2023年9月、渋谷の人気大衆酒場『酒呑気 まるこ』が移転しました。新店舗は、渋谷サクラステージから徒歩3分ほどの住宅街の中。知る人ぞ知る立地ながら、すでに感度の高い渋谷の酒場好きで連日満員になっています。渋谷とは思えない手頃な値段で食べられる刺身が人気の理由です。
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代官山と渋谷の間にできた正統派酒場
道玄坂界隈で飲む酒場好きならば、誰もが一度訪ねたことがあるような人気店だった『酒呑気 まるこ』が移転しました。変化の激しい渋谷にあって、安定したイメージがある評判の酒場も数年で姿を変えていきます。
移転先は、渋谷ハチ公広場からは10分以上歩く渋谷駅と道玄坂駅の中間に位置する住宅街・鶯谷町の中です。アパートの一階を改装してオープン。店頭に大きな看板類はなく、ぱっと見たところ酒場には見えません。目立つのは赤いP箱(ビールケース)くらいです。
古材建具をつかったドアをあけると、教室一つ分くらいの中に、テーブル、コの字カウンター、厨房を配した典型的な大衆酒場の空間が広がっていました。ガラスの冷蔵ショーケースがあり、小鉢を確認しながら選べるスタイルは以前のまま。ドブ漬けした炭酸水などの割材を自分で取り出すのも、旧店舗から踏襲されています。新店舗には立ち飲みスペースがなく、以前より落ち着いた雰囲気です。
品書き
お酒
- サッポロ生ビール黒ラベル:605円
- 瓶ビール大瓶:770円
- 日本酒 大雪乃蔵:715円
- ハイボール デュワーズ・陸:各330円
- 大人のカルピッ酎:440円
- 山椒バリキング:440円
料理
- カツオ塩タタキ:750円
- ぶり・真鯛・めじな・水たこ・〆さば・へだい 青唐なめろう:各500円
- 酒場のサラダ:495円
- 今日のおばんざい:440円
- 今日の鯛出汁煮こごり:550円
- バクダン納豆:650円
- レバーペースト:500円
- 里芋ポテサラ:500円
- へしこバター:400円
楽しさを共有する賑やかな店内で、産直の魚に舌鼓を打つ
サッポロ生ビール黒ラベル(605円)
2015年にオープンした『酒呑気まるこ』は、現代的に再解釈した大衆酒場、いわゆるネオ酒場の先駆け的な存在です。ですが、料理や内装はSNS映えではなく、純粋に酒場として美味しく、心地よく過ごせることに注力している印象で、移転後もそれはかわりません。
そんな酒場だから、一杯目はやっぱり大定番の生ビールが飲みたくなります。サッポロ生ビール黒ラベルで乾杯!
カツオ塩タタキ(750円)
吉祥寺にはカツオ藁焼きを看板料理にした『じぃま』という酒場がありますが、『酒呑気まるこ』は同じコジマ笑店が運営する系列店です。ですので、『酒呑気まるこ』の名物料理もカツオのたたきです。経木の刺身メニューにも右端にかかれていますので、まずはこちらから。
にんにくスライスがついた、薬味たっぷりの高知流の食べ方で頂きます。
大人のカルピッ酎(440円)
酒粕シロップを使用し、まるで乳酸菌飲料のような味がする「大人のカルピッ酎」は、『酒呑気まるこ』のオリジナルカクテルです。柑橘類を浮かべドリンクニッポン炭酸で割って完成。甘酸っぱく、癒やされるような味です。
本気のチータラ(500円)
クレープ状にしたタラでチーズを巻き炭火で炙るという、文字通り”本気”になっているチータラは定番の一品。
ワイワイ飲みながらつまむのにぴったりな、酒場ならではの遊びです。
ホルモン焼(550円)
せっかく民芸コンロと炭火があるのですから、追加でなにか焼きましょう。ということでお願いしたのは、ホルモン焼きミックス。タン、ハツ、レバーの盛り合せです。
デュワーズコーヒー(385円)
コーヒー焼酎がじわじわ広まりつつありますが、こちらでは、スコッチウイスキーのデュワーズとコーヒーの組み合わせが楽しめます。相互作用でよりコク、薫りが深まっているようで、結構いい味です。
ごちそうさま
主な客層は20~30代です。酒場好きな若い世代が集まり、語り合いながら美味しいお酒と料理を楽しんでいます。木材を多用しぬくもりを感じさせつつも、ややソリッド。落ち着きあるかっこよさ、そんなイメージを受けました。駅からは少し歩きますが、訪ねる価値ある一軒です。
系列店
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/サッポロビール株式会社)
店名 | 酒呑気まるこ |
住所 | 東京都渋谷区鶯谷町4-1 1F |
営業時間 | 平 日 16:00~23:00 土日祝日13:00~23:00 年末年始休み |
オープン | 2023年9月30日 旧店舗は2015年オープン |