東武東上線の北坂戸駅前に、素敵なコの字カウンターの炉端焼き店があります。内陸に位置しながら、新鮮な魚介類を豊富に揃えられる理由。それは近くの鮮魚店と板長の信頼関係です。今回は、上質な刺身と炉端焼き料理が楽しめる『北の炉端や くろえもん』を訪ねました。
目次
郊外の私鉄駅前。教えてもらわないと気がつかない。
外観
「北坂戸駅前に塩見さんが好きそうな、立派なカウンターの居酒屋があります。魚が美味しいです。予約しないと入れないこともある人気店なんですよ」
そう話すのは、サッポロビールの川越エリアの飲食店営業担当さん。「魚が美味しいコの字」という言葉に誘われ、池袋から東武東上線を北西へ約43キロ・50分かけて、北坂戸へやってきました。駅前広場にもUR都市機構系マンションが建つ郊外のベッドタウン。繁華街・飲み屋街が存在しない、閑静な場所です。駅前から見える赤ちょうちんは皆無。
本当にあるのでしょうか。
「実は、こっちにあるんですよ」というサッポロさんの案内で北坂戸駅前ハイツの反対側へ。そこには、ハイツの一階とは思えないほど、落ち着いた雰囲気の居酒屋がありました。店名は『北の炉端や くろえもん』。あえて、駅前広場側に入り口はつけなかったとのこと。
内観
開店は2014年と、当サイトで紹介する居酒屋としては”まだ新しい店”ではあります。ですが、幅、厚みのある一枚板をしっかり使った堂々としたカウンターは、老舗が好きな私の好み。お店の人と軽く料理の話をしながら、落ち着いてお酒が飲める雰囲気が良いですね!
炉端焼きを謳っているだけあって、大きな炭火台を配置したつくりで、どの席からも調理の様子が楽しめます。
開店直後から一人飲みの常連さんがいらしたほか、掘りごたつのテーブルは18時を過ぎた頃から会社帰りのグループや家族連れで次々と埋まっていきます。
坂戸駅や川越駅ではなく、北坂戸で、しかも店の存在がわかりにくい同店にこれだけ人が集まってくる。その人気は理由が気になります。
品書き
お酒
- 樽生ビール サッポロ生ビール黒ラベル:小528円・中605円
- サッポロラガービール大瓶:858円
- サワー(濃いめのレモンサワー・トマトハイ・男梅サワーなど):528円
- コウバシ茶ハイ:495円
- こぼれスパークリングワイン(ポールスター):638円
- デュワーズハイボール:550円
- 白加賀でつくった梅酒:605円
- 国産ワイン グランポレール 泉:550円
- 日本酒 澤の花:748円
- 日本酒 九頭竜:715円
- 蓮田の地酒 新亀:1,045円
- 本格焼酎 からり芋・和ら麦:各550円
本日のオススメ
- 金目鯛刺し:1,280円
- スズキの昆布締め:1,000円
- 一本釣り サワラ炙刺し:1,280円
- 鹿児島 ブリヒラ刺し:1,000円
- 生牡蠣:600円
- 鮎の塩焼き:780円
- 牛もも焼き:1,280円
- 鴨わさ:700円
料理
- 塩モツ煮込み:748円
- 炭火焼しゃもじつくね:748円
- 鶏の唐揚げ:745円
- 明太ちくわ磯辺揚げ:715円
- ハムカツ:660円
板長の人柄が食材をより美味しくする
サッポロ生ビール黒ラベル(605円)
まずはビールから。冷えた清潔なジョッキに、回転がよいようで鮮度の良いビール、丁寧な注ぎ方でクリーミーな泡で蓋をする。状態がよい生ビールが嬉しいです。サッポロ生ビール黒ラベルで乾杯!
お通し(刺身)
お通しかなんとお刺身。かつおたたき、メヒカリなどとちょっとしたお寿司。
料理人一筋という板長ですが、もともと洋食で修行をされたそうで、大皿の盛り付けにもそうしたセンスが感じられます。
サッポロさんの紹介の通り、たしかに刺身が美味しい。北坂戸の鮮魚店に仕入れをお願いしているそうで、『くろえもん』ならこういう魚を使うかな?と、高級魚も持ってきてくれるのだそう。持ちつ持たれつ、信頼の関係だそうで、これが内陸部でも美味しい刺身を安定して提供するコツなのでしょう。
サワラ炙り刺し(1,280円)
好物のサワラがありましたので、お願いしました。皮目を炙ってキュッと引き締めたサワラは実に美味しそう。わさびと塩でいただきます。脂ののりがよく、濃厚な味です。
お通しや刺身は仕入れ次第で変わりますが、昆布締めや炙りのようなひと手間かけたものがあるのはとても嬉しいです。
デュワーズハイボール(550円)
炉端焼きが看板料理ですから、いくつか焼いてもらいましょうか。その前にハイボールを。炭火焼きとハイボールの相性は良いですから。
こぼれスパークリングワイン(638円)
サッポロさんは、枡にまでこぼしたなみなみのポールスター(ソーヴィニヨン・ブラン種のやや辛口)をチョイス。テンション上がる一杯でが、アルコール度数は9%あるのでほろ酔いになりますよね。
鶏の一夜干し(748円)
そうして飲んでいる間も、板長は炭火を巧みに操り、お願いした鶏の一夜干しをじっくりと炙ってくれています。
引き締まった身ですが、かたいわけではなく皮の内側はとってもジューシー。旨味が濃くて満足感大。ハイボールが進みます。
サッポロラガービール大瓶(858円)
そろそろビールに戻りましょうか。生ビールは黒ラベルで、瓶は嬉しいサッポロラガー(赤星)です。しかも大瓶とはわかっていらっしゃる!
炭火焼しゃもじつくね(748円)
名物料理のひとつである「しゃもじつくね」もいただきましょう。しゃもじにひき肉をぎゅっと巻き付けているのはわかるのですが、こぼれ落ちないのが不思議。
濃厚な甘タレと卵黄、ネギをのせて完成。どうですか、見るからに美味しそうでしょう。
焼鳥の甘タレと黄身の融合は、なんでこんなに食欲をかきたてるのでしょう。滲み出てくる旨味と混ざり、シンプルな味ながら思わず大きく頷きたくなる美味しさです。
ごちそうさま
広く調理風景をみせるいわゆる割烹スタイルの店は川越・東松山を含めても貴重だと思います。世田谷、中野、杉並にありそうな雰囲気というと伝わりますでしょうか。魚と炉端焼き、どちらも板長の腕の良さが感じられました。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ 取材協力/サッポロビール株式会社)
店名 | 北の炉端や くろえもん |
住所 | 埼玉県坂戸市薬師町1 北坂戸駅前ハイツ 105 |
営業時間 | 営業時間 17:00~24:00 日曜営業 定休日 月曜日 |
創業 | 2014年 |