【閉業】渋谷「富士屋本店」 堂々たる風格、一周百尺カウンター

【閉業】渋谷「富士屋本店」 堂々たる風格、一周百尺カウンター

2015年1月30日
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Syupoをご覧になっている方は皆さまお酒と飲み屋が大好きな人でしょうから、渋谷の富士屋本店はとっくにご存知でしょ。

とくに東急線沿線の方にとっては会社帰りの”バッファ”として利用されている方も多いでしょうし、なにより渋谷で一番人気の立ち飲み屋さんであることは間違いありません。

「今日も頑張ったな―、このまままっすぐ帰宅するのもなんだし、軽く一杯飲んでいこうかな」、そんなときには間違いなく富士屋で正解ですから。

もしまだ行ったことがないよーという方、平日は渋谷で途中下車を♪

富士屋本店の入る建物は富士屋さんの自社ビルで、一階にはときどきここでも掲載している富士屋本店ワインバーが入っています。飲食店の富士屋のイメージがあまりにも強いので忘れられがちですが、富士屋は実は名のある酒屋さんなのです。富士屋からお酒を買っているよ、という料飲店さんは結構ありまして。

なので、酒屋の直営ということになる富士屋本店は広義で言う”角打ち”になるのかもしれませんね。

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地下に広がる巨大な空間、小学校の教室ほどある空間には、大きく厨房の周りのをぐるりと囲むカウンターがあり、その距離はなんと百尺。メートルに直すと30mほど。いろんな飲み屋さんで飲んでいますが、ここのカウンターがもしかしたら日本一の長さかも。

5時の開店とともに、まずは常連のおじさまが入ってきます。
お店の人と談笑しながら、軽くビールや日本酒の寒梅を飲んで次へと旅立っていきます。そのあいたスペースを埋めるように、次に入ってくるのは界隈のサラリーマン。最近はOLさんも増えてきました。会話の内容が聞こえてきますが、皆さん立派なお仕事されている様子。

そして、次に渋谷系のアーテイスト風な人の番。”ライブ”とか”個展”なんてキーワードが飛び交います。

最後、閉店前のお客さんは、渋谷に多いIT企業の人たち。開発系の人も、ビシっとスーツを着こなすイケメン営業マンも、業界用語を使いながら楽しく飲んでいます。

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そんな渋谷の縮図ともいえる富士屋本店は、ここにいるだけで実に楽しくなります。

ビールはサッポロ、大びんも樽生も黒ラベル(400円台)。まずは黒ラベルで乾杯ですね!

さて、おつまみはいくつか定番がありまして、まずはナス味噌炒め。
名古屋から出張で東京に来る知り合いも、ここの茄子味噌が大好きなようで、毎回嬉しそうに食べています。

カリカリと揚げられたナスに名古屋風の甘辛味噌をよくまぶしたもの。これとビールやホッピーの相性は素晴らしすぎる。

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早く出る系では、スパサラやハムキャ別もここの定番もの。とくにハムキャ別(ベツが”別”なのは店内の昔の品書きより)は他の居酒屋メニューにも”渋谷の人気者、ハムキャベツ”なんて書かれてインスパイアされるほどの人気。

冬場の湯豆腐もかかせません。固めの豆腐がすまし汁のようなお汁につかってでてきます。これが安くてとにかく美味。冬場の寒い中、渋谷駅から246号歩道橋を越えて「うー、凍っちゃう」なんて言いながら駆けつけて、最初に食べる湯豆腐の美味しさといったら!

あとはまぐろブツもなかなか優秀。もっちもちな赤身はお酒をますます美味しくさせます。

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キャッシュオンでテーブルに千円札を一枚おいて、食べたいものをあれこれ伝えてビールを飲む。飲み終えたらホッピーセットをもらって、宝焼酎とホッピーを半々の割合で飲み干す。二合近く入っている焼酎を飲み干すのだから、それはもう酔うわけで。それでも二千円でお釣りが来るのだから素敵。

ここが渋谷?なんて、驚く方も多いですが、
富士屋に慣れてしまうと、「こここそが渋谷」なんて思ってしまうのです。

女性一人は勇気がいるかもしれませんが、入っちゃえばなんとかなります!初めての人もぜひチャレンジを。知らないのはもったいない♪

富士屋本店
03-3461-2128
東京都渋谷区桜丘町2-3 富士商事ビル B1F
17:00~21:30(土~20:30・日祝第四土定休)
予算1,500円

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