大師前「伊勢末商店 赤ちょうちん」 ココロほぐれる老舗のカウンター。

大師前「伊勢末商店 赤ちょうちん」 ココロほぐれる老舗のカウンター。

江戸時代の頃より厄除けの祈願寺として知られる西新井大師。いまも多くの参拝者で賑わう西新井のランドマーク的な存在です。昭和初期に東武鉄道が西新井大師の参道前に駅を設け、それ以来門前町はより発展しますが、その頃からの風情をいまに伝える老舗の酒販店がいまも営業中です。

伊勢末商店は、一度見たら忘れられない激渋な佇まい。併設された角打ちコーナー「赤ちょうちん」では、お昼から19時ころまでのんびりお酒を飲みながら雑談を楽しむことができます。早い時間から地元の常連さんで賑わいますが、一見さんもウェルカムな雰囲気なので、老舗の酒販店好きの方はぜひ、厄除け祈願のあとに覗いてみてください。

 

最寄り駅は東武鉄道大師線の大師前駅。東武伊勢崎線の西新井駅から1駅、わずか1キロしかない路線を一昔前の電車が行ったり来たりしています。かつては浅草から直通があったそうですが、こんなローカルな雰囲気もお散歩気分を盛り上げてくれます。

 

平成に入り高架化された駅は、無人駅ながら広々。初詣の際は人であふれるのでしょう。

 

伊勢末商店は駅から歩くこと3分。お散歩というにはあまりにも近すぎるので、一旦通り過ぎてお大師さまに参拝を。お寺の説明をみると、その昔、お堂の西にある枯井戸に弘法大師が祈り続けたことで水が湧き、人々を救ったのだそう。西新井の「西」は、そこから来ていたのね、と、お勉強をしたあとは、私もお水を楽しもうと思います。

 

一度みたら忘れられないこの渋さ。いぶし銀をこえて、神様が宿っていそうな雰囲気です。創業から70年以上、看板建築に時代を感じます。

 

左が酒販コーナー、右の赤ちょうちんと書いてある側が居酒屋コーナー。女将さんがお一人で切り盛りされています。入り口すぐ、テレビのそばが常連さんに人気のシートです。

 

シートは、清酒通函を裏返し、座布団をしいた簡易的なもの。でも、この椅子は洒落たレストランにも負けない居心地の良さがあるんです。一度座ったらあら不思議、お酒をおかわりしつつ、ずっと座っていたくなるのです。

 

ベンチシートなので奥に入るためには先客の皆さんのご協力が不可欠。ごめんなさい、と申し訳なく挨拶し入れてもらうと、その後の会話のキッカケにもなるのがよいですね。まずは瓶ビールと、6Pチーズをもらって、では乾杯!

 

サッポロラガーのほか、アサヒスーパードライも置いてあります。

 

お酒、料理のメニューは基本これだけ。ビール(600円)、ホッピー(500円)、酎ハイ・チューハイ類は400円。場所柄、ご利益を期待しちゃう樽酒は白雪です。おつまみはおでん、餃子、湯豆腐、つけもの、肉豆腐など。親戚のお家に遊びにいったかのような雰囲気で、カウンター上にあるメニューにない料理をちょこちょこと頂けたりもします。

 

差し込む日光に照らされた酎ハイ。素敵でしょ!

 

お漬物をもらって、常連さんとお相撲話など。こった肩がほぐれて脳がぼんやりしていくこの感じ。体がじんわり温まってゆっくり左右に揺れるような、そんな気分。あぁ、幸せ。

 

若い人も多いのよ、と女将さん。地元のご隠居さんも、酒場好きの若い人も、女将さんのほんわかムードに包まれてみんなほっこりいい気分。

人と人の会話こそ、なによりのおつまみ。家庭的な雰囲気の店で心ほぐして飲みませんか。

ごちそうさま。

 

(取材・文・撮影/塩見 なゆ)

 

伊勢末商店 (赤ちょうちん)
東京都足立区西新井1-5-4
12:00~19:00(基本無休)
予算1,000円