武蔵小杉「浜の玄太丸」街の老舗が超進化!魚好き必見、鮮魚店併設の海鮮居酒屋

武蔵小杉「浜の玄太丸」街の老舗が超進化!魚好き必見、鮮魚店併設の海鮮居酒屋

2021年10月11日

武蔵小杉の駅前に小さな魚河岸が現れました。店頭にはスーパーには並ばない高級魚や、神奈川や全国の丸魚がずらりと並んでいます。購入した魚は隣の居酒屋「浜の玄太丸」で調理してもらえる―。お昼から営業、魚が旨いと評判の店の魅力を、体験レポートとインタビュー記事でご紹介します。

(タイアップ:キリンビール株式会社)

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原点は1975年創業の老舗居酒屋

高層マンション群が立ち並ぶ街、武蔵小杉。来る度に町並みが新しくなるこの地に、2020年、小さくても猛烈に賑わっている魚河岸のような鮮魚店が誕生しました。

東急東横線の武蔵小杉駅の改札から徒歩1分もかからない場所、広場に面したビルの一階に、今日取材するお店はあります。写真では、左が母体の居酒屋、右が鮮魚店です。

鮮魚店を紹介する前に、母体である居酒屋を訪ねました。「海鮮問屋 浜の玄太丸」は、2014年にオープンした鮮魚専門の居酒屋です。

コの字カウンターを大きく配した割烹スタイルのつくりでライブ感いっぱい。若い料理人さんたちが忙しく調理を続けています。調理する様子や店の賑わいを感じながら飲めるこのカウンターは、一人、二人で飲むならば、武蔵小杉では間違いなく五本の指に入る特等席でしょう。

まるで市場の食堂!武蔵小杉で、どうして?

店の中心人物は、代表の片桐玄太さん。お名前は店名にもなっています。武蔵小杉出身で、居酒屋を運営する一家に生まれた3代目です。

通常の仕入れでは難しいような海鮮料理を揃え評判の店をつくった片桐さんに、店づくりの裏側を伺いました。

新しい施設が次々誕生する武蔵小杉ですが、浜の玄太丸は街に根付いているように見えます。

―片桐さん 浜の玄太丸は2014年10月に開いた海鮮専門の居酒屋ですが、私の父にあたる先代から、武蔵小杉で居酒屋を営んできました。一店舗目は、常連さんに長くご利用頂いている「居酒屋すきずき」で、1975年に開店しました。その後、平間、新丸子にも支店を増やしていく中で海鮮に特化したお店を開業したく、長年考えていた「海鮮問屋 浜の玄太丸」をオープンさせました。

魚種が豊富で、三浦の地魚から大間の本まぐろまで揃っています。どのような仕入れで実現しているのでしょうか。

―片桐さん 当店に限らず飲食店の仕入れルートは様々です。例えば近くには南部市場(川崎市地方卸売市場南部市場)があります。ほかには、東京の豊洲市場や、神奈川県には漁港の市場もあります。当店では、お客様が驚いてくださるような、多種多様な魚介を丸魚のまま仕入れたいと思っていました。
そうして探し回っている中で地元のつてなどから、三浦半島長井港での入札権を取得することができました。さらに店のコンセプトとしては神奈川県の地魚だけでなく、より特色ある魚介も仕入れたいと考えていました。紹介があって、築地市場(東京都中央卸売市場)での関係もつくることができました。今も毎日仕入れに行っています。

(写真提供:株式会社すきずき 豊洲市場にて日々、片桐さん自ら仕入れに行く)

「数が揃わないものなど、魚は上物でも大口での売り先がない魚を中心に買い付けることも多い」と話す片桐さん。チェーンではない街の飲食店ですから、少量の仕入れでも食べてくれるお客さんがいます。

居酒屋にかわる魚の売り先として開いた鮮魚店

片桐さんの案内で、となりの鮮魚店「魚の玄太丸」に移動しました。撮影するタイミングに困るほど、次から次に途切れることなくお客さんがやってきます。

店頭ではなぜか野菜も売っています。片桐さんの話では、豊洲からの帰り、大田市場近くを通る際に仕入れているのだそう。私の近所のスーパーより安い…。

市場の開場日はお昼頃になると店先に冷蔵車がやってきます。玄太丸の自家用車で、大量の魚が降ろされます。

鮮魚店「魚の玄太丸」の品揃えは市場そのもの

街の人気店になった居酒屋「浜の玄太丸」も、緊急事態宣言で売上は激減。食べてくれるお客さんが少ないので魚が仕入れられないという事態になります。こうした飲食店が多く、ニュースでも取り上げられていた通り、市場では魚が売れず、流通、漁業関係者が苦しい状況になりました。

