焼鳥と足立市場から入る刺身が看板料理の大箱総合居酒屋「じんざえ門」。チェーン店のような使い勝手のよさと、地域密着のいぶし銀酒場の魅力を兼ね備えた、知っていたら便利な居酒屋です。
足立区を代表する歓楽街・北千住。日光街道の宿場町が発展し形成されたこの街は、その長い歴史から新旧様々、個性豊かな飲み屋が揃っています。
老舗酒場やチェーン店など、居酒屋の数は常磐線東京口で上野に次いで多いです。ただ、日中からやっている個人店や老舗居酒屋はそれほど多くはありません。
早くから飲みたい、数人で気軽に入れる大箱の店を探している…なんていうシチュエーションに応えてくれる「じんざえ門」は貴重な存在です。
昼酒・いぶし銀、かつ大箱
営業時間は午後2時からと、他店よりもひと足早く暖簾がかかります。
店は広く、昭和の「ザ・大衆居酒屋」といったムードです。日中から店内はほどよく落ち着いた明るさで、時間の感覚を忘れさせてくれます。
テーブル席を中心になんと約60席もあります。ファミリーレストラン感覚で使えるようなボックス席も完備し、早い時間は買い物帰りのマダムたちがビール片手に一休みなんて光景がみられます。
一人飲みならば、ニの字型のカウンター席に通されます。壁側の列へは、一旦厨房のようなスペースを通り抜けていくという不思議な構造をしています。
ニの字の端面にテレビがかかっており、早い時間のお一人様はみんなワイドショーなどをのんびり眺めて一献やっています。
大瓶が安い、ハッピーアワーは生も
仕事終わりの夜はもちろん、明るい時間からでもビールは格別です。気軽に飲める瓶ビール(アサヒスーパードライ)をもらって、それでは乾杯!
大瓶で550円はいまの時代では良心的な価格設定です。
お通しは日替わり。この日はナスの煮浸しでした。
平日は早い時間がお得で、18時までは樽生アサヒスーパードライの中ジョッキが280円(通常は390円)。サワー類は190円(通常は370円)と大変リーズナブルです。
日本酒は定番酒が松戸のお酒、オエノン(福徳長酒類)の富久娘(300ml・580円)、加賀鳶などの特定名称酒も比較的手頃です。
使い勝手がよいじんざえ門。料理の種類の多さも、その特長のひとつです。定番のメニューに加え、店内に所狭しと短冊で料理が加わり、あわせて100種類近く存在します。
ほぼ全員が頼むサービスメニューのおまかせ刺身のっけ盛り(580円)を筆頭に、魚介あり、鳥刺しあり、焼鳥に中華と、まさに総合居酒屋という内容です。
焼鳥は1本150円から、揚げ物は創作料理・タルタルちくわ(450円)を頼む人が多いです。創業時から続くという名物はもやし鉄板焼(490円)は、野菜不足解消にもってこいの一品、これは必ず頼みます。
インパクト絶大、足立市場刺盛り
おまかせ海鮮のっけ盛。これで580円は良心的です。
お店から徒歩10分ほどの場所には、都内で唯一の魚介類専門の中央卸売市場「東京都足立市場」があり、午前中に仕入れた魚を、午後2時にはこうしてお客さんに提供してくれます。
いなだ、サーモン、たこ、さば、かつおの5点盛り。厚切りのカツオなど、食べごたえある盛り付けです。
しめ鯖の塩梅が絶妙で、脂がのったサバのコクとちょうどいいバランスになっています。
それにあわせるお酒は、ニッカウイスキーのブラックニッカハイボール(400円)。普段から美味しいですよね、ニッカ。
鉄板もやしはボリューム満点
そんなニッカハイボールと一緒に運ばれてきた「もやし鉄板焼」(490円)。
実はカウンターの一人飲みなど少人数ならばハーフも頼めるのです。それでも、やはり頼んでおきたいこのボリューム、インパクト!
厚切りのハムやニラ、ニンジンなどを旨味のある味付けで片栗粉でかために作り上げているのも魅力のひとつ。シャキシャキの食感を楽しみます。
こちらは酎ハイ(350円)。氷は控えめ、グラスはしっかり入るストレートタイプです。
やきとりは炭火焼き。大箱で早い時間からやっているというと無煙式を思いますが、昔ながらの炭火方式を貫いています。
自家製でお店で固めているつくねとねぎま。甘めのタレを味わって、そろそろお会計をしましょうか。
2,000円ちょっとのお会計になるとは思えない、楽しい時間を過ごし、北千住の楽しい昼酒となりました。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
店名 | じんざえ門 |
住所 | 東京都足立区千住2-62 |
営業時間 | 営業時間 14:00~23:30 日曜営業 定休日 無休 |
開業年 | 1988年 |