銀座「ビヤホールライオン7丁目店」 現存する日本最古のビヤホール

銀座「ビヤホールライオン7丁目店」 現存する日本最古のビヤホール

2016年8月4日

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この記事は飲みながら書いています。「いつものことじゃない」、と言われそうですが、今日は銀座ライオンで飲みながら。8月4日、今日は「ビヤホールの日」。日本で最初のビヤホールが銀座にできて今年で117年を迎えます。

日本最初のビヤホール「銀座ライオン」は、ビヤホールの日を記念して毎年8月4日は生ビールの半額フェアを開催しています。銀座ライオンだけでなく、銀座ライオンチェーンである「ヱビスバー」や「北海道留萌マルシェ」など、多くの店舗が対象です。東京・銀座が最寄りでなくとも、今夜の飲み場所にはライオンをぜひ選んで欲しい。ライオンの渾身の生ビールが300円台なんていう幸せは今日だけですから。

 

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銀座7丁目にあるライオンビヤホールは特別な存在で、現存する日本で一番古いビヤホールとして人気です。ドイツのビヤホールをイメージしたレンガ調で天井の高い空間は、まさに酒場遺産です。昭和11年、大日本麦酒(現在のサッポロビール)本社の一階にオープンし、カウンター奥にある菅原栄蔵作モザイク大壁画には、「豊穣と収穫」をテーマにビールの主原料の麦の様子が描かれています。

 

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テーブル、椅子、柱、そして創建当時にあった噴水まで、いまも戦前のモダンなレストランの姿を残しています。戦災ののち、GHQが占領する進駐軍専用ビヤホールとなり、その後、日本麦酒(現在のサッポロビール)に返還され、いまに続きます。初代ゴジラが上陸した際にも「日本麦酒」の看板もろとも横倒しされるシーンがあるくらい、昔からずっと続く人気店です。

 

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ビールはサッポロ生ビール。現在は千葉工場で製造される黒ラベルがタンクローリーで運ばれ、地下の巨大なビールタンクに貯槽されていすます。建物の横に消火栓のようなビールタンクへの注ぎ口があり、工場からできたての黒ラベルが充填される様子はなかなかの迫力です。

伝説のカウンターマンとその直系の弟子が注ぐ生ビールは、別格の美味しさ。強烈な圧で押し上げられている勢いのあるビールタップは、慣れているサッポロライオン社員でもちゃんと注げる人はあまり多くないとか。勢いが強く、泡の割合をきっちりつくるテクニックは素晴らしく、「一度注ぎ」がウリです。

 

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時間限定のローストビーフは、タイミングが合えばぜひ頼んで欲しい銀座ライオンの看板商品。焼きあがる時間までに注文しておくという予約制のものです。柔らかく箸で切れるローストビーフは、年配のファンも多い。

 

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ビールは大ジョッキ、中ジョッキ、そして少グラスの3種類。黒ラベルやヱビスなどサッポロの主力商品のほか、エーデルピルスや白穂乃香などめずらしいものも揃います。

 

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ハムにソーセージ、スペアリブなど、ビールに合う肉料理が豊富で、どのメニューも歴史があることから、それだけを目当てにやってくる銀座・日本橋の旦那衆も多く、メニュー改定はなかなかむずかしそう。私は香辛料がきいているのにどこか和風な唐揚げが好物です。

 

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ビールは好みが分かれますが、ぐいぐいと飲みたいときは大ジョッキ。でも細かく刻んで常に最高の状態を楽しみたいならば小グラスがおすすめです。口金のしゅっとしたグラスは、いつもの生ビールよりもひとつ上のレベルを感じさせてくれるはず。

最高の温度、最高の鮮度、最高の提供状態。空間が最大のつまみとなる7丁目ライオンでなくとも、ライオンで飲むビールはやはり最高です。長く愛されるにはワケがある。

今宵はライオンでサッポロ生ビールを飲みませんか?

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

ビヤホールライオン 銀座七丁目店
03-3571-2590
東京都中央区銀座7-9-20 銀座ライオンビル 1F
11:30~23:00(日祝は30分早く閉店)
予算3,500円 ※ビヤホールの日は2,000円