留萌『漁師の店 富丸』何せネタがいい!絶品活ホタテを楽しむ漁師の店

留萌『漁師の店 富丸』何せネタがいい!絶品活ホタテを楽しむ漁師の店

2021年3月21日

港町・留萌で漁師が営む店「富丸」。地元の人にも人気の新鮮魚介類は食べる価値あり!留萌産の活きたホタテの貝柱を肴に、増毛の酒「國稀」を味わえば、旅と酒の魅力に浸れること間違いありません。

北海道留萌(るもい)地方の中心地、留萌市。留萌振興局が置かれる地域の中心的存在で、明治時代から鉄道が開通していた街。かつては鰊御殿なども建ち、主要産業の漁業が北海道経済で大きな役割を果たしてきました。

現在は人口約2.2万人、街の縮小とモータリゼーションにより、道央地方の深川から留萌を結ぶJR留萌本線は風前の灯火です。

そんな留萌へ、地域自慢の魚介類を食べさせてくれる海鮮料理店を目指し、ローカル線の旅にでました。

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北海道でも特に厳しい留萌本線

札幌と旭川を結ぶJR函館本線の深川駅から分岐し留萌を結ぶ、留萌本線。終点の留萌を目指します。お酒を飲むためには公共交通が欠かせません。鉄道で飲みに行ける安心感はやはり段違いです。

だれも乗り降りしない峠をこえ、1時間ほどの汽車旅。終点の留萌駅がみえてきました。乗客数名と、お客さんより多い鉄道員を乗せて、遠く日本海がみえる鉄路を走ります。

広いホームにターミナル駅の風格があります。高倉健さんが駅員姿で迎えてくれそうな旅情と懐かしさと、そして切ないムードに満ちた駅。

広いコンコースが、往時の賑わいを感じせます。

令和の時代に、こんなにも風情のあるターミナル駅が残されていることに驚きます。一日7本の列車のためにはあまりにも規模が大きいです。それでも、駅周辺には意外なほどに人がいて、タクシーもお客さんを待っています。

留萌駅前

駅前を少し歩くと、60年以上歴史がある留萌自由市場がみえてきます。

鮮魚店など5店舗が現在も営業中。建物は古くても市場内には地元の人々が集まり、活気があります。安くてボリューム満点!北海道太平洋側でも有数の港町らしいパワフルな店。遠方からのお客さんも訪れると聞きます。

市場から歩くこと10分ほど。留萌の中心街にいくつかある大衆割烹のひとつ、「漁師の店富丸」にきました。店名の通り、留萌の漁師が営む店で、平時は店に併設し旅館も営業しています。

大きなお店は、一人飲みのカウンター席から、4人の絨毯敷き個室、宴会場など様々なスペースが用意されています。会合や冠婚葬祭の食事処として、どの地方都市にもこういう店はあるものです。

冷蔵ケースに並ぶのは地元の漁港にあがるものが中心。それらを眺めて、何を食べようか考え、手元に届いたビールをいただきます。

サッポロクラシック(500円)、北海道限定のビールです。では乾杯。

品書き

和洋折衷、何でも対応するのがこういう店舗の役割。品書きにもそれが現れています。トンカツと刺身が同じ一枚に併記されていることは、むしろ素敵なこと。

ビールは樽生がサッポロクラシック、日本酒は國稀(500円)、ウイスキーハイボールはニッカ(500円)と、お酒はすべて北海道のもの。

お酒は他にもあります。料理も相談するといろいろでてきますが、定番となる手元のメニューはシンプルな内容です。留萌の鮮魚でつくる海鮮ちらし(2,200円~)は観光で訪れた人に人気。いくら親子丼(3,000円)やアワビ丼(3,300円)など、気になる名前が続きます。

北留萌は甘海老は全国屈指の水揚げを誇り、品書きにありふれた一品のように溶け込む甘海老丼(2,640円)も実は地元の名産品のひとつ。

食材が輝く留萌

臼谷の活ホタテ

小平町臼谷(おびらちょう うすや)産の活ホタテは、店の人気メニューのひとつ。どの魚介類も丼ぶりではなく刺身も提供可能とのこと。

みてください、このエッジのたったホタテ貝柱。さっきまで活きていた大ぶりのホタテをバリバリとむいたもの。日常たべているホタテとは段違いの硬さ。歯ごたえがあり、味が濃い。華やかにすら思える磯の甘みが口いっぱいに広がります。

地ダコやホタテを使ったやわらか甘煮

派手なものはないけれど、美味しいものはたくさん!そうして出してくれた小鉢は、地元の魚介類を甘く煮たもの。ホタテの貝紐やキモ、北海だこなどがふわふわに仕上がっています。

國稀(500円)

これで日本酒を飲まずにはいられません。お隣、増毛の地酒で全国的にも知名度がある「國稀」。この地元消費向けのラベルを上燗で。

お銚子ら注いだ瞬間に広がる米のふっくらとした香味。口に含んだ瞬間にしっとりとした旨さが優しく広がります。

すけことこんにゃくの煮付け

珍味というほどではなくても、これまた地元食材のひとつ。燗酒と合うことは間違いありません。

自家製ヤリイカ塩辛

丼ぶりで満腹になってしまうのはもったいないと思える、酒の肴の数々。塩辛は見た目はだいぶ漬かっているものの味はまだフレッシュで、クサミは皆無。キモのなんとも言えない濃厚な旨味を味わいます。

女将さんの接客は丁寧で、地元の食材でしっかりと楽しませてくれる「富丸」。ホッキやホヤなども品書きに加わるそうなので、季節の海の幸も味わえそうです。

アクセスが便利な鉄道があるうちに、ぜひ一度留萌を訪れてみてはいかがでしょう。

ごちそうさま

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名漁師の店 富丸
住所北海道留萌市開運町3-3-10
営業時間営業時間
11:00~22:00
[ランチ]
11:30~14:00
日曜営業
定休日
無休