横浜繋がりで実現したキリン✕京急「ビール電車」の裏側[後編]


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いまから144年前の10月14日、新橋と横浜を結ぶ鉄道が開通しました。近代日本において、横浜が度々「原点」となることが多いですが、鉄道発祥の地でもあります。「汽笛一声」の鉄道が開通するさらに2年前、日本のビール醸造の第一号も同じく横浜でした。

横浜に縁のあるビールと鉄道が、2016年の鉄道の日(10月14日)にイベントをやるというのはなかなかおもしろい企画ではないでしょうか。【キリン✕京急「ビール電車」の裏側】後編は、本番の様子をご紹介しましょう。

ビール電車のチケット(横浜~京急川崎までの運賃及びキリンビール飲み放題と軽食付き3,000円税込)申込みは京急電鉄のホームページで先着一般募集でしたが、開始からわずか5分で80人分が完売したとのこと。大人気となったプレミアチケットをもった幸運の飲兵衛&飲み鉄さんたちが横浜駅に集合。

定刻でホームに滑り込んできた[91c 貸切]表示の京急1500形4両編成。一般のお客さんと乗車位置をわけるために、本来12両編成しか使わない泉岳寺方の一番端に停車しました。

停車時間わずか一分。お客さん、メディア、そしてキリン社員も慌てて乗り込み、定期列車のダイヤを乱さぬように発車しました。

 

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お客さんは所定の座席に着席しテーブルのセットも素早く実施。揺れる電車でテーブルがずれないようにベルト固定するなど、京急電鉄らしい安全第一の光景がみられます。酒場ではみられない、ビール電車ならではの[酒]✕[安全・安定]の組み合わせ。

 

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生ビールは途中、キリンビール横浜工場の最寄り駅である生麦で搬入されるのですが、それまで待っていられない!すぐさま350ml缶一番搾りが配られます。

メイン司会の京急バスの元バスガイドさんの乾杯の音頭とともに、”乾杯の練習”がはじまりました。生ビールが届く前に練習しておかなきゃ、揺れる電車で万が一があったらいけませんからね(笑)

 

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京急電鉄の名物社員の元広報課 飯島さんは車内でも大人気。乾杯の音頭をとられていますが、鉄道マンは強い心で絶対我慢。

実は筆者は本イベント以前から一緒に飲んだ仲です。

 

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続いて軽食が配られます。軽食は、ビールと電車にあう横浜の名物というば、やっぱり!?

 

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このイベントのために特別に仕立てられた崎陽軒の特別駅弁です。美味しいシューマイと唐揚げ、オリーブ入りにポテサラに一口サイズの炒飯がついた程よいセットです。

 

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みんなご一緒に、乾杯!
普段はもくもくとスマホを操作するだけの電車のロングシートも、今日は隣り合った見知らぬ人同士、酒場感覚であっという間に飲み友達に。

 

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お客さん用の車両は4号車・3号車(泉岳寺方2両)。ところかわってこちらは2号車。隣の賑わいがこちらにも聞こえていて「すっごい盛り上がっている!?ビール足りる?」なんて感じで臨戦態勢。

 

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生麦に到着です。ここからキリンビール横浜工場の工場長と醸造長、応援のキリンのスタッフが乗り込んでくるのですが、なによりも先にビールの大樽が最優先で客席を通過していくのがおもしろい。社員との交流よりも、まずは一杯目の生ですよね(笑)

 

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普段は横浜工場でしか味わうことの出来ない限定ビール「横浜ピルスナー」も特別に積載。この電車、京急川崎で折り返しのため、多摩川橋梁の真上で停車するのですが、もしかしたら、横浜ピルスナーがはじめて東京都に(多摩川の境界線にちょびっとだけ)顔を出す日かもしれません。

 

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さぁ、80人分を一気に提供しますよ!

京急は普通列車も含め、最高速度120キロで走行する神奈川県の私鉄で一番早い電車です。定期列車のダイヤに響かせないために、生ビールも高速で走行中。普段ビール注ぎの達人で「キリン・ドラフトマスターズ・スクール(DMS)」の講師役を務めているキリンビールの社員も初めて経験する揺れでタジタジ。

3台設置されたニットク製のコールドプレートディスペンサーを抑えながら次々注ぎます。奥の継ぎ手は、なんと藤本横浜支社長!

