学芸大学「ひとひら」 肴と酒と人を軸にして、毎日をちょっと豊かに

学芸大学「ひとひら」 肴と酒と人を軸にして、毎日をちょっと豊かに

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学芸大学は昨今、素敵な酒場が増え続けている注目のエリアです。もともと学生街だった商店街が、いい感じに東急沿線らしいオシャレ感を加えて独特な文化を漂わせています。

2016年の5月にオープンした大衆割烹「ひとひら」もそんな学大らしい酒場のひとつです。マスターを慕う常連さんも多く、オープン当初から今も変わらぬ賑わいの人気店です。

イケメンマスターの赤川さんが次々と作ってゆく光景を、カウンターから舞台を眺めるように楽しめるのが魅力的です。10席と奥にグループで使えるテーブルが3卓、天気が良いときは店先で立ち飲みのコーナーも登場します。

早い時間から賑わう同店、渋谷や中目黒、六本木で働くIT系やファッション関係の人が遅めの一杯に立ち寄り、閉店間際まで活気があります。

 

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ビールは今年誕生30年を迎えたキリンハートランド(420タンブラー)。泡と液の間に、ミストのような細かな泡の粒子がふわふわと漂っている状態抜群の生がでてきます。

 

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ビール、酎ハイ、ハイボール、そして日本酒や焼酎は地方の蔵元との太いお付き合いから仕入れてくるこだわりの季節ごとの銘柄が揃います。

 

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東横線の駅に近いにもかかわらず、一杯480円。学大らしい庶民的な設定です。それでは乾杯。

煮込みなどの温かいものを調理しているので店内はぽかぽかと湯気が漂い、そんな空間で飲む一杯の生ビールは最高に美味しい。

 

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日本酒のラインナップは日替わりで、席数のわりに20種類以上と豊富。酒場好きはもちろん、日本酒好きの人にも自信をもっておすすめできます。純米、吟醸、時期的にはひやおろしの山廃など製法は満遍なく揃えられていて、しかも地酒でも500円台からとリーズナブルです。

 

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お酒の顔ぶれに負けず劣らずのおつまみメニュー。漁港や農場に足を運び選んでくるものが多いと聞きます。もともとアパレルで働いていた赤川さんは、「心から愛せるものを売りたい、それは飲食だ。」という想いから20代後半でアパレルを辞め10年以上飲食で修行を積んで始めたという、並々ならぬ想いがつまった酒場です。料理やお酒からそんなパワーがぐいぐいと伝わってきます。

 

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400円台からのおつまみは、産地だったり作り手の思いなどが書かれています。なにより、食材そのものがみえる状態で並んでいるのでごまかしがききません。「それちょうだい!」って言うのが楽しい。

 

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牡蠣のいいのが入っているよ!と言われれば、焼くか生で行くか、はたまた揚げてもらうのか。そんな会話をしながら頼めるのが魅力です。島根や千葉の漁港から直送されてくる牡蠣が看板食材のひとつで、食べごたえは十分。千葉の旭は知る人ぞ知る岩牡蠣の産地です。

 

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気になる赤ちゃんハイのレシピはないしょ。ただのトマト割りではありません。「ナイス」と書かれているすだちサワーも生すだちをギュッと絞った青味と酸味が心地いい。日本酒はもちろんよいですが、サイドを固めている酎ハイもリピートしたくなるものが多い。

 

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目の前で次々、刺身、焼き魚、揚げものがつくられていく様子はまさにライブ感という言葉そのもの。普段飲みにいける価格帯のお店で、これだけ魅せられてしまうとご近所ならハマってしまうでしょう。

 

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ちゃきちゃきとした動きに無駄がない。接客も料理も内装も、過剰過ぎず、だからといってシンプルモダンでもない。「飲兵衛が心地いいのはこれくらい」というポイントを上手に作り出しているように思います。

中身のしっかりとした料理やお酒の数々とマスターの人柄で、きっと末永く続く酒場になることでしょう。お近くの方は早めに常連になっておくと良いかも?

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/キリンビールマーケティング株式会社)

 

ひとひら
03-6886-4316
東京都目黒区鷹番3-3-19 YK2ビル 1F
18:00~25:00(日祝定休15:00~23:00・不定休)
予算2,600円