そうした中、2020年7月、同店は新たな販路として鮮魚店をはじめました。それが「魚の玄太丸」です。飲食店で得たノウハウを活かし、飲食店で食べるような食材を、一般家庭向けに販売することにしたのです。

―片桐さん タワーマンションが建ち暮らす人は増えましたが、この街には『魚屋』がありませんでした。スーパーに並ぶ魚は定番のものが多く、また、丸魚は売れないリスクもあり品揃えは少ないです。当店は専門店ならではの珍しい魚も多数揃えています。お陰様で評判となり、いまでは近隣の飲食店などに魚を卸すまでになりました。

豊洲の茶屋で魚を積み込む様子を見た仲卸から声をかけられ、それがきっかけで新たな仕入れルートができたこともあるそうです。

名物は太刀魚

人気の魚について尋ねると、太刀魚をおすすめ頂きました。西日本では普段から食べる魚ですが、関東では馴染みはそれほどないかもしれません。

―片桐さん この太刀魚にも「魚の玄太丸」ならではの特長があります。実は、浜の玄太丸すきずきの常連さんが、プライベートで釣り上げたものです。釣り上げた太刀魚を釣り帰りに持ってきてもらい、当店が買い取りをしています。

店内には自慢の太刀魚を持ったセミプロの皆さんの写真が飾られています。

鮮魚店が居酒屋を併設するパターンはありますが、居酒屋が鮮魚店を開くのは珍しいです。これも飲食店のニューノーマルなのかもしれません。

店先には食べやすくサクにしたものや、お寿司やお弁当も並びます。なかでもバラちらしは飛ぶように売れる人気の品だそう。仕事帰り、居酒屋にいけなくても家でちょっとした贅沢な晩酌を楽しみたいという需要にしっかり応えているようです。

そんなお惣菜をつくるのは、居酒屋「浜の玄太丸」の皆さん。お昼から通しで営業する同店は、ランチを乗り越えたあとのアイドルタイムでさえお惣菜づくりが続き、常に厨房は忙しそうです。

魚屋さんで売っているものを自分で選び、居酒屋で調理してもらう

―片桐さん 魚屋を併設したことで居酒屋「浜の玄太丸」は魚を楽しんで頂ける店になりました。鮮魚店の玄太丸でお客様自身で魚を選びご購入頂き、これを居酒屋に持ち込むことができます。

実際に体験してみました

きんき鯛(777円)が美味しそう!

店頭に並んでいる魚は、大衆魚から真鯛や牡蠣、毛ガニまで様々。どれでも持ち込みは大丈夫ということで悩んでしまいます。牡蠣を大量に購入し、オイスターバー的な利用をするお客さんもいるそうです。

ここはオススメという太刀魚に挑戦してみましょうか。丸のままではなく、ぶつ切り等食べやすいサイズに小分けで販売してくれます。さすがに宴会でもない限り、巨大な太刀魚を一匹まるごと食べるのは難しいですから助かります。

ここは本当に、タワーマンションが立ち並ぶ武蔵小杉なのか

店先には生簀もあります。魚種は日々変わりますが、取材時は上物の活本カワハギなどが泳いでいます。肝醤油で食べたら格別でしょう。「これを1尾お願いします」とテンション高めで注文。

店の前には整然とした町並み。センスのいい商業施設やタワーマンションに囲まれたこの場所で、カワハギや伊勢海老を生簀から取り出す。なんとも不思議なコントラストです。

ここから居酒屋「浜の玄太丸」の体験レポート

魚は選びましたし、それではそろそろ乾杯タイムといきましょうか。浜の玄太丸に戻ってきました。

ちょうどいい大きさのコの字カウンターです。とくにこの角の席からの景色が居酒屋好きにはたまりません。

一階はカウンターだけですので利用シーンは限られてしまいますが、二階は「武蔵小杉 浜の玄太丸 おにかい」として、テーブル席が完備されています。明るく開放感があります。窓側にはベンチシートがあり、家族連れでも利用したくなるような雰囲気です。

カウンター、テーブルあわせて53席。念の為予約をおすすめします。

美味しい魚には美味しいビール、キリン一番搾り

お待たせいたしました。ビールタイムです。樽生のキリン一番搾り(495円)で。それでは乾杯!

