銀座「鳥ぎん本店」 続くにはワケがある、路地裏の銘店でお昼酒


鳥ぎんという名前を一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。首都圏を中心に14店舗を展開する老舗の暖簾です。直営店は銀座の他、新橋、渋谷、砂町の4軒。五反野や荻窪にあるのは暖簾分けです。

その本店がご存知、銀座の西五番街通りから入る路地にある鳥ぎん本店です。

1951年(昭和26年)創業、戦後でまだ銀座にも戦災の爪痕残るころ、炭火焼鳥を気軽に楽しむ店としてオープンしました。現在の看板料理である釜飯は創業時にはなく、復興の時代にお腹いっぱい鶏めしを食べて欲しいという初代の想いから、その後釜飯が加わったそうです。

 

66年目を迎えた鳥ぎんは、いまでも週末ともなると行列ができるほどの人気店。銀座百店会にも加盟する由緒あるお店は時代が変わっても銀座で遊び慣れた人々に愛されています。

 

西五番街通りから細い路地に曲がり、さらに地階へと降りる場所。いまでこそ飲食店の情報が簡単にインターネットで調べられる時代だからこそ安心して入れますが、学生の頃にはじめて訪問した時はドキドキでした。銀座の老舗暖簾というだけでも敷居が高く感じますから。

 

料理が美味しい、銀座にありながら手軽に利用できるという魅力はもちろんですが、筆者がSyupoにて伝えたいのは「銀座で昼から飲める酒場」であるということ。

週末は上品な奥様方が三越のショッピングバッグを片手にお食事されていますが、それでも飲んでいる人は多い。とくに平日の昼時を過ぎた14時頃は銀座で早く飲みたい人たちのオアシスとなっています。

 

料理は単純明快。品数は昔から変わらずぐっと絞られており、釜飯と焼鳥でほとんど。ビールはサッポロ、日本酒は沢の鶴、この安定感のあるお酒の並びも大好きです。

 

銀座のビールはサッポロです。各社を扱う良いお店もたくさんありますが、銀座の街とサッポロビールの繋がりは歴史的にみても、現在の関係にあっても深い。多くの老舗のテーブルで、いまこの瞬間も北極星が輝きます。

※小ネタですが、初代ゴジラ(東宝・1954年)が銀座で最初に破壊した建物が旧サッポロ本社です。

鳥ぎんの生は品質よし。しゅっとしたタンブラーも似合います。では、サッポロ黒ラベル(550円)で乾杯!

 

焼鳥は創業以来大ぶり。昨今の一口サイズに慣れていると驚きます。この大きさで1本170円と、鳥ぎんは本当に良心的なのです。

 

焼鳥はコースで頼むほうがお得。はじめての方だけでなく、常連さんもまずはライトコース(5本810円)を頼む人が多いです。

おすすめは特に決めていなければぜひタレで。さらっとしているのに濃口で、大ぶりの焼鳥でも絶妙なバランスで味を引き締めています。お通しの大根おろしをすっと潜らせて食べるのもいいですよ。

焼鳥を焼き続けて何十年という職人さんが、紀州備長炭を使って強火で一気に焼き上げています。表面はかりっとしているのに中は肉汁滴るほどジューシー。

 

二杯目は黒生ビール。ロースト麦芽が醸し出す芳醇なコクは、備長炭の苦味にも負けず、口の中で絶妙なマッチング。鳥ぎんの焼鳥にはヱビスの黒が本当によく合います。

 

5本のライトコースならば釜飯も食べられます。女性のランチでちょうどいいくらいのボリュームなので、お腹が空いていたら一人でもよくばって釜飯と焼鳥、両方食べたい。

 

注文をしてから15分ほど時間がかかります。飲みながら待っていればちょうどいいぐらい。蓋を持ち上げると、昆布と鰹の香りがふわっと広がり、思わずじゅるり。

 

ふっくら仕上がった釜飯は、家でつくる炊き込みご飯では到底真似のできない味。銀座で最初の釜飯屋となった鳥ぎんは、いまもこの街で働く旦那衆の元気ごはんとして、軽くビールをお供に親しまれています。

 

この日も和服やスーツが似合う老舗のご主人が贅沢な昼のひとときを楽しまれているのが印象的でした。

 

華やかで高級なイメージのある銀座ですが、鳥ぎんのような路地裏の老舗飲みをうまく組み合わせると、もっともっと楽しくなります。お昼酒で、普段とちっょとだけ違った銀座の表情を探してみませんか。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見なゆ)

 

鳥ぎん 銀座本店
03-3571-3333
東京都中央区銀座5-5-7 ニューギンザビル6号館 B1
11:30~21:00(年末年始以外営業)
予算3,000円



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