皆さん、吉祥寺は好きですか?住みたい街ランキングの上位、神田川の起点で今も水が湧いている井の頭池とその公園、オシャレなアパレル店が軒を連ねる一方、老舗から新進気鋭まで、実力派の居酒屋やバルが多数並ぶこの町並みは、まさに吉祥寺スタイル。
文化的で、大衆的で、お洒落もある。私も大好きな街です。私の酒場巡りの原点となったお店もここ吉祥寺にあります。
駅前の飲食店街だけでなく、駅から離れた住宅街周辺や、井の頭公園周辺の細い路地裏にも飲食店があり、吉祥寺らしいキラリと光る個性で、感度の高い人たちや地元の食通が足繁く通うお店が多数あります。
そんな吉祥寺でいま、ぜひチェックしてほしいお店はこちら「2918」です。ニクジュウハチと読む、肉系のバル。私の大好きな居酒屋「汁べゑ」や「楽椿」、「東京コケコッコ本店」を運営する楽で修行された方が始めた、これから成長間違いなしのお店です。
井の頭公園にいく途中、途中を右に曲がってしばらくの場所にあるお店。飲食店街の中心から少し離れているので周囲は静かで、詳しくないとなかなか飲み歩きには来ない場所にあります。
カウンターとテーブル席の配置。つくりはとても居酒屋的です。
品書きはわかりやすい紙一枚。ビールもハイボールも酎ハイも300円とリーズナブル。グラスワインは650円均一、ボトルは2,500円均一ととてもわかりやすい。料理は700円前後が中心で大衆酒場よりも1段上の価格帯という印象。逆に、肉系のビストロやバルの相場よりも一回り大衆的なメニューながら価格が抑えられていて、ちょうどかゆいところに手が届いたような品書きに思えます。
十勝ハーブ牛の一頭買がこちらのポイント。日によって部位が変わるそうで、取材日は肩ロースとうちももの二種類から選べました。1g/9円と直感的に感じる安さ。
お肉や前菜を決めたら、料理が出るまでゆっくりビールを飲みましょうか。サッポロヱビスビールです。通常のタンブラーよりはひとまわり小ぶりではありますが、予算をあまり意識することなく一杯目をオーダーできるのが嬉しいです。
それでは乾杯!
まずはトマトやパクチーなどが入ったサラダから。お寿司につけるガリが個性派の食材たちをきれいにまとめていて、野菜ながらビールやハイボールを合わせて飲みたくなる味わい。バルなんだけどガリを入れるこのやり方、さすが”ニクイ”ね。
タパスの盛り合わせとハイボール。ハイボールの銘柄は嬉しいデュワーズです。独特なスモーキーさがあるデュワーズとオリーブの組み合わせが好き。
ポテトサラダが入っているのが、やっぱり酒場的。日本人なのだから、あんまり本質的なところまで西洋風にしなくていいじやん、わいわい楽しく飲もうよという気持ちがどの料理からも感じられます。3種盛りで800円を選びましたが、4種類載っていますね。
今日のお肉がこちらです。焼く前の状態から好きなブロックを選ぶというのはおもしろい。鯛やメバルなどが入った桶から好きな魚を選ぶというのは最近みかけますが、お肉を選ぶとは。え、えーと、どれにしよう。
部位はエージングの度合いが異なる部位から好きなものを選びます。これで何グラムかなぁ。
常時15種類程度のボトルワインが2,500円均一、これはグラスで飲むよりボトルでがんがん飲んでねということでしょう。(いつもたくさん飲める側に勝手に解釈していますが・笑)
ツーヴァインズ・リースリングは市販価格で1,600円ほどのワインなので、フードもリーズナブルだからワインもこんな値段で大丈夫かな、と心配になってしまいます。リースリングながら甘さはとても控えめ。洋なしなどの果実の香りがふわっと広がる素敵なワインです。
はい、お肉が出来上がりました。焼き方は尋ねられず、レア寄りな火の入り方ででてきます。これをざくざくと切り分けまはて…
そのお肉をペレット(高温の鉄)で好みの状態に焼き上げていただきます。私は軽くミディアムレアになるくらいに。
付け合せにほれんそうやマッシュドポテトなど追加オーダーで盛ることもできるので、いろいろな組み合わせでお肉を満喫したい。わさびと塩で食べる味のほか、パクチーを使ったオリジナルのソースもあり食べ比べが楽しい。
なにより、大きなお肉のかたまりは、お酒好き、食事好きならだれもが目で見て感じる幸せなのがいいですね。
特別選んでいるわけではないのですが、全般的にパクチーを使った料理も多いです。最後にワインやビールをゆっくり飲み進めるためにと、ステーキのあとにオーダーしました水餃子。一頭買のお肉をいろんな料理にアレンジしていて、これもそのひとつ。控えめな香辛料とパクチーの風味はお酒を邪魔することなく、飲んで食べて、また飲んでとエンドレスです。
せっかく色々あるのですからレモンサワーもいただきましょう。1/8カットのレモンの酸味で口の中はすっきり、さっぱり。
楽しく、美味しく、また来たくなるお店づくりは本当に素晴らしいです。吉祥寺でステーキを盛々と食べたくなったら、まず最初に2918は選択肢に入るお店です。居酒屋の気軽さでステーキを楽しむ、これは新たなジャンルで「ステーキ酒場」と勝手に名付けます。
わいわい楽しく若い感じなのだけれども、どこか昭和テイストで、大衆感たっぷりの2918は吉祥寺にできるべくしてできたお店と言えるのではないでしょうか。
また飲みに行きますね!ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/サッポロビール株式会社)
2918(ニクジュウハチ)
0422-29-8315
東京都武蔵野市吉祥寺南町1-9-6
16:00~23:00(無休)
予算3,700円