瓶ビールはキリンラガー(中びん605円)など。サワー類は495円。お店のおすすめは静岡産抹茶使用!抹茶緑茶ハイ(495円)です。日本酒は定番が金陵 超辛口(約2合968円)など。

品書き

日々変わるメニューですが、定番は玄太丸刺盛り(1,180円)。二人前以上で高級食材を追加してくれるというのがポイント。後で頼んでみましょう。

のどぐろ(刺身か塩焼き1,380円)、キンキ(刺身1,280円)、車海老(刺身か塩焼き400円)。カツオの藁焼き(780円)や〆サワラ(780円)、季節食材の松茸(天ぷら980円)と、とにかく豪華な内容です。食材を考えればどれもとてもリーズナブル。

握り(10貫で2,380円)や巻きずし、焼き魚や天ぷら各種。

サイドメニューも惹かれる文字が踊り、目移りしてしまいます。

魚屋で購入後、調理料支払って食べれば組み合わせ無限大

さきほど魚屋さんで買った魚ですが、調理料は400円から500円で好みの料理に仕上げてくれます。もう取材を忘れ、ただただはしゃいでいる魚好きの筆者。

近隣の魚好きならば、一度は訪ねるべき一軒

お通しは手巻きお寿司

玄太丸刺盛り(1,180円 ※写真は二人前)

豪勢な内容に、自然と笑いがこみ上げてきます。撮影するので板前さん少し気合が入っているでしょうか。

二人前以上でつくという高級食材はどれでしょう。

毛ガニ、ブリ、本まぐろ中トロ、きんき、あわび、ボタンエビ。全部高級食材だと思うのですが、このやりすぎ具合、評判になる理由がわかりました。マグロは大間で水揚げされた140kg級なのだそう。これは高級寿司店向けのクラスでしょう。

おばんざい三種(980円)

おばんざいというのは、もう少し落ち着いたものかと思っていましたが、これまた豪華な内容です。獺祭の酔っぱらい海老、白子、魚介のカルパッチョ。盛り付けも豪快さを感じる店の雰囲気でありながら、非常に丁寧で美しいです。

釣り太刀魚(塩焼き調理料400円)

あまりに豪華なお刺身とおばんざいで度肝を抜かれていましたが、焼台の上では先程となりの鮮魚店から持ち込んだ地物の釣り太刀魚がじっくりと焼かれ始めています。

太刀魚には目がない筆者。ハリがあり、まるまると太った太刀魚はさぞかし美味しいはず。そんな高めの期待をさらに上回るレベルでした。脂がたっぷりのり、太刀魚特有の上品さを保ちつつ食べごたえある長い旨味の余韻がたまりません。

箸休めに添えられた氷頭なますも、それだけで500円以上しそうな逸品です。

活カワハギ刺身(刺身調理料400円)

さっきまで武蔵小杉で泳いでいたカワハギ。本カワハギです。キモがつまっており、さしちょこから溢れるくらい盛り付けられています。

カワハギ刺しのキモ和えには、キリンラガーと決めています。そういう飲み方をすすめる老舗の酒場があり、そこで好きになったペアリングです。もちろんお酒(日本酒)もいいですよね。

武蔵小杉の駅前で、時刻は午後3時過ぎ。こんなに素晴らしい魚好きを虜にさせる昼飲みはそうそうありません。しかもベッドタウンなのですから、さらに驚かされます。

北海道産きんき鯛(煮付け調理料400円)

自分で選んだ魚を目の前でさばき調理してくれる。日常的に利用する飲食店ではあまり経験できないかもしれません。ましてや、昨今の生活スタイルの中では外食すら貴重な時間です。こういう特別なシーンは非常に嬉しいものです。

ここの煮魚が美味しくて、その場で口に出して喜んでしまいました。

刺身や焼き魚は安定していても、煮付けとなると料理人の技がより重要になってくるものです。染み具合、味のバランスなど。とくに時間をそれほどかけられないこういう居酒屋は難しいものです。

深蒸し煎茶割り(495円)

寿司屋のお茶ハイが人気のように、魚料理はお茶ハイ・お茶割りが好相性です。人気ナンバー1のお酒は、三楽焼酎ベースの深蒸し煎茶割りです。一杯目を飲みきったら、割材系サワーのナカを追加するようにリーズナブルな価格でおかわりできます。

そこまでやるの!?と驚かされることが続いた玄太丸の取材でした。進化を続ける飲食店の、食材や調理という正統派で攻め続ける姿に大満足でした。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ タイアップ/キリンビール株式会社)

店名寿司を味わう 海鮮問屋 浜の玄太丸
住所神奈川県川崎市中原区小杉町3-428 小杉山脇ビル
営業時間営業時間
ランチ 11:30~17:00
ディナー 17:00~翌1:00
(L.O.24:00)

【年末年始】
12月31日~1月2日まで休業
(12月30日営業終了、1月3日営業開始)
日曜営業
定休日
無休
開業年2014年
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