 

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生ビールを準備するまでの時間稼ぎ…いやいや、失礼しました。本日の主役、勝間田工場長がお客さんたちと握手をしながら登場。まるでベテラン俳優さんの花道。

 

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続いて醸造部長の岡田さん登場!社員証に作業着、まさに工場から駆け付けたという感じ。岡田さんは「一番搾り横浜づくり」を生み出した醸造チームのリーダーです。

 

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工場見学のアテンダントさんも拍手で迎えられて乗車!さすが華やかです。いつも、工場見学の後に「3杯しか飲めないの?」と、空気読めない発言してごめんなさい。

 

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生ビール80人分が整ったところで、番重を担いだキリンの営業マンたちが今日は売り子で車内を駆け回ります。

 

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届いたところで、勝間田工場長の音頭で乾杯です。カンパーイ!

 

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皆さん、取材協力ありがとうございます。みんな笑顔で「キリンの”キー♪”」。

 

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先行列車に追いつくので時々運転停車(客扱いしない停車)をするのですが、そのときのホームで列車を待っているお客さんたちの表情がなんとも微妙で。車内は一体感抜群で大盛り上がり、ホームでは夜7時、まだ飲めない大人たちが恨めしそうにこちらを眺めます。

ときどき手を振ってくれたり、エア乾杯してくれる方もいて、そのたびに車内に笑いが響きます。

 

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笑っていられないのがこちら。揺れる車内でもキリンのドラフトマスターとして恥ずかしくない生を提供しようと必死です。この温度差、きらいじゃない(笑)

 

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そうこうしているうちに、ビール電車は京急川崎のホームを発車し、一度多摩川橋梁の真ん中で停車。そこから、普段は営業列車が走らない大師線との連絡線へとスイッチバックで入っていきます。10年以上、一般のお客さんをが通過したことのない線路だけあって、鉄道ファンは車内の飲み鉄さんも、車外でカメラを向ける撮り鉄さんも熱い眼差し。

通常はヘルメット姿の運転主任と呼ばれる入換のプロしか運転できない区間だけあって、同乗している京急電鉄の社員も興奮しています。みんな、電車好きね。大師線の本線と留置線をこのアングルで見れるのは特別なんですよ、と京急の広報さん。

 

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キリンビールさんも思わず私物?のカメラを取り出しパシャパシャと。

 

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大師線のホームも、普段使用していない1番線に入線。待ってましたと鉄道ファンたちがカメラを向けます。

 

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車内は、そんな外との温度差が大きく、飲めや歌えやの大騒ぎ。崎陽軒のシューマイに一番搾り。

 

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衰えることなく飲み続ける勢いで、足りなくなるのではないかと。4号車までビールを運ぶ間に、3号車でお代わりする人にビールを手渡してしまいそうなほどの勢い。

 

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「塩見さん、今日は飲まないのですか?」

その言葉、待っていました!!(笑)

遅くなりましたが、私も京急の車内で初めて飲む”樽生”の一番搾りで乾杯!

 

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工場長、いつの間にか飲まれていたのですね!陽気な方ばかりで、楽しむための飲み物を作る会社として、自分たちも率先して楽しまれている感じが素敵。

 

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一番搾りが大人気で、想像以上の盛り上がりで、継ぎ手も配り手も「やったぜ!」という感じで笑いがとまりません。楽しませる仕事っていいね。

 

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京急川崎で一度休憩時間。お客さんはきっぷ代わりのリストバンドをしているので、しばし一般の旅客交わり駅構内を散策。電車を下車して20分ほど「地上」を味わいます。

 

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“してやったり”な感じで、京急電鉄の方もキリンビールの方も、大盛り上がりの様子をみてにっこり。

 

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京急沿線生まれ、京急生麦駅通勤、キリンビールに勤めるKちゃんです、と陽気に挨拶される横浜工場総務広報担当のけいちゃん。生麦駅の隣には、「キリン駅」というのがあった、◯か×か?

ビールクイズでお客さんとの一体感あるトークで楽しませてくれます。

 

その後、もくもくと安全安定・定時運行に務める運転士・車掌さんの運行で、オンタイムで終点の京急川崎に到着。京急とキリンからのプレゼントをうけとり、皆さん大満足で帰途についたのでした。

いや、川崎には「丸大ホール」など、酒場も多いので梯子をされた方もいらっしゃったのかも?私も取材を終えて、近くの立ち飲みへ。

キリンビールさん、京急電鉄さん、お疲れさまでした!

 

…これ、後片付け大変ですよね。この編成、普通の運用に入るわけですし…。手作り感があってとても暖かなイベント、参加者は「すっごく楽しかった」と口々に話していました。ビール電車の裏側は、笑顔をつくる仕事でした。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/キリンビールマーケティング株式会社)

 

横浜繋がりで実現したキリン✕京急「ビール電車」の裏側[前編]

 



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