横須賀中央「お多幸」 気軽に立ち寄る大箱・老舗・海の男が通う名物酒場


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お多幸は1957年創業。横須賀には古い酒場が多く残り、この街の飲酒文化が他の街とはちょっと違うことを感じます。京急沿線には老舗の酒場が多く残りますが、横須賀はとくに多い。どのお店も現在までしっかり愛され、年配の常連さんだけでなく若い人にも愛されているようです。

造船や港湾、そして海軍の街だからでしょう。呉や長崎にも似た雰囲気を感じます。品川から京急で1時間で、こうも独特な雰囲気を楽しめるのかと毎度飲みに行く度に嬉しくなります。

そんな横須賀で一番の大箱といえばこのお多幸。京急の中央駅から徒歩2分の場所で、明るい時間から閉店まで常に賑わっています。最初にお多幸にいったのは今から10年前。隣りに座っている年配の男性と仲良くなり、界隈の酒場を色々教えてもらった人で、職業は海のお巡りさんでした。海の男は飲む、とにかく飲む!そんな人々が通う酒場は元気がいいに決まっています。

 

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久しぶりのお多幸へ。日曜日は午後1時オープン。暖簾がかかるとともに、地元のご隠居さんや今日は非番の海の男たちが流れ込みます。一階は小学校の教室をふたつ足したくらいの大きな空間に、凸凹と複雑に入り組んだカウンターが広がります。二階は宴会のできるお座敷となっていて、こちらも地元の鉄道マンや漁師、海を守る人たちのたまり場になっています。

私のお気に入りは中央にある酒燗器を眺めるポジション。どんなお客さんがどんな表情で飲んでいるのか、楽しそうにしている人たちを見ながら飲むお酒は一層美味しく感じるというもの。

さて、乾杯はビールから。生ビールも瓶ビールもアサヒスーパードライです。大びん(600円)をトンと置いてもらい、トトトっと傾けて、それでは乾杯を。

 

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お通しや席料のない実にパブリックな空間。すぐでるおつまみを突き出し代わりに頼むのも礼儀ですね。日替わりのオススメが壁にランキング形式で貼られていて、そこから選ぶのがスマート。今日は海蘊が3位にはいっています。細くコシのある良い海蘊は、酢醤油ではなく出汁で味付け。

 

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そして、必ず頼むものが名物のシューマイ。自家製で蒸籠でむされている豚肉たっぷり、ジューシーなシューマイは4個で285円と大変安い。注文から2分と立たずにでてくるのは、注文が続くので常に作り続けているから。

横須賀は辛子醤油で食べるものが多く、湯豆腐も辛子を塗るし、カツオ刺しも辛子をつけて食べています。シューマイもたっぷりカラシでいただきます。

はふはふと食べてスーパードライをくいっと追いかける。お多幸に来てよかったと感じる瞬間です。

 

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点心系が多いのは横須賀に限らず京急沿線酒場の特長です。餃子をなぜか天ぷらにした餃子店を頼んでみました。味付けはやはり辛子醤油。おもしろい。

 

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界隈には漁港が多く、マグロで有名な三崎港も近いのでお刺身や鯵・マグロなどのフライも充実していて、目当てに通う常連さんがカウンターにずらり。メニューのバリエーションはそれだけでなく、焼き鳥(豚もつ)も人気。

 

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1本100円、盛り合わせにすると少し安くなる焼き鳥は、名物のシューマイや横須賀豆腐、それに刺身などの海鮮の影に隠れてしまっていますが、これもなかなかの美味。ホッピーをと合わせてくいくいと摘みたい。

 

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チューハイは一杯350円。嘘偽りのない氷少なめ500mlジョッキに感謝。やっぱり量は大事だよね。ドンと置かれる重さが嬉しい。アサヒの樽詰めハイボールにさらにコンクとスライスレモンを入れたもので、結構酸っぱく、揚げ物やシューマイなど、しっかりとした味付けを程よく中和してくれます。

 

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おすすめのランキングに気まぐれで登場するちょっぴり高級な料理。この日は鰻の玉子とし(柳川鍋)でした。高級といっても千円以下(610円)ですし、ボリュームもあり、鍋もカチンカチンに熱せられてボコボコと煮立って登場する手のかかった一品です。

甘さ控えめで出汁の味と脂の乗った鰻の旨味とのバランスが良く、これは日本酒を飲まずにいられません。日本酒は軽快でなめらか、優しい風味の「寿海」という銘柄。さすが海の町、お酒の銘柄もいいじゃない。

 

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壁一面にはられたメニューは300円前後がほとんどで、主菜になるものも400円だせばいいものが食べられる。種類豊富でどれも手作りで毎日通いたくなるものばかり。

大きなお多幸の文字がかかれた風格あふれる看板はお店の家宝。60年、ずっと横須賀の飲兵衛の飲みたい気持ちと明日への活力を支えてきた名酒場は今日も元気です。

大箱でいつでも入れるし、干渉されることなくゆったり飲むことができるくつろぎのカウンターで、横須賀の酒場史に浸ってみませんか?

ごちそうさま。

 

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

酒蔵お太幸 中央店
0468-25-9407
神奈川県横須賀市若松町2-7
15:00~22:00(日は13:00~・年末年始を除く無休)
予算2,000円



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