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平井は居酒屋天国です。とくに老舗の個人酒場は実力派揃い。南口の名物酒場といえば松ちゃんで、70席もある大箱にも関わらず口開けから1時間もすれば満席ということが毎日続いています。
そんな松ちゃんは、江戸川区の篠崎に支店を開いていてそちらも大盛況。さらに昨年(2016年)9月1日大安に三店舗目をオープン。平井駅から南に7分の住宅街にあり、知る人ぞ知るといった立地なのですが、すでに地元のご常連さんで早い時間から席が埋まり始めています。
松ちゃんからもほど近く、大箱でワイワイと飲みたいときは「松ちゃん」へ。ちょいと一人・二人で”ひっかけ”たいならば、こちら「ちょい松」といった使い分けが良さそうです。
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カウンターとテーブル、小上がりというつくりで20席。カウンターは常連さんの社交場になっていますが、常連風を吹かすことなく初めてのお客さんに対して心地よい配慮をもって迎えてくださる人たちです。
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お店の方も松ちゃんと掛け持ちしていて、忙しいときはヘルプを電話で呼ぶほどの関係。松ちゃんは130種類も料理のバリエーションがありますが、さすがにカウンター酒場の厨房ではそうもいかずと、おでん・もつ焼きを看板に松ちゃんの人気メニューを絞り込んで揃えています。
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ボリュームを控えめにして価格も安く設定しているちょい松は、一人飲みならばこっちがいいと話す常連さんのおっしゃる通り。
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ビールは松ちゃん同様にサッポロの生と瓶でビール3社。サワー類が350円ですが、ここは下町、やはり黄色に色がついた特製酎ハイ(230円)を飲むべき。ホッピー、デュワーズ、焼酎に日本酒など一通り。お酒はみんなの定番・日本盛はイイお酒。
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お通しは日替わり。この日は味付けよくちょいと濃い目でお酒が進む煮物。
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冷凍庫で冷やしたキンキンのジョッキがちょい松の基本。一杯目はやっぱりサッポロ生ビールをぐいっと飲みたい!乾杯。
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もつ焼きとおでんの店ですが、松ちゃんと共通仕入れなので刺身類も見逃すことが出来ない存在。350円でもボリュームはしっかりなのは、平井という土地柄。
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おでんは1品80円から。結構種類があるので悩んでしまいます。
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こちらはもつ焼き。人気酒場の姉妹店だけあって、仕入力による質や鮮度は申し分ない。一本100円から。
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自家製ポテトサラダ200円。酸味と旨味をしっかり聞かせており、ゆるい系ポテサラもいいなと思わせてくれる定番の一皿。ハムと玉ねぎの食感が心地よく、ビールもぐんぐんと進みます。
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松ちゃんは2本一皿で250円と、2本単位ですがちょい松は一本から注文可能。国技館つくねというネーミングでピンときた方は両国好き?
国技館の地下が直営の巨大な焼鳥工場になっていることはご存知でしょうか。東京場所の相撲観戦にはお馴染みの焼鳥ですが、ここちょい松でも定番の鶏団子を味わえるのです。下町名物をお試しあれ。
合わせるサッポロの赤星を。
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シロは小ぶりながら下処理が丁寧に施されていて、えぐ味のない脂とタレとカリカリの食感が楽しめます。ブータレは、その名から連想の通り、ブタバラをタレで焼いたもの。チャーシューのように柔らかくはないですが、肉らしさ全開でがぶりと頬張る男料理。それにしても、ここのタレの余韻は酎ハイとよく合います。
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手元のメニューの他に壁の短冊で、茶豆(200円)、自家製スパイシーコロッケ(200円)、ナポリタン(400円)などがありますが、レバニラ炒め(300円)はぜひともお試し頂きたい逸品です。
鮮度バツグンでぷりぷりのレバーを強火で一気に炒めたもので、これが大変美味。これを頼んでおけば、ビール大びんやホッピーのナカおかわりなんてすぐです。レバが苦手でなければ、ぜひとも。
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230円のお店オリジナルの特製酎ハイは、甲類に天羽飲料のエキスをたらした下町定番の「ボール」です。炭酸は瓶タンサンの”ニホンシトロン”…と言いたいところですが、ここはニットクの酎ハイサーバー。
口当たりと喉越しがよくつい飲みすぎてしまいそうなのですが、ちゃんと効くのでご用心。
お店の方も丁寧で、女性のお一人様も入れる雰囲気。今日は立ち飲みじゃなくて、カウンターに座って一寸一杯楽しみたいなというときにいかがでしょう。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
ちょい松
03-3683-4866
東京都江戸川区平井2-16-18
17:00~23:00(基本無休)
予算1,900円