チェーン系立ち食い寿司も参入する大衆寿司激戦区・新橋で、四半世紀を超えて親しまれてきた店があります。続いてきた理由は、コスパに厳しい新橋サラリーマンを納得させる、値段以上の本格的な味が楽しめるからです。
職人さんコンビの適度な距離感が心地良い

初めて和田鮨を訪れたのは、10年以上前のことです。当時から、すでに恰幅の良い常連客が集い、地域に根付いた”いい店”の雰囲気に包まれていたことを強く覚えています。
新橋の主な客層は、コンセプトやネオ系の店で賑やかに楽しむ層と、コスパを追求し、舌の肥えたベテラン層の二つに分かれます。後者は、官公庁、マスコミ、医療関係、誰もが知る港区の大手企業に勤める方が意外と多いです。出張や会食で外食経験が多い彼らは、安さだけでは満足せず、居心地と何よりも味を重視する傾向があります。
ここ、和田鮨は、そんな黒帯がこぞって選ぶ店です。

職人二名と給仕係の3名でまわようなコンパクトな店。店の雰囲気は初めて訪ねたときと大きく変わっていません。今風ではないのかもしれませんが、それがむしろ落ち着きます。

寿司屋のカウンターはおもしろい。対面接客ながら職人さんは会話の相手役になるわけではありませんよね。それでも、注文したり寿司を受け取ったりとラリーをやっていると交流をしている気分になります。この距離感が上手い職人さんに出会うと、寿司がより美味しく感じるのです。
イカなど安価な寿司種がちゃんと美味しい

ランチ営業は流石に少ないですが、夜はお客全員がお酒を飲んでいます。軽く引っ掛けていける寿司スタンドの雰囲気です。

マグロとイカをもらって、ちびりとつまむ。口に運ぶとマグロの上品な脂とともに米がほぐれていい気分。寿司種の厚みも嬉しいですね。

お好み握りは1貫単位で注文可能。どれも艶が良く新鮮です。

ゲソやコハダ、イワシといった安価な寿司種もモノがよい。こういう大衆寿司店の安価な種が美味しいと、また訪ねたいと思いますよね。

穴子はこのボリューム。

〆はコハダガリの細巻きで。40分ほどでしっかりと堪能し、物価高の今でも2,000円台という会計に驚きました。なるほど、常連客が多いのも納得です。久しぶりに訪ねて、その実力を改めて実感しました。
店舗詳細
メニュー
アサヒスーパードライ:590円
日本酒 浦霞・高清水・久保田など:530円~
ランチ:720円~
夜のにぎり:1,200円~
店名 | 立喰 和田鮨 |
住所 | 東京都港区新橋3-17-6 田川ビル 1F |
営業時間 | 平日 11:30 – 14:00 17:00 – 23:00 土 11:30 – 14:00 17:00 – 21:30 日曜祝日定休 |
予算 | 夜 2,500円 |