築地『本種』場外市場の路地裏で朝飲み。市場関係者も集う魚の店。

築地『本種』場外市場の路地裏で朝飲み。市場関係者も集う魚の店。

2021年3月20日

朝から鮮魚でお酒を楽しみたいというときに、築地の「本種」はいかがでしょう。朝10時30分から入れます。日曜日も営業。ざっくりと盛り付けられた刺身が驚くほど上等できっと驚きます。

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職域のめし処というイメージ

雨の築地場外市場。人通りが多い新大橋通りからさらに奥へ、波除神社の近くの細い路地は独特な雰囲気があります。

長靴にゴムエプロン姿の調理人や卸の人たちが忙しそうにトロ箱を運ぶ中、邪魔にならないように路地の奥へ。本種は目立たないお店です。目印は小さな「本種」と書かれた提灯。アルミサッシの引き戸をガラガラと開きます。

数席だけのカウンター席は、スタンド風。

ベテランの大将を中心に、家族経営で切り盛りしています。女将さんが「いらっしゃい」とお茶を用意してくれますが、今日も今日とて飲みに来ています。

ビールをだしてもらって、トクトクとビアタンを満たし、はい乾杯。

品書き

ビールは中びんのアサヒスーパードライ(700円)。日本酒はひょうたん型の1合瓶につめられた上撰白鷹のみ。ハイボール、ウーロンハイなどもあります。

店の奥は宴会もできる大きさがあり、仲買人風の市場関係者など、近隣の人が宴会をしている光景がみられます。そんな用途もあってか堂々たる一升瓶の「下町のナポレオン」(いいちこ4700円)も鎮座しています。

ビールとともに小皿がひとつ。市場のテンポなので料理は早く、小皿をつまんでいるうちにあっという間に料理がきます。

朝からお昼の献立は、刺身定食(1,400円)、にぎり寿し(一人前1,200円・一.五人前1,700円)、丸ちらし(1,000円)、ねぎとろ丼(1,200円)の4種類だけ。

夜は小肌、〆鯖、鮪などの刺身や蛸煮、穴子、天ぷら、白エビなどを出してくれます。800円前後で量もあります。二・三人でシェアするくらいがちょうど良さそうです。

刺身が極上!洗練とは真逆の価値がある

刺身定食1,400円

大皿の刺身に、アラでだしをとった味噌汁、ごはんは酢飯で提供されます。

築地界隈で何軒もお刺身盛り合わせをつまみに飲んできた筆者。豪快な盛り付けにも慣れているものの、元種の刺身のインパクトに思わず声をもらしてしまいました。

その日の市場の顔ぶれで変わる内容。この日は、クロマグロを中心に、旬のホタルイカ、みずみずしく味の濃い蛸、ホタテ、白魚など。盛りの良さだけならば、他にもいろいろあります。

驚くのが、どの魚介類も非常にモノがいいのです。鮮度だけが基準ではなく、純粋に食べて「これはイイ」と感じさせるものばかり。この値段でこの内容ならば実に経済的です。

店頭の路地から更に横へ曲がると、建物の隙間に「本種」の暖簾があります。グループで飲むならばこちらの入り口からはいることになります。

中央卸売市場こそ豊洲に移転しましたが、築地でリピーター相手に商売している人の目利きはやはりすごい。こういう魚で一杯というのも実にいいものです。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名本種(もとだね)
住所東京都中央区築地6-25-4
営業時間営業時間
10:30~14:00 17:30~21:00
日曜営業
定休日
水曜日
開業年2010年 ※本種に店名変更した年