せっかく大阪に来たのだから、新幹線の乗車前にさくっと大阪らしい酒場に立ち寄りたい……そう思ったことはありませんか。
新大阪駅から徒歩7分ほど、地下鉄東三国駅にも近い「依成(よりみち)」という酒場が素晴らしいので、ご紹介したいと思います。新大阪で1時間少々の時間があれば、さくっと飲んでこれる距離、京橋やミナミにもありそうな雰囲気の典型的な大阪の飲み屋さんという佇まいです。
大阪駅ならば大阪駅前ビルの地下街など、それぞれお気に入りのエリアやお店があるかと思いますが、新大阪は乗り換えるばかりで駅の外に出ることは多くないですよね。
駅から新御堂筋を北に500メートルほど歩いて、依成を目指します。
厨房を囲むように大きくコの字を配置したカウンターだけの店内。店内に壁や柱がないので、カウンターだけの店舗ながら意外なほど開放感があります。
カウンターに集う人々は、近所の会社員が中心。宴の盛り上がりが連日繰り返さられている主要な飲食店街とは違い、のんびりとした時間が流れています。
とはいえ人気店。早い時間からカウンターには常連さんが次々とやってきます。まずは瓶ビール、そしてぽくぽくと湯気をたてるおでん鍋から、3品ほど適当にお願いして、それでは乾杯!
さすが大阪価格。瓶ビールはダイビンで480円。瓶はキリンラガーで樽生はキリン一番搾り(中430円)。定番酒は菊正宗(350円)。チューハイは300円均一です。
看板料理は1個60円からのおでんと、どて焼き(300円)。焼鳥は1本80円と、どれも嬉しい値段です。
それに加え、日替わりが充実しています。ご主人がいい魚はいっているよ!と常連さんに説明し、お客さんもそれを楽しみにしている様子。シマアジ、本マグロ、明石ダコなど。ステーキや煮魚、焼き物など、スペシャルが豊富です。
大阪らしい薄口醤油でほんのり甘いおでん。焼売ぐしなどをつまんで、大瓶はあっという間に空になります。
続いて酎ハイを。キリンの樽詰めサワーベースのレモンハイ(300円)。
湯豆腐(250円)も、大阪らしいとろろ昆布と青ネギをたっぷり載せたもの。東日本の湯豆腐と異なり、この汁も「液体おつまみ」となります。
カウンターに座って、のんびり飲みながらほっこりする湯豆腐をつまむ……時間を忘れてしまいそう。帰りの新幹線があるので気をつけませんと。
豚平焼(300円)。手際よく、そして豪快にボリュームたっぷりに作っていく鉄板料理。値段で想像していた倍のサイズはあります。
大きめの豚バラがごろごろと入り、とろっとした玉子が包んでいます。このソース味に誘われて、もう一本、ダイビンいっちゃうおかな。だって480円なのですから。
近所の方は帰宅前の寄り道に、出張族には新幹線前の寄り道スポットです。新大阪駅構内には大阪の有名飲食店の支店が多数ありますが、こういう個人店でベテラン大将がつくる料理が食べたくなることも、ありますよね。
ごちそうさま。
(取材・文・撮影/塩見 なゆ)
依成
06-6399-5133
大阪府大阪市淀川区東三国4-1-2
15:00~01:00(土は11:00~24:00・日定休)
予算1,500円