京橋「京屋本店」 開幕ダイびん!100種類のツマミに囲まれ、大阪の熱気に染まるひととき


いらっしゃい。何にする?

着席と同時に聞かれる。ここは大阪の給水所・京橋の名物酒場「京屋本店」です。パチンコや焼肉店、怪しいネオンと大衆酒場がごっちゃりと混じり合う昭和なアーケードの中にある一軒です。

大阪駅からJR大阪環状線で3駅。京阪電車と接続するターミナルなのに、駅ナカを抜けた瞬間いっきにこのムードだから大阪は面白い。日本の景色ではなく、ここは「オオサカ」という別の国のよう。

朝から飲める素敵な立ち飲みも多く、なんだかんだで筆者も大阪で飲む際は必ず立ち寄る街。昼過ぎに着いたので、今日はゆっくり京屋で瓶ビールを傾けよう。

 

「いらっしゃい!どうぞ、何にする?」と、着席する前から勢いのある店員さんの調子が飛んできます。では、大瓶(ダイビン)で。大瓶450円。

会話のリズムが早いです。昼から飲んでいる職人風の常連さんの笑い混じりの会話からも大阪の熱気を感じます。

コの字カウンターとテーブル席の店で、一人飲みが中心。平日の昼間から「仕事あがりさ!」という感じのお父さんたちで賑わっています。

 

大阪の酒場はショーケースにおつまみが並んでいることが多く、目の前にあるイイダコが美味しそうでしたので、まずそれから。あと、お向かいのお父さんに便乗してこちらも「う巻」をください。

トトトとビアタンに流して、では乾杯!

 

イイダコの桜煮は見た目乾いて見えますが、みりんと醤油の味付けが絶妙でビールの吸い込みを高めてくれます。旬は春なんていいますが、酒場の雰囲気で食べればいつだって今が一番。

 

鰻がちびっと。卵たっぷり。でも出汁が効いていてホクホク、コクもあって箸が進むうまき。つくり置きもありますが、タイミングよく焼きたてをもらえました。これで200円なのだから大阪って素敵。

 

となりの常連さんと、昼から飲めるって最高ですね、という一期一会の会話。聞けば芸人さかでローカルCMにも出演する方なのだそう。ごめんなさい、存じ上げずで。

カウンターで隣り合ったら会話が始まるのが大阪の典型的な大衆酒場。お互いどんな料理やお酒を注文しているか、会話をする前かに気になっていますしね。

 

ミヨシ正宗の巨大のれんが迎えてくれる京屋本店。お酒はもちろん三吉政宗でする広島は福山の酒蔵ですが、大阪で飲めるお店がなぜか多い。磨いたお酒も良いですが、酒場のカウンターにはやっぱりビン入りの普通酒がピタリと似合います。

名物の湯豆腐(150円)はそんな三吉政宗と組み合わせて最高の逸品。この湯豆腐目当てに飲みに来る人も多い看板料理で、お湯ではなく出汁に予め浸かって供されます。

 

100種類もある品書きが壁いっぱいに短冊で掲げられ、どれも安くて魅力的。まぐろの造り、鯨ベーコン、おでんにシュウマイとなんでもござれ。揚げ物は注文を受けてからチャチャっと揚げてくれ、揚げ物専門店にも負けていません。

ベテランスタッフと常連さんが醸し出す関西人特有のテンポの良さや笑いを交えた会話もまた”アテ”になります。

1965年(昭和40年)創業の名酒場。きたえた酒場は、すばらしい。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

京屋本店
06-6351-8030
大阪府大阪市都島区東野田町3丁目4-15
12:00~23:00(日定休・昼酒)
予算1,700円



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