有楽町『大正軒』交通会館とともに半世紀。1914年創業の精肉店直営

有楽町『大正軒』交通会館とともに半世紀。1914年創業の精肉店直営

2022年1月14日

大正時代から続く精肉店直営の洋食店『キッチン大正軒』は、東京交通会館の地階にある人気店です。人気の豚肉生姜焼きやハンバーグは、お昼は近隣のビジネスパーソンの胃袋を支え、夜になれば、仕事帰りのちょい呑みのよきおつまみです。

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1965年の竣工時から、ずっと続く店

東海道新幹線や首都高の開通など、オリンピックに合わせるように東京の街が大きく変化した1960年代。銀座、日比谷の玄関口である有楽町駅前も大規模な再開発が行われました。そうして1965年に竣工した東京交通会館は、半世紀以上にわたり有楽町の顔として鎮座しています。

2000年代に入り、周辺にも続々と再開発ビルが建設されていく中、懐かしい昭和風情を残す東京交通会館は独特の魅力を増していきました。いまは全国のアンテナショップが集まる場所として知られています。それだけでなく、地階にある細いビル内路地と、そこに集まる小箱の飲食店も忘れてはいけない魅力的な存在です。

外観

東京のまん真ん中にあるのに、飲み屋横丁のような佇まい。便利な場所ということで観光客の姿もありますが、主なお客さんは長年通う近隣のビジネスパーソンです。いつもの店で、いつものランチや晩酌を楽しむ人たち、皆さん楽しそうです。

内観

そんな皆さんの居場所にお邪魔して、こちらも晩酌をはじめたいと思います。

ソテーなどの肉料理で飲むならば、カウンター9席とテーブル1卓だけの小さな洋食店『キッチン大正軒』。1914年(大正3年)に巣鴨で創業した精肉店の直営で、東京交通会館の竣工当初からここで変わらず商売を続けている老舗です。

フレンドリーなお姉さんたちが数名で切り盛りされています。

乾杯は瓶ビール「アサヒスーパードライ」で

樽生ビールはなく、瓶ビールのみ。銘柄はアサヒスーパードライです。芯までキンキンに冷えた瓶を傾けビアタンを満たしたら、乾杯!

品書き

お酒

瓶ビールアサヒスーパードライ)小瓶:400円、中瓶:600円。

お酒はビールだけです。

料理

ミックスA定食メンチカツ・エビフライ・アジフライ):1,050円、カラメン定食(唐揚げ・メンチカツ):950円、豚しょうが焼き組み合わせ定食:1,000円~など。大きくわけて、主役は揚げ物、生姜焼き、煮込みハンバーグの3品目で、組み合わせが選べます。

ガッツリ系の料理が多いものの、お店が女性中心で切り盛りされていることもあって女性客も多く、誰でも入りやすいお店です。

東京の真ん中で、あったかいひとときを

ハンバーグしょうが定食(1,100円)

名物の生姜焼きと煮込みハンバーグ、両方を楽しめるハンバーグしょうが定食。太めでねっとりとしたケチャップスパゲティとたっぷりの野菜、ごはん、味噌汁がついています。

今風の華やかさはないものの、昔から変わらない洋食の本質的な美味しさがつまっています。

大きなロース肉の生姜焼が三枚。味は濃い目ですから、追いかけるようにビールをぐっと喉にあててたくなります。

デミグラスソースがたっぷりりかかったハンバーグ。柔らかく、箸がすっとはいります。

お肉の美味しさをガツンと感じる料理たち。家庭的にみえても、その味は有楽町で半世紀続いてきた実力を感じます。今日は夕食がてら軽く一杯というとき、有楽町ならば洋食という選択肢はいかがでしょう。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名キッチン大正軒
住所東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館 B1F
営業時間11:00~14:30 17:30~20:00・水は17:30~20:00・土は11:00~15:00(日祝定休)※夜営業は不定休
開業年1914年