ビル最上階に広がる“天空の田んぼ”

【東京・銀座 2025年5月22日】

白鶴酒造東京支社(中央区銀座)ビルの屋上「白鶴銀座天空農園」(約110㎡)で22日、18回目となる酒米「白鶴錦(はくつるにしき)」の田植えが行われました。社員を中心に約30人が参加し、約1時間で1,700株を手植えしました。

都市に根付いた18年目のプロジェクト

同農園は「消費地から日本酒文化を発信したい」との思いで2007年に始動。翌2008年には屋上を全面改修し、本格的な水田を造成しました。現在は日本酒の原料を育てる場であると同時に、屋上緑化と食育を兼ねた企業活動として継続しています。

田植え当日の様子

当日は雲が広がり直射日光も穏やかな“田植え日和”。新入社員に加え、Miss SAKE 2025 ファイナリストも応援に参加し、苗列を整えながら作業を進めました。都市の高層ビル群を背景に泥に足を沈める光景は、毎年メディアの関心を集めています。

屋上ならではの課題と工夫

屋上では荷重制限のため水深を15cmに抑えています。真夏には水温が40℃近くまで上がるため、スタッフは朝夕の排水と給水で温度を管理し、強風の日にはネットで苗を保護します。「手間は多いですが、都会で稲を育てることで日本酒づくりへの関心が高まる」と公報担当者さん。

灘で醸し、再び銀座へ

秋に刈り取った米(籾付きで例年約50kgほど)は兵庫・灘の本社蔵へ送られ、等級検査を経て仕込みに使用されます。完成した純米大吟醸は来春、銀座の百貨店などで数量限定販売される予定です。

都心の屋上で揺れる稲の緑、銀座の街を散策しながらみられる場所にはありませんが、少しでも酒造りに興味を持つきっかけになるといいですね!秋の稲刈りと、その後の灘での仕込み、そして銀座での販売にも注目です。