北千住『たかみや』独立開業から7年目。駅から離れた知る人ぞ知る酒場

北千住『たかみや』独立開業から7年目。駅から離れた知る人ぞ知る酒場

2022年6月13日

千住二丁目バス停の目の前で、美味しい香りを漂わせている『もつ焼き たかみや』を訪ねます。大将を中心とした小さな個人店で、駅から離れていることもあって常連さん率が高く落ち着いた雰囲気です。特製のニンニク醤油に漬け込んだ特カシラなどが人気。一人・二人で静かに飲むには最適な一軒です。

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日光街道を越えた先にある、飲み慣れた人のための店

足立区最大のターミナル・北千住駅の周辺には、0.5キロメートル圏内に居酒屋だけでも200軒以上が営業しています。「のんべえの街」といっても過言ではないほど酒場が豊富で、大箱の老舗酒場から、立ち飲み、もつ焼き、煮込み、ネオ居酒屋まで、ありとあらゆるジャンルの人気店が存在します。

メディアで紹介される名店だけでなく、街を歩けばいたるところに”良さそう”な雰囲気を漂わす店々があることに気がつきます。

それは、日光街道(国道4号)を越えたさらに西側にまで広がっています。大勢の利用客で賑わう店が集まる駅前と違い、駅から10分程歩いた日光街道以西の千住寿町・千住中居町は、飲み慣れた人たちのエリア。近隣に暮らす人々がサンダルで飲みに行くような酒場が点在しています。

外観

今回ご紹介する『たかみや』も、そうした飲み慣れた人のための店です。

店構えから誘われる雰囲気。香ばしいもつ焼きの香りが漂っています。開業は2015年とそれほど歴史はありませんが、大将は有名店から独立された方で、料理はもちろん店舗運営も信頼できるクオリティです。

店内はテーブルが数卓にカウンター席という構造。大将がもつ焼きをはじめ料理全般を担当し、お手伝いの店員さんがサポートしていました。

店内を見渡してみると、先客の会社員風の人も、若い夫婦も、皆さんキープしている一升瓶のキンミヤ焼酎ボトルを並べており、日々通う人々とともに店があることがわかります。

品書き

お酒

樽生ビールサッポロ黒ラベル):530円、瓶ビール中瓶(キリン・サッポロ):530円。割材類はホッピー(ホッピー・黒ホッピー):430円、レモンハイ:380円、青りんごサワー:380円、バイスサワー:380円、チューハイ:380円など。

おすすめ・日替わりメニュー

煮込み鍋:450円、ポテトサラダ:380円、つくねピーマン:300円、ゆでシロ2本:260円、レンコン挟み揚げ:350円など。

定番メニュー

もつ焼き・焼きとり

タンハツカシラレバーシロ:各220円。特シロ(シロのニンニク醤油漬込み):300円、とりねぎつくね砂肝とり皮:各220円。

一品料理

馬刺:600円、ガツ刺:380円、厚揚げ:330円、ラビオリ:500円、カレーコロッケ:220円。

味と雰囲気と値段、すべてが丁度いい

サッポロ生ビール黒ラベル(530円)

ボトルを入れている方はホッピー率が高いですが、ビールサーバーがピカピカでしたので、ここは期待して生ビールをオーダー。でてきたビールをみて、思わずうっとり。クリーミーな泡が蓋をした極上の一杯です。それでは乾杯!

煮込み鍋(450円)

皆さんが注文している「煮込み鍋」は人気の一品。白い土鍋に入り熱々です。丁寧に下ごしらえして薄くなったモツはクサミがなく、液面にはほとんど脂が浮いていません。味噌の味付けもあいまって旨味は相当なものです。

もつ焼き(220円)

もつ焼きは2本単位で、1本110円といまどきリーズナブルです。人気は「特」とついたメニューで、特シロと特カシラが存在します。

おもしろいのは特カシラで、カシラ(こめかみ)だけでなくハラミ(横隔膜)も一緒にニンニク醤油に漬け込んだもので、これをミックスしています。いわゆる「スタミナ串」ですね。

青りんごサワー(380円)

ホッピーを置くお店ではあるものの、サワーはホッピービバレッジのそれではなく、中野区の割材メーカー「トーイン」こと東京飲料の割材をつかっていることも、マニア視点的にはおもしろいです。トーインの青リンゴはあまり飲む機会がないので貴重です。

ナカの焼酎がしっかり多めなのもポイントですね。

外観的にはやや敷居を感じるかもしれませんが、一度でも利用すれば、リピートしたくなる「ちょうど良さ」がここにはあります。尖った店が注目されがちですが、通いたくなるかどうかは、バランスの良さが大事ではないでしょうか。

ごちそうさま。

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

店名もつ焼き たかみや
住所東京都足立区千住中居町19-10 雲野第2ビル 1F
営業時間17:00~23:00(月定休)
開業年2015年