います。

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せっかくだからこれも食べていってとママ。すみません、ほんとうにもう。お店のお酒を空っぽにする前には帰りますから(笑)

ママお手製のきんぴらごぼうにピーマン。さすがにこれは島で採れたものではないそうです。下甑島の地形は、山が海まで迫っていて平らな場所はごく限られています。昔はわずかな土地で米作もされていたそうですが、今は殆どやめてしまったのだそう。

そんな話も旅先のスナックならではでしょ。旅館と観光地だけを往復するのではなく、地元の方の溜まり場にこそ、その土地の魅力が詰まっているというもの。酒場は街を写す鏡だというのは、東京も甑島も変わりません。

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お姉さん本当によく飲むねー!と笑いながら付き合って飲んでくれる島の方々。

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飲み放題のお酒は伊佐錦だけなのだけれど、今日は特別だー!ということで、下甑島唯一の酒蔵、吉永酒造の甑州(そしゅう)とこしき亀五郎が登場。東京では幻の焼酎扱いの甑島のお酒が今目の前に。

かめつぼで作られた焼酎で、実に丁寧なあじわい。かすかな苦味、ほのかな酸味、上品な芋の甘み、そして余韻は水飴のよう。これを飲めただけでも、甑島に来たかいがあります。

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高速船と新幹線の開通で鹿児島まで2時間でいけるようになったとはいえ、決して便利とはいえない場所ですが、飲んでいるお酒やおつまみは、東京人が泣いて羨むものばかり。

今回は取材ということで短い期間の滞在なのですが、いずれ時間ができたら1週間ほどこの地で飲み続けたいと感じる夜。

島の人たちのとっても温かな歓迎から、最近忘れかけていた、「お酒そのものが目的ではない、人と接するところにお酒があるんだ」ということを思い出させてくれる時間でした。

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あれ、一本空けちゃった。…(笑)

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さぁ、もう一本!塩田酒造「六代目百合」は、上甑島の芋焼酎。これまた貴重なお酒を。甑島はカノコユリというユリが有名ですが、そこからつけられた名前ですね。芋焼酎らしいどっしりとした味が、ますます酩酊の世界へ引き寄せます。

さて、スナックユリは飲み放題、カラオケ歌い放題、時間無制限で3,000円(女性はさらに半額!?)という驚き価格のお店。
飲兵衛の皆さま、島に来たらここに立ち寄らずして帰るのはもったいないですよー♪

(え、本当に1,500円?純粋に私の飲んだ量はそれを上回っ…いえ、なんでもありません・苦笑)

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お店を出れば、そこには港の明かり以上に輝く月の光。東京では感じないけれど、月ってこんなに明るいんですね。
さぁ、まだまだ飲めるぞー、でも時間が12時近いので、そろそろ寝なくちゃね。

カノコユリの島の「ユリ」さん、楽しい時間をありがとうございました!

ごちそうさま。

 

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(取材・文・撮影/塩見なゆ)

スナックユリ
09969-5-0580
鹿児島県薩摩川内市下甑町長浜1185-5
営業日に着いては旅に行く前に電話でご確認ください。
予算3,000円

(取材協力/鹿児島県・九州旅客鉄道株式会社・株式会社 薩摩川内市観光物産協会)



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