※現在はお好み屋の提供はありません。
2017年8月、高円寺にオープンした千吉良屋。長年お好み焼きの立ち飲みを開きたいという夢を持っていたマスターがついに叶えた立ち飲み酒場です。たこ焼きの立ち飲みは大手たこ焼きチェーンが展開していますが、お好み焼きの立ち飲みというのはかなり珍しいです。
私が知る限り、鹿児島と明石で見かけたくらいで未開の領域ではないでしょうか。でも考えてみればソース&粉ものはビールや酎ハイと相性ぴったりですし、鉄板を使ったつまみはバリエーションも多い。ね、楽しみになってきたでしょう?
JR高円寺は高架下も駅の南北両側にも飲み屋が広がり、杉並4駅どの駅にも負けず劣らずのハシゴの街。特別快速が停車しないけれど、だからこそ懐かしい風景が赤提灯に照らされています。
高円寺駅南口から徒歩3分。大通りではなく飲み屋街の路地へと入るので最初はちょっぴり迷うかも。スマートフォンの位置情報が頼り。
10人も入ればいっぱいになる小箱の立ち飲み。厨房に向いた直線のカウンターにはお好み焼き屋のアイコンである鉄板がセットされています。お皿に盛って提供ではなく、ちゃんと鉄板なところが素敵。
乾杯はキリンビールで。一番搾りを500mlジョッキ410円と嬉しい価格で楽しめます。それでは乾杯!
メニューがこちら。ビールは樽生オンリー。チューハイ類は250円でベースはキリン系の三楽焼酎が基本でそれとは別にキンミヤ焼酎に変更することも可能。ホッピーセットは370円、博水社のハイスキーや天羽の梅など下町系も充実。
フード類はお好み焼きを先頭にバリエーション豊かな内容です。今後メニューに変動があるかも?とのことですが、鉄板を活かした料理に期待です。
看板料理であるお好み焼きのサイドを支える「鶏カレーもつ煮込み」は180円。くたっと煮込まれた鶏皮などにうずらがころん。コクがあってビールがぐんぐん進みます。
お好み焼きは一人でも食べやすいようにと1/4枚(180円)から頼めます。予め焼いてあるものをカットして供されますが、売れ行きに合わせて次々と追加で焼いていきますのでほぼ出来たて。
広島出身のマスター、お酒はやっぱり千福(広島県呉市・三宅本店)です。※取材時にあった特別メニュー
お好み焼きはそば入りの広島型。カウンターの鉄板はお客さんが食べるとき用。焼き上げは厨房の大きい鉄板で進めています。出来上がる頃に鉄板に火を入れてくれて、最後まで熱々で楽しめます。
食べ方も本格的。起し金で一口サイズにカットしてそのまま口へ運びます。一人でお好み焼きが食べたい時があるけれどなんとなく躊躇しちゃう。ここならばボリュームも価格も手軽に食べて飲んでができるのでハマりそう。
千吉良屋チューハイ(290円)は下町酒場の焼酎ハイボールのような存在。クエン酸ベースなのですがもう少し複雑。マスター行きつけの飲み屋で供される酎ハイのエキスを特別にわけてもらっているそうで、これがなかなかどうして、リピートが止まらなくなりそうな美味しさ。
姫タラ一夜干しなど、魚系の料理が豊富。お好み焼きをメインとして、あとはちびちびと小皿系で飲み進めるのが良さそうです。
キャッシュオンスタイルで予算内でたのしく飲めちゃう素敵なお好み焼き立ち飲み千吉良屋。メニュー構成からお気づきのように有名せんべろチェーンのスタイルが取り入れられています。
立ち飲み好きの皆さん、一度覗いてみては?マスターの人柄も素敵で、居心地のよさからきっとまた行きたくなるはず。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
立呑み 千吉良屋
東京都杉並区高円寺南4-25-2 曽根ビル1F
15:00~26:00頃(不定休・オープン時間は仕込みの事情により17時頃に変更になることあり)
予算1,600円