シドニーにご旅行の予定はありますか。もしシドニーへ行くならば、ぜひ立ち寄っていただきたいバーがあります。2017年に世界のバーTOP50(The World’s 50 Best Bars)に選ばれた「The Baxter Inn」を今日はご紹介いたします。
そこは、オーセンティックバー好きならばきっと誰もが感動する空間。400種類以上の世界のウイスキーを揃えるほか、オーストラリアのローカルなビールやワインはもちろん、ベテランのバーテンダーがつくるカクテルも非常に魅力的です。
カクテルは豪ドルで$20、定番のブレンデッドスコッチやビールは$8からと手頃な価格なのもおすすめの理由です。
オーストラリアに行く予定がない方も、海外のバーの様子をぜひ見ていってください。今回は最後にカウンターの様子を収録した映像も用意しています。
ここは南半球を代表する都市、シドニー。日本の冬が南半球の夏。猛暑のニュースが流れていますが、平均的な気温は10度~28度で年間を通じて過ごしやすいと言われています。ただし、日差しが非常に強いので日焼け止めは必須です。
シドニー中心街「シティーエリア」は、この街の魅力の半分が詰まっているといっても過言ではなく、ご紹介するバーや、多くの有名ホテル、そしてオペラハウスなどもまとまっています。入り江に築かれた街のため、ハーバーエリアが充実していて、街歩きは飽きることがありません。
夜になれば美しい都市の明かりに包まれます。地上250mあるシドニーで一番高い構造物、「シドニー・タワー」はどこからもみることができます。
上ばかりを見上げていると見逃してしまいそうなのが、今日のバー「The Baxter Inn」です。INNとついているのは、伝統的にオーストラリアではパブやバーをINNと呼ぶことからで、宿泊はできません。
表通りから薄暗い路地に入り、古いビルとビルの間の路地をビクビクしながら進むと、お店の入口らしき明かりが見えています。正直、あちこちの街で飲み歩きをしましたが、この路地を夜中に歩くのは、どこよりもスリリングな体験でした。
そして、入り口には強そうなお兄さん。セキュリティ兼ドアマンのようで、ここは元気よく挨拶をして…と進むと、にっこり地下へ案内してくれました。
え、本当にこっちでいいの?防火扉のような鉄のドアしかありません。ただし、この先が飲食店だということは、入口に並ぶ大きなビール樽から判断できます。ここはほろ酔いの勢いで飛び込んでみましょうか。
すると、なんということでしょう。入り口からは想像もつかないような立派なバーが広がっているではありませんか。長いカウンターに、地元のビジネスマン風のお客さんがたくさん。壁には所狭しとボトルが並び、バーテンダーさんは左右にスライドする梯子をつかってお酒を取り出しています。
これぞ本当の隠れ家バー。知らないとまず近寄らないですし、入りにくさはピカイチ。禁酒法時代のボストンですか、ここは(笑)
混んでいても、入っちゃえば大丈夫だよ、と入り口近くにいた常連さんに言われ、ほっと一安心。1席空いていたカウンター席に着席し、さぁ、飲む準備は整いました。
スタンダードカクテルはもちろん一通りオーダー可能。今回は、オンザロックであまり甘くないものを…など、ニュアンスを伝えて、アレンジしてもらうこともできます。オーストラリア産のフルーツを目の前で1分ほどかけて丁寧に搾ってつくるフルーツカクテルが人気です。
レモンをグレープフルーツに替えたオリジナルのシンガポールスリング。爽やかな味が、ハーバービューを楽しんだ後にぴったりです。
続いて、マンハッタン。海外のバーで飲むと、お店によってはボストンシェーカーで数人分を一度に作ってしまう光景をみかけます。ですが、ここは丁寧なステアで作る正統派。日本よりひとまわりは大きいカクテルグラスで作られるので、二杯も飲めばなかなかに良い気分です。
お隣の方はロンドンから長期出張でシドニーに来ている方だそう。「ロンドンのパブが恋しいけれど、ここを知ればシドニーも素晴らしく思うよ、毎晩のように通っているのさ」と話してくれました。
愛想の良いバーテンダーさん。そしてお客さんもしっかりしたビジネスマンが中心です。入るまでは度胸がいりますが、一度知ってしまうと、もう完全にお店のとりこに。扉の外と中の極端な場面の違いもお店の魅力でしょう。
ごちそうさま。
バーの雰囲気は、文章だけでは伝えきれません。ということで、今回は映像もありますので、もしよろしければご覧ください。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
The Baxter Inn
thebaxterinn.com
152-156 Clarence St, Sydney NSW 2000 オーストラリア
16:00~25:00(日定休)
予算A$45.00