おつかいに行った酒屋で地元のおじさんがお昼から飲んでいる、そう角打ちは遠い昔の記憶である。
日常角打ちと私は交差しないものである。
しいていえば、飲み屋ブロガーやテレビ番組が紹介している、向こう側の世界である。
皆さん、最初はそう思っていたでしょー?
だって、職場と自宅の往復では居酒屋こそ星の数あれど角打ちなんて滅多に見ないですから。
でもね、本当は皆さんの仕事場のすぐ近くにあるものなんですよ。ほらあんなとこ(神田・藤田酒店)やこんな(新宿・根本酒店)に。
そして、品川なら東洋水産本社の眼の前に、ほら。ここは大平屋酒店です。
コクヨ本社・フィリプス日本法人本社などそうそうたる顔ぶれに囲まれて、いまも最開発されることなく続く古株商店です。
営業は17時ごろから21時まで。お酒が大好きなサラリーマンたちが「軽く一杯」の気持ちで集まってきます。
瓶ビール(450円・各社あり)、缶ビール、発泡酒(淡麗やクリアアサヒ)、缶酎ハイ、日本酒はみんな大好き菊水の黄色い缶。
おつまみは歌舞伎揚げやかっぱえびせんのようなスナック菓子と、チータラに缶詰など。
女性グループは最初は入りにくいかもしれませんが、ちゃんと女将さんが面倒みてくれるから大丈夫。
こういう空間でいただく駄菓子はとてつもなく美味しくなるのだから不思議。柿ピーをぽりぽり食べながら、缶酎ハイを飲んでいれば、自然ととなりの常連グループとも仲良くなるもので、気付いたら「酒場仲間」ができていきます。これはどこの角打ちでも言えるのですが、一人で飲みに行くと同じようなピン飲みをしている人と絶対盛り上がります。
話題は地元のことやお酒のことなど、どうでもいいことなのですが、仕事でも普段の交友関係でもなく、純粋に「酒」で繋がっているのが実に清々しい。
またいつ会うかわからないけれど、大抵また「こんばんは、ご無沙汰しています」となるからおもしろいです。
ここで飲まなければ一生接点がなかっただろう業種の人と交流ができる、角打ちは飲み場なんだけど、本当は人生の止まり場なのではないでしょうか。
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/塩見なゆ)
大平屋酒店
03-3471-6876
東京都港区港南2-4-9
17:00~21:00(平日の営業を確認)
予算800円