新橋の烏森神社へと続く参道の入口付近に茶色い掘っ立て小屋のような店舗があることをご存知でしょうか。
長期間お店を閉めていることもあり、お酒好きの人でも、気にせずに通過してしまうほど。ましてや普通の人には風景に溶け込んで存在すら気付いていないかも。
実はこのお店は「王将」というもつ焼きやさん。
ずっとここにあり、ここで上司と飲んでいた若者も今や会社役員なんてことも聞かれるお店です。
追い返されたことがある、なんて話を聞いたことがありますが、気にせずにまずは勇気を持って暖簾をくぐってみましょう!
ご主人お一人でされているお店で、今日も不器用な感じだけどどこか優しさを感じる笑顔で「奥はいんな」と。
「いつも連れてくる人が違うねー、会社の人?」
この日は飲み友達と2人でしたが、私だけでなく同行の人の顔まで覚えているようで、いやー、さすがです。
適当に焼いてください。
このお店はメニューというものがありません。ちょうどいいくらいを焼いてだしてくれます。カシラ、ハツなどの定番で、嫌いな部位があれば先に伝えておきましょう。
ねぎまになった焼きとんは、「野菜も食べなさい」という意味。
ビールは瓶しかなく、銘柄は黒ラベル。こういえ場所で飲むと、ますます美味しく感じます♪
「この前の火災大丈夫でした?お店の前が規制線になっていたようですけど。」
大丈夫、うちは烏森神社に守られているからね(笑)、と大将。
結構お客さんは多く、皆さん常連さん。今日は遅くなっちゃった、なんて言いながら、お客さん同士挨拶しています。こういう感じは、酒場ならではです。
二人分だけ椅子があり、あとは立ち飲みのお店。常連さんは立ちスペースになっている将棋の王将駒周辺がお気に入り。
ここにくると出世するなんていう噂もあるからさ、とお客さん。そりゃー、新橋で長くやっていればお客さんたちも出世するでしょう、なんて話題で盛り上がります。
今でも現役、氷で冷やす冷蔵庫には瓶ビールが出番を待って眠っています。
冷蔵庫って細かな振動があるじゃないですか、あれが微妙にだけれどビールの味を変えているようなきがするのね。本当に静かに寝かされているビールの味は格別なんですよ。
この王将さん、年に何回か長期休業に入ります。
この夏も8月いっぱいはお店を空けていませんでした。なので、この取材は7月の休業直前に伺った話です。
そろそろ暑い8月も終わり、外で飲むのが苦ではなくなりますし、また9月になったら顔を出したいと思います。私も出世伝説にあやからせてもらいに(笑)
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/なゆ)
王将
電話なし
東京都港区新橋2-15
平日17:00~21:00くらい(土日祝定休・閉店時刻は大将の気分次第)
予算1,500円
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