『てんぐ大ホール』は、居酒屋チェーン「天狗」(運営:テンアライド)の新業態です。コンセプトは、どこか懐かしい家族でも利用できる食堂兼酒場。生ビール一杯319円と手頃な価格で、昼食を兼ねた一杯にも利用できます。そんな使いやすい同業態が、なんと銀座に出店しました。
目次
まるで、昭和の百貨店食堂のような店
1969年に池袋で創業し、関東地方ではお馴染みの老舗居酒屋チェーン「天狗」ですが、昨今の外食シーンの変化にあわせて、新業態への転換が進んでいます。そのひとつが、「食事処と居酒屋の両面を持つ、昭和レトロな新しいブランド」をテーマに掲げた『てんぐ大ホール』です。
一号店は船橋で、その後、新宿大ガード、大宮すずらん通りとオープンさせてきました。4店舗目は、東京都中央区・銀座8丁目の銀座ナイン内です。
今後も同業態への転換を進め、2022年夏には10店舗程度まで店数を増やす計画といいます。
[参考]てんぐ大ホール1号店の取材記事
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テンアライド社からオープンの知らせを聞き、開店初日に『てんぐ大ホール銀座ナイン店』を取材してきました。銀座ナインは、新橋と銀座の境界線にある、かつて河川だった場所を埋め立てた東京高速道路(KK線)の下にある商業施設です。住所的には銀座ですが、新橋駅からも徒歩3分ほど。新橋飲み歩き圏内でもあります。
近年増加している、レトロな食堂をモチーフにした店構えです。店は地階ですが、自動車専用道路下ということもあり、席数は多く123席もある大箱です。
フロア内には、既存業態のテング酒場と『てんぐ大ホール』の2業態にわかれています。テング大ホールは、お昼から通しで営業しており、食堂寄りな業態とはいえ、テング酒場よりも利用しやすいかもしれません。
外観・内観
内装は天狗時代と大きく変わっていません。4人テーブルを中心としたつくり。2人用の小さなテーブルもあり、一人飲みにも対応しています。
カウンターは4席ながら用意されています。ただ、取材時はオペレーション上業務スペースとして使っているようでした。
乾杯は「サッポロ生ビール黒ラベル」で
天狗のビールといえば、サッポロビール。天狗オリジナルのビール・ビアブラウン(製造はサッポロビール)の取り扱いはなく、樽生はサッポロ黒ラベルのみ。瓶ビールはサッポロラガーという顔ぶれです。
銀座でも生ビールが税込319円。手に取りやすい一杯で乾杯!
品書き
お酒
ビールは、樽生サッポロ黒ラベル(360型):319円、サッポロラガー(大びん):715円。
酎ハイ・サワー類は、パンチレモンサワー:209円、にっぽんの紅茶ハイ:319円、デュワーズ12年ハイボール:429円、バイスサワー:319円、天羽の梅 梅割り:319円、ホッピーセット(429円)など。甲類のベースは群馬でつくるサッポロ焼酎です。
映え系として、タワーレモンサワー:429円、バイスサワー”ー”(1Lタワー):1,100円、乳酸菌メロンハイ:429円など。
日本酒(いずれも100ml)は 加藤嘉八郎酒造(鶴岡市)の本醸造樽酒 大山:429円、宮坂醸造(諏訪市)の真澄 純米吟醸:429円、大七酒造(二本松市)の大七 純米(429円)。
(参考)幼少の頃、デパートの食堂で楽しんだようなソフトドリンクがずらりと並んでいます。
酒場メニュー
看板メニューは、店仕込みの生アジフライ:429円。サイコロステーキ:429円や、やわらか牛すじの肉豆腐:429円、イタリアパルマ産プロシュート切りたて生ハム:319円など、天狗から受け継ぐ同社の定番料理も用意されています。
加えて、系列の低価格(せんべろ)業態「神田屋」の焼き餃子3個:120円など、リーズナブルなおつまみも充実しています。とろーりチーズのミルフィーユハムカツ:429円や、おつまみカオマンガイ:429円といった変化球も揃います。
すぐにでる小皿メニューは、手元のメニューではなく別枠で掲示されています。さすがに生卵をつまみに飲むことはありませんが、ポテサラ:165円や〆さば:290円は、軽くもう一品つまみたいというときに良さそうです。
食堂メニュー
ゴロゴロチャーシュー焼き飯:759円、海鮮のっけ飯:869円、野菜あんかけかたやきそば:429円、昔ながらのナポリタン:649円など。
ランチメニュー
参考までにランチメニューを。鶏から(6個)定食:600円、国産ささみカツカレーライス:650円など。
一言で表せば「使い勝手の良さ」が価値
生アジフライ(429円)
自社内にセントラルキッチンがあるチェーン居酒屋グループとしては、やはりあえて店で捌いた生鯵というのは”特長”なのでしょう。三枚におろした鯵は大きくてふっくらとしています。生あじのたたき:429円でも使う鮮度の良さが”ウリ”です。
揚げ具合が絶妙で、ザクザクの衣の中は、みずみずしい食感が残っています。1尾分ならば片側は醤油、もう片方にソースをかけて味を変えてみるのも楽しいです。
サイコロステーキ(429円)
1984年に天狗でメニュー入りしてから今に至るまで続く人気の一品です。ニュージーランド産牧草牛の熟成ハラミ肉を使用しており、税込みでワンコイン未満で、鉄板皿のステーキが食べられます。
味付けは天狗同様、にんらくおろしソースです。濃い旨味とコクがガツンと口の中に広がります。
パンチレモンサワー(209円)
プレーンなチューハイと値段は同じ、パンチレモンをつかったレモンサワー。酸味とほのかな苦味で、口の中をリフレッシュ。
酒場と食堂の中間がいまのトレンド
派手な映え系メニューもありますし、王道の酒場料理も揃う。若い人も、酒場慣れしたベテランの方でも気軽に使えるお店です。
銀座という場所は飲食店の選択肢は多そうで、こういう「誰でも、いつでも、一人でもグループでも」使える飲食店はそれほどありませんでした。自由に使える新しい居場所として人気がでそうです。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | 大衆食堂てんぐ大ホール銀座ナイン店 |
住所 | 東京都中央区銀座8-5先 銀座ナイン1号館 B1F |
営業時間 | 営業時間 月~金曜日 11:30~23:00 土曜日 12:00~23:00 日曜日・祝日 12:00~22:00 定休日 12月30日~1月3日 |
開業年 | 2022年3月17日 |