新橋・汐留。
昭和の終わり、ここは国鉄の貨物駅の跡地が残っていました。
全国各地からあらゆるものがここに集まり、鮮魚を積んだ貨物列車はそのまま引き込み線を通り、汐留の先にある築地市場まで直接運ばれていたとか。
国鉄が民営化され、ここは国鉄の膨大な借金を返済するために売却され、いまの汐留シオサイトが誕生しました。
まだここが更地だった頃を知っていますが、その頃、労働者の街だったときからつづく立ち飲み屋さん「こひなた」が駅前ビル2号館で今も営業しています。
今は、汐留にやってきた日本テレビや全日空、資生堂に電通といったナショナルブランドや、その関連に務める人たちの息抜き場所として、その役割を変えつつもつづく酒場です。
料理は200円均一。
大皿料理のある酒場のような感じで、カウンターにずらりとその日のオリジナル料理が並びます。
揚げ物、サラダ、焼き魚などのスーパーのお惣菜売り場を見ているよう。どれを摘もうかな、そうして眺めながら、最初の一杯は酎ハイ。
立ち飲み屋でも平均単価の高い新橋において、240円という設定は貴重です。380ml入るアサヒの酎ハイグラスでやってきます。
度数はほどほど、炭酸はしっかり。
なにがどう特別かじゃなくて、この雰囲気でこれを飲むのが楽しい。
お代は先払い。専用のお皿に千円札一枚載せて、今日の予算はこれとします。
蒸しどりサラダをおつまみに。ボリュームはさほどありませんが、ちょっとつまむのに十分。
一品・一杯でお店を後にしても全然大丈夫なので、ここの使い道は、飲み会前の”練習”だったり、二軒目の梯子先に悩んだときに、一時休憩所として使ったり。とにかく、あまり食べなくて、あまり飲まなくてもOKというラフな感じがいいです。
名物は、近くに築地の市場があることからマグロがお店のウリ。
また、なぜか昔からずっと馬刺しを取り扱っていて、立ち飲みでタテガミをつまむというなんとも不思議な感覚を味わえることも飲兵衛仲間では有名です。
そして、働く人の人気メニューは、注文を受けてから作ってくれる「オムソバ」。これでも200円ですから、ボリューム単価で考えれば新橋でもトップクラス。
市販の焼きそばを卵で巻いてくれるだけなのですが、この素朴な感じは小さな立ち飲み屋にぴったり。
これを二人で、両側からつつきながら、今日の仕事の反省をするも良し。
ケチャップのアクセントがたまりません。
あ、酎ハイおかわりね!
焼酎はしっかり入っていますので、街の一般的な居酒屋感覚で飲めば普通の人は3杯が限界。でも、立ち飲み屋って長居する場所ではないですし、さくっと飲んで次を目指すのがベター。
縄のれんの向こう側には、こんな素敵な空間が待っています。
お昼11時からやっていますので、お昼から飲めるお店の少ない新橋では貴重な一軒。
なぜかスーツ姿の人が早い時間から飲んでいますが、きっと夜勤明けの人だよね♪
昼ホッピー、昼酎ハイ、なんとも魅力的な響き。
今宵は、駅前ビルで一杯、いかがでしょう♪
ごちそうさま。
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(取材・文・撮影/なゆ)
立ち呑 こひなた
東京都港区新橋2-21-1 新橋駅前ビル2号館 B1F
11:00~22:00(日祝定休)
予算1,000円