能古島『雑魚』船だまり前、魚好きには天国。お腹を空かせて行こう!

能古島『雑魚』船だまり前、魚好きには天国。お腹を空かせて行こう!

2022年6月14日

魚好き必見!博多湾に浮かぶ能古島にある『雑魚(ざっこ)』は、近海の魚介類を堪能できる食堂居酒屋です。魚マニアの大将が中心となって家族で営業されています。名物は大皿に盛られた煮魚と刺盛りなどがついた雑魚定食。この記事を読まれた魚好きの方は、次の福岡旅行や出張の合間に行きたくなること間違いなし。

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本土からフェリーで10分。福岡市内にある離島「能古島」

古くから福岡市民の行楽地として親しまれてきた「能古島(のこのしま)」。江戸時代は廻船業に携わる人々が暮らし、近年は”のこのしまアイランドパーク”をはじめとした観光を中心に、柑橘類の栽培や漁業が行われています。

コスモス、すいせん、ひまわりなどが島内各地に植えられており、一年中花が咲く楽園と言われています。ですが、こういう記事を書いている筆者はもちろん「花より団子(団子よりお酒)」なので、能古島のお目当ては居酒屋です。

離島といっても気軽に日帰りできる場所にあり、天神から路線バスとフェリーを乗り継ぎ、1時間たらずで能古島に上陸できます。福岡でいつもと違ったお昼飲みがしたいなと思ったら、少し足を伸ばしてみてはいかがでしょう。

西鉄電車の福岡天神駅から西鉄バスに乗車し、能古渡船場バス停まで約30分。さっきまで高層ビルに囲まれていたのに、バスを降りたらそこは穏やかな港町の景色が広がっています。

西鉄バスは姪浜渡船場の真正面が終着なので、バスに乗車していたお客さんたちは全員迷うことなく、待合所へと吸い込まれていきます。フェリーは日中時間帯は毎時1本。乗り継ぎ時間だけは気をつける必要があります。

運賃は片道230円。SUGOCA、Suicaなどの交通系電子マネー利用可能。福岡市営(港湾空港局)で、とてもリーズナブルです。

出港すると、後方には山と高層ビル、ドームなどが立ち並ぶ個性的な福岡市内が一望できます。わずか10分の船旅ですが、博多湾から福岡市内を見渡す機会なんて滅多にありませんから非日常感をたっぷり楽しめました。

能古島側は漁船が集まる”能古船だまり”内の桟橋に着岸。配達の車や乗船客が一斉に降りていきます。

観光客の皆さんは路線バスに乗り換えてフラワーパークを目指していきます。フェリー乗り場の周辺にもたくさんの花が植えられており、対岸の福岡市中心街とは対照的な光景が広がっていました。

能古島船だまりに面した、老舗の食事処『雑魚』

外観

博多湾は大都市に面した海とは思えないほど魚種が豊富で、玄界灘とあわせて日本屈指の漁場として知られています。福岡市は、全国の主要な産地市場(漁港)の漁港取扱高において4年連続で日本一を記録したこともあるほどです。

能古島の『雑魚』は、そんな福岡の魚種の豊かさを知れる素晴らしい食堂です。店の目の前は船だまり。立てかけられた釣り竿や保冷バッグは飾りではありません。Facebookをみると、大将も釣り好きのようです。

ここは、その日あがった魚を食べさせてくれる、魚好きによる”魚っ喰い”のための店です。

内観

開店は11時頃。早くからお腹をすかせてきたお客さんたちでテーブルは次々と埋まっていきます。

品書き

お酒

生ビール(キリンラガー):550円、レモンサワー:550円、ハイボール:550円、焼酎各種:550円、ワイン:550円、日本酒 徳利:770円。

料理

料理は海のご機嫌次第です。経木の品書きは毎日書き変わります。

刺身

タイ:880円、ヒラス:880円、カツオ:880円、イシダイ:880円、ヒラメ:1,100円、地アジ:880円、甘エビ:880円、ヤリイカ:1,100円、イサキ:880円、ホウボウ:880円、クジラうね:880円、刺身盛り合わせ:1,650円~。

煮魚・揚げ物

カレイ煮:880円、あじフライ:880円、カキフライ:880円など。

定食・丼ぶり

雑魚定食:2,200円、海鮮丼:1,650円、海鮮天丼:1,650円、ごまヒラマサ丼:1,650円、ざっこの唐揚げ刺身付きランチ:1,650円など。

能古島の雑魚は、魚好きの楽園

キリンラガー(550円)

お昼の強い日差しが差し込む島の食堂居酒屋で飲む、一杯の生ビール。これだけでテンションアップ。それでは乾杯!

雑魚定食(2,200円)

お昼飲みが目的なので、お酒の肴に単品のお刺身を注文するのも良いのですが、一人であれもこれも食べてみたいと思い、雑魚定食を注文。ごはんがついてきますが、魚の量は一般的な定食の比ではありません。

ごはんを少なで雑魚定食を注文すれば、のんべえの方でも楽しめることうけ合いです。

先付

先付はフグに鮪のすき身、揚げたてザクザクの魚のフライもついてきました。これでビール1杯はあっという間かも。(お酒は適量で)

とても突き出しとは思えません。

刺盛り8点

つづいてお刺身盛り合わせが登場。

カツオ、タイ、ヒラス、イサキなどにクジラウネまで盛られています。雑多な盛り付けですが、食べてみるとその鮮度の良さに驚きます。

真鯛のアラとホウボウ1尾まるごと煮付け

刺身は鮮度の良さに驚きましたが、煮魚はその豪快さにたまげました。真鯛のかぶとはまだよく見ますが、びっくりしたのは、ホウボウが一尾まるごと入っていることです。煮魚も水揚げ次第でヒメジやカナガシラなど、日々変わります。でもボリュームは毎回これくらいあるようです。

量が多くて、味付けもいい。ビールに続いて焼酎のロックをもらい、もりもりと食べて飲んで大満足。朝食を抜いてきましたが正解でした。

居酒屋というよりは、港町の漁師さんの家でごちそうになっているような気分。大将の「美味しい魚をお腹いっぱい食べていって!」という思いがつまった魚づくしでした。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名雑魚
住所福岡県福岡市西区能古462
営業時間11:00~魚がなくなり次第閉店(限られた日で夜営業あり・月定休)