【閉業】赤羽「きらく」 街に根付いた老舗で桜鍋を心ゆくまで

【閉業】赤羽「きらく」 街に根付いた老舗で桜鍋を心ゆくまで

2015年10月1日

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赤羽駅北口からすぐ。鰻で有名な「まるます家」の持ち帰り店がある隣に桜さしと桜鍋、馬肉料理の老舗があります。7席ほどのカウンターと、ちょっとしたテーブルだけの小さなお店。ご夫婦できりもりされている暖かな雰囲気の酒場「きらく」を紹介いたします。

賑やかな赤羽駅前のバスターミナルに面していながら、ここだけは時間がとまっているような外観。櫻鍋とかれた藍色ののれんが更に渋くていい感じです。

 

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いらっしゃい、かばんはそこの棚においてこちらにどうぞ!カウンターに通していただき、まずはぐるり店内を見回しメニューを探します。ビールは瓶ビールのみ、あとは日本酒に二階堂、そしてチュウハイが数種類。必要最低限なのがまたいい。

瓶ビールを。銘柄はサッポロでお願いします。

 

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冷蔵ケースで優しく冷やされている瓶が「はいよ」と登場。トトトっとビヤタンに注ぎましてでは乾杯!

お通しには珍しい山形のさくらんぼを使った漬物が添えられています。甘いフルーツのイメージのさくらんぼが、まさか漬物になるなんて。これがまた美味しい。築地の場内から仕入れてきているのだそう。ビールとあわせて、大変よい感じ。

 

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こちらもお通しです、と登場。今が旬のタチウオ。酢で軽く〆られそれによって味が大変濃厚に。醤油は風味付けにちょいと付ける程度で食べれば、ビールからお酒に切り替えたくなってきます。

 

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続いて注文をしていた馬刺し(800円)。口に入れると噛むことなくとろけていくような食感。馬の上品な脂の旨味が口の奥をほどよく刺激します。生姜と大蒜が薬味で選べますが、ここは大蒜でがつんといただきましょう!

 

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こりゃたまらん。ということでビールから日本酒へチェンジ。定番酒は新潟・加茂の銘酒「萬寿鏡」です。新潟らしい辛口で余韻がすっきりしている日本酒ですが、これをお燗にしてきゅっと飲めば、馬肉の旨味と絶妙にマッチして口の中の余韻は幸せいっぱいになります。

 

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おまちどうさま、そろそろ鍋をだしますよ!とご主人。白菜や舞茸・えのきなどが山盛りになった鉄鍋の上に生食でつかっているのと同じ馬肉をこれでもかと載せて登場。最初は強火で、しんなりしてきたら出来上がりとのこと。馬肉は生でも食べられるのでしゃぶしゃぶで食べるのがオススメとのことです。味付けはとろみがかった甘辛タレですき焼きのよう。溶かした生卵をくぐらせて、さぁいただきます。

桜鍋って一年に数回しか食べないけれど、もっと食べたほうがイイね、だってこんなに美味しいのだから。すき焼きタレに溶け出す馬肉の脂が野菜にも染みこみ、すべてが完璧なおつまみへ。

 

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最後におつまみにどうぞ、とでてきたワタ入りのするイカ。築地の場内で長年ひいきにしているお店からいいものを仕入れているよ!とおっしゃるご主人。和食を続けて半世紀とのこと。さすがいい仕事をされていまね!

話題の人気店が多い赤羽ですが、こういうお店でしっぽり飲んで、特別安くはないけれど、この質でこれならば満足だ、なんて感じられればそれでいいんじゃないかな。渋いカウンターで桜鍋をつまみに新潟の辛口酒、お話し好きのご主人とのお話もあいまって時間はあっという間に過ぎていきます。

美味しかったです。ごちそうさま。

 

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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

きらく
03-3907-3672
東京都北区赤羽西1-40-3
17:30~00:00(日祝)
予算3,000円