【閉業】大井町「お魚sun」 午後3時オープン、東小路の小さな大衆割烹で大人酒

【閉業】大井町「お魚sun」 午後3時オープン、東小路の小さな大衆割烹で大人酒

2018年12月10日

JR大井町駅北口すぐの場所に昭和レトロな飲み屋横丁があります。駅から「東小路」「すずらん通り」「平和小路」と連なり、連日酒場好きを魅了しています。安くて人情たっぷりの立ち飲み、立ち食いずし、角打ちなど個性豊かな顔ぶれに、一日梯子酒をしていても飽きません。

そんな大井町で明るい時間から魚で飲むならば、おすすめの一軒があります。その名もズバリ「お魚sun(お魚サン)」です。2010年(平成22年)創業。真鶴で水揚げされる相模湾の幸を扱う大衆割烹で、魚好きを楽しませてくれます。

平成も終わるというのに、大井町のこの一角だけは昭和で時間が止まっています。お店は若い人が始めたものも増え入れ替わりはあるのですが、道路に染み込んだ闇市由来の年輪はかわりません。

ゼームス坂のほうへ歩いていくと見えてくる、ひときわ目立つ大漁旗が目印です。毎日、15時オープン。日曜はお休みのお店が多い小路において、貴重な立ち寄り処です。

闇市横丁ならではのコンパクトなお店。板場は大将(板さん)かお一人で切り盛りします。そんな厨房を囲むL字カウンターに数卓と、二階にテーブル席という配置です。おすすめは早い時間に大将とのんびり話しながらつまんで飲む時間。ピークタイムは満員御礼になることも多々ある人気店です。

ビールはサッポロ黒ラベル(中ジョッキ390円・税込)。きっちり洗浄された状態抜群の生ビールが提供されます。日本酒は鬼、末廣、水神、初孫、魚沼に栄川、一ノ蔵という素敵な銘柄揃いです。

大衆割烹の美味しい魚には美味しい日本酒がぴったり。

相模湾ということで、伊豆半島名物の金目鯛もありますね。お刺身は今日入荷の中から日替わりで、だいたい900円ほど。小鉢は400円台が中心です。定番は生のり酢(360円)と自家製鯖の押し寿司バッテラ(650円)。

お通しは旬のものが楽しめます。今日はいまが美味しい白子の焚きもの。サッポロ黒ラベルをいただいて、乾杯!

お一人様用の刺身盛り合わせ(1,200円)。金目鯛やスズキ、ワラサ、イサキなど今日の魚を少しずつ楽しませてくれます。お醤油はちょっと甘めのもので。

日本酒を誘う魚たちの誘惑で、会津のお酒・末廣(祝酒650円)をいただくことに。コクのある味わいと爽やかな香り、末広がりのお酒でお祝いです。

自家製豆腐味噌漬(360円)は、こういう濃い口のお酒にピッタリの肴です。大将は和食の修行経験を持つ方で、煮物、焼き物、そしてこういう小鉢まで一通り「いいね!」というものを並べてくれます。

お酒はあさ開の「水神」(650円)。そしておつまみは好物のイワシの梅煮(650円)を。まるまる肥った立派なイワシは、優しくとろっとした食感です。甘さ控えめ、イワシの旨味で食べさせる美味しい一品に、お酒が進みます。

酎ハイは290円からとリーズナブル。樽詰めサワーは、サッポロの氷彩サワーでレモン、グレープフルーツ、クエン酸、アセロラと味も選べますが、私はプレーンの味も好きです。

真鶴港の話をしながら飲んていると、次々お客さんが来店されて、数席のカウンターはあっという間に満席に。お酒類がリーズナブルで魚が美味しいとれば、それはもう人気になるわけです。

楽しい時間をありがとうございました。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

お魚sun
03-6320-9338
東京都品川区東大井5-5-7
15:00~22:30(日営業・年末年始お盆休)
予算2,400円