シドニー「P.J.O’Brien’s」 クラシックな空間で、OZビーフとドラフトギネスの幸せ

シドニー「P.J.O’Brien’s」 クラシックな空間で、OZビーフとドラフトギネスの幸せ

豪産牛肉、いわゆるオージービーフは国産牛肉と比較し手頃な価格で店頭に並んでいます。硬いというイメージもありますが、それは日本食にあわせたときの感想ではないかと思っています。本場オーストラリアで、地元の人が利用するポピュラーなお店を訪ねれば、きっとオーストラリア産牛肉のまだ知らない魅力を見つけることができるはず。

シドニーを訪ねる機会がありましたので、何軒かステーキを食べてみることにしました。今回ご紹介する「PJオブライエンズ」は、町中にあるクラシカルなアイリッシュパブ。オージーがステーキなどをつまみにビールを飲むお店、実際に体験してきました。

 

シドニーの中心街、その名もずばり「シティ」。オーストラリア開拓初期の頃から開発されたエリアなので、ビルにも歴史が感じられます。

 

ビジネス街の一角に「P.J.O’Brien’s」はあります。シドニーにはオーストラリア最古のパブをはじめ、街のいたる所にパブがあり、多くのお店はお昼から通し営業をしています。ちょうどお昼時でしたので、「P.J.O’Brien’s」もオフィスワーカーのランチでにぎやかです。

意外というか、ヨーロッパ風といいますか、同僚と食事に来ているオフィスワーカーたちはあたりまえのようにビールを飲んでいることに驚かされます。

 

パブとしてはかなりの大箱。一階はカフェテリア方式で、カウンターでフードとアルコールを注文し、アルコールを受け取ったら好きな場所で飲むという流れ。フードはキッチンから上がったものを運んできてくれます。

二階は席へ案内されるスタンダードなレストランスタイル。

一階でもアラカルトを頼めるほか、ビールにあう小皿系のおつまみがあるので、昼飲みは一階が人気です。

 

活気のあるパブはよいものです。誰もそれぞれを気にしていないのに、なぜかその場の人達同士に一体感のようなものを感じます。賑わいの風景に染まり、空間の雰囲気を構成する要素のひとつになれる楽しさです。

 

アイリッシュパブですから、ビールの品揃えはかなりのもの。ずらりと並ぶタップは、シドニーがあるニューサウスウェールズ州のブルワリーをメインに、イギリス、アイルランドの銘柄も揃います。

一杯目、ビアマグでいただく地元のビール、ファーフィー(Furphy Beer)、560ml A$10、日本円で約680円。それでは乾杯!

メニューは公式サイトをチェック。

 

苦味、泡立ちはおとなくし、ホップ感は控えめ。ですが圧倒的なモルト感が心地よく、喉をスムースに流れていく印象です。日本の大手ではまず作らないであろう独特な味の設計が楽しい一杯です。

 

そうこうしていると、アンガス牛のランプステーキ(250GM ANGUS RUMP STEAK)が出来上がったようです。値段はA$26.5(1,800円台)。

焼き方はウェイターさんのおすすめにあわせて、ウェルダンに。日本のステーキに求める、柔らかさ、脂のジューシーさなどとは全く異なる、ワイルドなステーキ。

 

スジ感はないのですが、身は引き締まっていてます。ぱさつきなどではなく、とにかく「強い肉」なのです。噛むほどに湧き出す肉の美味しさがたまりません。ワイルドに頬張り、余韻にシドニーのビールをあわせていく。こういうステーキ、日本ではあまり食べたことがありません。

 

ソースは、マスタード、ガーリックバター、マッシュルーム、そしてグレイビーから選べます。パブのグレイビーソースはハズレ無し!という勝手なイメージがありまして、こちらをチョイス。濃厚さがまして、ビールを一層誘う味わいに。

 

〆のコーヒーならぬ、〆のギネス(A$10)。

アイルランド・ダブリンはギネスのふるさと。ダブリンの地球の真裏はどこかというと、なんと偶然なことにシドニーからもそう遠くはない、ニュージーランド沖。真裏でつくられたビールもかわらず美味しいです。

 

優しくマイルドなのどごし。日差しが強いシドニーの午後、もう少しここでのんびり飲んでいきたいと思います。

本場オーストラリアのステーキは、日本のそれとは別物で、これもまた現地の風土を感じて食べれば非常に魅力的なものでした。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材時期/2020年2月以前)

 

P.J.O’Brien’s
pjobriens.com.au
+61 2 9290 1811
12:00~24:00(土日は13時から)
予算A$40.00