金町「ブウちゃん」 昭和33年創業の老舗が移転再オープン。笑顔があふれるお店。

金町「ブウちゃん」 昭和33年創業の老舗が移転再オープン。笑顔があふれるお店。

1958年(昭和33年)創業のもつ焼き屋「ブウちゃん」。豚モツ専門だから「ブウちゃん」、すごく覚えやすいでしょ。葛飾区・金町を代表する酒場のひとつで、毎晩地元の方を中心に口開け直後から満員御礼の賑わいです。

家族3代で営む家庭的な雰囲気と、そこへ毎晩のように集まる常連さんたちが加わり、時代を超えたコミュニティが出来上がっています。

 

そんなブウちゃんは、2019年7月、移転リニューアルオープンをすることに。再開初日には、大勢の常連さんが店先に列をつくりました。

 

金町駅南口は再開発エリアの周辺に、まだまだ古くからの商店街が残っていて、人情たっぷりのいい店が多数。JR常磐線(各駅停車)沿線で最も千葉県寄りの街のため、城西・城南地域が生活圏の方は訪ねる機会は多くないとは思いますが、とても良い街なのでぜひ飲みに行ってみてください。

 

移転する前のブウちゃんは、京成金町駅舎を前にして右(西)に進みましたが、移転した店舗は直進し踏切を渡った「金町栄通り」側にあります。

 

以前の店舗同様に奥に長い造りで、これまた同様に切れ目のないベンチシートがカウンターに並行しています。座るときは、椅子をまたぐことになります。20人から、詰めれば30人、みんなで少しずつ詰めていけば、一人分のスペースはなんとか捻出できる、詰め合い譲り合う雰囲気もまた魅力です。

まずは瓶ビールでスタート。キリンクラシックラガー(CL中瓶)で乾杯!

樽生はアサヒスーパードライ(中生560円、小生420円)、瓶はアサヒスーパードライ、クラシックラガーのほか、一番搾りも置いています。

 

先代が屋台ではじめたのが「ブウちゃん」の始まりで、2代目、3代目が焼き場に立ちます。

 

フラメンコが趣味のチャキチャキな女将さんは、接客とお酒を担当されています。三代目やいつものお姉さんたちが補完して、混んでいても笑顔いっぱい、すぐ料理・お酒が出てくるブウちゃん劇場が出来上がっています。

 

安い、美味しい、楽しいの三拍子が揃ったブウちゃんは、移転しても変わりません。もつ焼きは1本単位から注文可能で100円均一です。

 

水・木限定、新店舗になってもかわらない、女将さん手作りのポテトサラダ。具だくさんで塩気控えめ、ブラックペッパーが味を引き締めています。

 

樽生のアサヒスーパードライも、移転前から移転後まで、状態抜群で美味しい生ビールを保ち続けています。

 

創業時から継ぎ足しているタレは、さらっとしていても旨味が濃厚。大きくてもフワフワで溶けるような食感のシロ、適度な弾力で噛むほどに肉汁あふれるカシラ、一人2本までのオオガリ(喉)。丁寧な下ごしらえでくさみなく、フレッシュでどれを食べても美味しいです。

 

とくに、ブウちゃんのシロはクセになります。濃厚な余韻が続くのですが、それと合わせるスペシャルな飲み物も、ブウちゃん人気のひとつ。

 

ブウちゃんの酎ハイ(340円)は、ぱっと見たところ、無色透明の氷なし。ですが、実はこれ、ムラサキ色の特製エキスがわずかに入っています。

グラスにエキスをいれ、そのあと炭酸強めのマルチディスペンサーから甲類焼酎入のドライな酎ハイを注いで出来上がり。 エキスのかわりに特製シークァーサーエキスを入れ、ギネスのグラスで提供されるシークァーサーハイも酎ハイと並ぶ人気の一杯です。

 

箸休めの小鉢メニュー(340円)は、三陸めかぶや静岡県産のワサビくき漬け、静岡名物の黒はんぺんなどこちらも個性があって楽しいです。

 

移転してもかわらぬ雰囲気、今日もカウンターは笑顔で溢れています。壁には「ブウちゃん写友会」というお店主催の写真倶楽部の写真展があるのも、昔から変わらない光景。

建物は変わっても、雰囲気はなにもかわらない。楽しいもつ焼き「ブウちゃん」で、たっぷり飲んで食べて、明日の活力をチャージしませんか。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

もつ焼きブウちゃん
03-3600-5895
東京都葛飾区金町5-35-5
16:30~23:00(日祝定休)
予算2,000円