上野駅からJR常磐線で30分。首都圏のベッドタウンとして、千葉県で5番目の人口規模を誇る都市「柏」。
ターミナル駅として大きく成長した柏駅は、日本初のペデストリアンデッキが建設され、駅前には複数の大型商業施設が誕生しました。そして、駅を囲むように広がる繁華街も規模は大きく、柏駅を中心に約900軒の飲食店が軒を連ねています。
そんな柏で、古くから続く酒場といえば「太平楽」。カウンターを主体とし、ご夫婦で切り盛りする小さなお店ですが、連日多くの常連さんで賑わいます。
ご夫婦で切り盛りする酒場、常連さんでいっぱい
JR柏駅に併設した柏マルイを正面に抜けず、南の小さな出口を通ると目の前にあります。人通りが多い場所とは言えず、駅近くにありながら、知る人ぞ知るという雰囲気です。
入ってすぐにフライヤーと焼鳥台があり、ご主人は常に大量の注文に応えるべく、熱心に調理をされています。人気店ゆえお土産の注文も多く、人気の唐揚げが次々と油から引き上げられています。
ビールは瓶のみ。キリンラガービールの大瓶をもらって、それでは乾杯。
メニューはシンプルで、やきとり、つくね、しいたけ、合鴨、お新香、ポテトサラダ、そして唐揚げ。焼き物、揚げ物ができるまでのおつまみに、オススメはポテトサラダです。
シンプルにじゃがいもだけで作られ、まるでマッシュポテトのよう。モソモソとねっとりの絶妙な境界にあるような食感で、チーズのような風味がビールとあいます。
名物の唐揚げは竜田揚げ風
名物の唐あげ。朝じめで鮮度抜群。むね、骨付きもも、手羽など、鶏の半身が一通り5ピースで揃っています。一人では満腹になってしまうボリュームではありますが、これが美味しくて手が止まりません。
鶏の旨味をそっと引き立てる薄い下味がつけられています。衣に味がしっかりついた唐揚げが主流の現在では珍しい味ではないでしょうか。
片栗粉をきかせたバリっとした歯ごたえがたまりません。
そして、なにより味の決めては、取皿に冷えられた特製の塩です。大きな塩の結晶と七味が混ざった秘伝の調味料で、この塩だけでもめちゃくちゃ美味しいです。
唐揚げをの味を引き締め、ぐんと個性を引き立てています。
鶏と焼酎で小一時間
唐揚げの旨味と余韻の脂をそっと流してくれる本格焼酎(呑酔楽など・約500円)。
唐揚げは残したら持ち帰りも可能ですが、美味しくて結構ぺろりと完食してしまうかも。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)