大人の遊園地、昼酒の聖地、飲兵衛の楽園、そんな別名が付くほど個性的な飲食店が多い立石。
ターミナル駅でもないのに、なぜこんなに酒場が?と驚いてしまいますが、このあたりは町工場密集地帯。
働いた後、ちょいと飲みに行こうという人たちが多かったんでしょうね。今も、職人さんたちの姿を見かけますが、飲み方がかっこいいんです。背筋を伸ばして、カッと飲んでいる姿は惚れ惚れします。
そんな立石で、最近話題の酒場があります。
その名は、四つ木製麺所。ここは立石なのに四つ木?と思いましたが、聞けば四ツ木から移転してきたのだそう。昔はテイクアウトだけだったそうですが、いまは飲食スペースを設け、店内で食べていけるようになっています。
ここまでは、うどん屋さんのお話。私は、うどんライターではなく、お酒の人。うどんの話だけでは終わりません。
13時頃、お昼ごはんを兼ねてやってきました。駅からのんびり歩いて10分ほどかかる立地ですが、酔いざましにはちょうどいい距離かな。
道が複雑なため、初めての方は地図のご用意を。
いらっしゃいませー。どうぞー。
笑顔にお店の女性が案内してくれました。
えーっと、ランチメニューにはお酒がありませんが、ダメ元で、「瓶ビールをいただけますか?」
出てきたのは赤星。ほら、だんだん普通のうどん屋さんじゃないことに気づいてきませんか。
乾杯!
せっかくの製麺所ですから、うどんを。
ぶっかけ(330円)をはじめとした普通の麺のほか、ほうれん草をねりこんだ”ポパイ”なんていう麺もあり。トッピングの天ぷらは100円台で、ワンコインでお腹いっぱい食べられるお店です。
プラスアルファでミニ盛りの丼ぶり(300円台)があり、海鮮モノが色々と揃っています。
うどんは腰がありもっちり、汁の色を見ると東京味ではなく讃岐のもの。なるほど、そういえば、お店の作りも本場讃岐のうどん屋さんに見えてきます。製麺スペースの手前にちょっとしたイートインスペースがあるのは讃岐の定番ですもんね。
なめろうというよりは、アジの漬けという感じですが、この味付けが後を引く美味。鯵ももっちりしていていいものだと思います。
夜はお刺身を出すんですよ、と話してくださるご主人。
そう、このお店は夜は居酒屋さんになるんです。ジャンルを強引につけるとしたら「うどん居酒屋」かな。
お刺身は鮪、ヒラメ、鯛、カンパチなどの東京でよく食べられる定番魚が日替わりで入っているんだって。
お酒の種類もしっかりで、焼酎はキンミヤを入れています。
定番のホッピーの他に、酎ハイもしっかり。
天羽の梅エキスをおいているそうで、焼酎ハイボール(300円)やレモンサワー(ホッピービバレッジ社)なんかも楽しめます。
そして、日本酒はなんと伏見の銘酒「櫻正宗」です。
まだオープンして間もないので、固定客は少ないのかなーと思っていたら、家族連れや女性グループなど、飲兵衛以外の人も結構食べに来ていて賑やかでした。
近くには飲み屋街があるわけですし、きっと夜は飲兵衛の社交場となっていることでしょう。カウンターで一人飲むもよし、テーブルで4人くらいで盛り上がるも良し。
四つ木の新名所といっても過言でははない四つ木製麺所。”もつ焼き”だけではない立石の魅力をぜひ体験してみてください。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見なゆ)
店名 | 四ツ木製麺所 |
住所 | 東京都葛飾区東立石2-11-7 |
住所 | 営業時間 [水〜金] 11:30〜14:30 17:30〜20:15(L.O) [土・日・祝] 11:00〜19:15(L.O) 日曜営業 定休日 月火曜日(祝日の際は営業し、水曜日がお休み) |
創業 | 2014年 |