上野アメ横といえば、テレビでもお馴染み東京を代表する観光地で、文化施設の多い北口側とセットでみんなに愛される上野の風景です。
人気の立ち飲み屋やお昼から賑わう居酒屋が立ち並ぶ山手線の東側とことなり、こちらは魚屋や菓子屋、香水店などが立ち並ぶ商売の通りです。
アメ横は新宿の思い出横丁や新橋の現新橋駅前ビル周辺と同様、街のスタートは闇市でした。上野駅や周辺の国鉄設備を空襲による火災から守るために空き地になっていたところが、戦後の混乱期に地方からの商品を売る人たちが集まってマーケットになったのが始まり。
だから今でも食品が安い、とくに歳末の正月の準備に買い物に来る人の様子はテレビでも必ず取り上げられていますね。
ただこの界隈、実は飲むところがほとんどありませんでした。とくに、魚介類はその場でまるまま販売する魚河岸的な雰囲気なのだから、ここで飲めるときっと楽しいのに。という経緯から、街の魚屋さんが始めたアメ横立ち飲みが今、大人気になっています。
「魚草」は、アメ横特有の呼びかけのなか、「一杯飲んでってー」と飲みを誘います。
店頭に書かれた「ここで食える」はド直球(笑)
このライブ感のなかで飲むお酒はやっぱり楽しいものです。
まずはサッポロ黒ラベルの小びん(350円)で乾杯!こういう場所でちょっとたち飲む小瓶ってお祭り感覚で楽しいです。
お酒はビール小びんのほかは10種類程度の日本酒がメイン。
ビールにも当然日本酒にもよく合う石巻産カレイのえんがわ醤油煮込み(300円)。とろとろに煮こまれていて口に入れると骨までとろけていきます。
おつまみは東北、とくに三陸の食材が多く、300円から500円とお手頃な価格で珍しい料理が多いです。モウカの星(サメのハツ刺身)はここの看板メニュー。残念ながら取材時は品切れでした。
明るい時間から賑わうお店は、その日仕入れる新鮮なものを扱っているので夕方になると売り切れていることも多いです。
生牡蠣、ホタテにウニなどまさに市場で食べるようなメニューが並び、千円一枚で組み合わせいろいろ選べるセットが人気メニュー。
タラバの足も毛ガニもあるのはさすがアメ横。界隈の魚系の居酒屋では絶対に出せない価格が魅力的。
かき汁は白子もウニも入っていることで、これは間違いなく日本酒とあわせればいい感じになる!
お酒は喜久泉や六花酒造のじょっぱりなど、やはり東北がメイン。季節感あるちょっと珍しい銘柄が一杯500円から楽しめます。
田酒につけたクリームチーズと塩辛。牡蠣や蟹に注目してしまいますが、こういう肴メニューも個性的でお店の雰囲気によくあっています。
店内に大きく掲げられた大漁旗は、まさに漁港で飲んでいる感じそのまま。産地にこだわった食材をアメ横で千円ちょっとで楽しむ、なかなかいいじゃないですか。
お店の方も親切で、観光客だけでなくて上野界隈を飲み歩く地元の飲兵衛もファンの多い魚草。春が近づき、そろそろ屋外で飲むのも楽しくなるころ。お花見の時期は混雑が予想されますので、そのまえに一度飲みに来てみては?
屋台で飲むのが好きな人にはたまらない、そんなお店です。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
魚草
03-3836-0839
東京都台東区上野6-10-7 アメ横プラザ
10:00~19:00(水定休)
予算1,500円