赤羽「まるます家」 定番の飲みどころ、最近はデートで来る人も!?

赤羽「まるます家」 定番の飲みどころ、最近はデートで来る人も!?

2015年5月26日

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先日、赤羽を定期パトロールしていましたら、まるます家が運良く行列ができていなかったので、これはチャンスと思い立ち寄りました。

実は頻繁に通っているのですが、たまには記事にしておきましょう。

赤羽北口の商店街を進んだところにあるまるます家は昔は赤羽をホームグラウンドにされている飲兵衛さんと一部の酒場好きだけが通うディープなお店だったのですが、いまは各方面から紹介されたことですっかり城北エリアを代表する老舗酒場のひとつとなりました。

休日の夕方なんて1時間待ちになるほど行列するお店。なかなか気軽に入ることができなくなってしまったのですが、実は平日のお昼が狙い目。このお店、驚くことに朝9時から営業しているんです。観光客が集まる休日はそういう方のために空けて、地元の飲兵衛たちは平日利用で昔からの飲み方を続けています。

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お店は一階がカウンター、二階がお座敷になっています。グループ利用のときは二階になり予約をとることも可能。でも、やっぱり私は一階のカウンターが好きだなぁ。ここの店員さんとは仲良しだし、飲み屋に顔を出す目的の一つに店員さんへの定期的なご挨拶も兼ねていますから。そして、なによりカウンターに座ってぼーっとする時間が大好きなんです。

飛び交うオーダーの声、お客さんの笑い声、瓶ビールの王冠を抜く音。そんなのが混ざって聞こえ、これこそ酒場に”浸る”という表現があいます。

オーダーしたかどうかも忘れていたら、当然のようにいつものビールが登場。馴染みのビールで今日も乾杯です。

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いつも頼むメニューが「たこぺけ」。名前が可愛い。タコの頭でなんでペケなのかはわかりませんが、まるます家でのみ使われている単語はほかにもいくつかあります。

ここのタコはいつも旨味がぎゅっと詰まっていて噛むほどに美味しさが広がります。老舗の飲み屋って、市場の人との関係のしっかりしているから良い品物を仕入れる力があるんですよね。だから、老舗の酒場の刺身はどれも美味しい。

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同行者の希望もあって最近名物化している冷やしたぬ豆腐(500円)を。木綿豆腐に天かすを載せて、わかめ、きゅうり、カニカマを添えたもの。味付けは麺つゆです。昔は普通の一品メニューのひとつだったのですが、ネットで「美味しい」と言われだしたのをきっかけに今や頻繁にオーダーされる人気メニューの一つに。夏場にはちょうどいい料理です。

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まるます家はお酒は3本までというそれはそれは厳しいルールがあります。生ビールや日本酒などどれでも1本は1本。となると、一番たくさん飲める方法を考えるのが「いやしさ」というもの。

たくさん飲もうと思えば、やはりこれ「ジャンボな酎ハイ」でジャン酎。1Lハイリキプレーンをただひたすらにがぶ飲みするという男前なドリンク。昔からある酎ハイ「ハイリキ」は度数も7%と強め。これならば少しはほろ酔いになれるかも?

さて、数年前に女将さんと銀座のバーのマスターにより開発された新メニューが人気。ジャン酎にミントとライムを入れて飲む「ジャン酎モヒート」というもの。通常はでてきませんが、お願いするともらえる「アンゴスチュラ・ビターズ」を数滴たらすとより美味しくなります。

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そんなモヒートとあわせる名物のうなぎ蒲焼(並1800円)。かなり大きくて食べ応え十分。飲み屋価格で食べられるうなぎっていいじゃないですか。うなぎマニアからすれば、モヒートと蒲焼きなんてナンセンスと言われるのでしょうけれど、酒場マニアからすれば、雑多な飲み方こそ酒場の魅力なんです。

まるます家のうなぎも昨今の高騰により値上げしてしまいましたが、まだまだ日常使いの価格におさまっているのはほんとうに嬉しいです。

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蒲焼きの後に揚げ物いっちゃう?なんていうのも酒場ならではの楽しみ方。ここのイカフライは安くて美味しい。ボリュームもあって、これと生ビールでぐいっとやっている地元のお父さんたちをよくみかけます。

カウンターに座って酒場に浸る。好物を好きなように注文して自分だけの幸せ空間をカウンターの上に作り上げていく。飲み屋って本当にいいよね!

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)